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中央大学、Zホールディングス、DNPら6機関がサイバーセキュリティ人材育成に向けた産学官連携を発表

 中央大学、明治大学専門職大学院ガバナンス研究科(公共政策大学院)、Zホールディングス株式会社、大日本印刷株式会社、株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ、警視庁サイバーセキュリティ対策本部は7月26日、サイバーセキュリティ人材育成に関する教育・研究活動の交流及び連携・協力を推進することを目的に、産学官の6機関による「サイバーセキュリティ人材の育成に関する産学官連携についての協定」を締結した。

 協定締結の背景として、デジタル空間が「公共空間」としてより一層の重みをもつようになり、それに伴いフィッシングや特殊詐欺などの犯罪とデジタル空間を切り離すのが困難になったと指摘。社会の発展と安心・安全の実現には、サイバーセキュリティの知識、技能を有した人材の育成が課題となるとしている。

 これら課題を解決するため、「産」の強みである情報通信技術やリテラシー教育に関する知見、「学」の強みである学術研究に関する知見、「官」の強みである犯罪捜査及び犯罪情勢に関する知見を持ち寄ることで、「Cybersecurity for ALL~誰も取り残さないサイバーセキュリティ~」の実現に向けて活動するとしている。

各機関の取り組み

 各機関では、次のような取り組みを表明している。

中央大学

 サイバーセキュリティに関する専門的知見を各機関へ提供し、関連する国内外の最新情報に基づくリテラシー教育などを推進する。また、国際情報学部とELSI(エルシー:Ethical, Legal, and Social Implications)センターを中心とした新しい領域での法秩序の在り方に関する研究の場を創造する。

明治大学専門職大学院ガバナンス研究科(公共政策大学院)

 公共政策学の研究と教育を通して地域住民と自治体による政策創造を支援しており、公共政策に関係するあらゆる分野においてサイバーセキュリティの確保が求められている中、産学官の連携のもとにサイバーセキュリティに関する教育・研究を推進する。

Zホールディングス株式会社

 職種・職位別(特にエンジニア)のサイバーセキュリティ研修ノウハウをはじめ、傘下のヤフーが中心に取り組むグローバルスタンダードでのサイバーセキュリティ強化の知見、LINEなどが取り組む次世代に向けたリテラシー教育のナレッジなど、次世代に向けたリテラシー教育のナレッジ等を保有しているとし、これらを教育の現場へ提供することで、サイバーセキュリティ人材を輩出する。

大日本印刷株式会社(DNP)

 既存の金融機関向けICカードの製造・発行などを通じて培ったノウハウを生かし、セキュリティ体制構築やサイバー攻撃の対策要員を養成するサイバーナレッジアカデミーを現在実施しているが、協定締結を通じ、サイバーセキュリティ専門家だけではなく、幅広い層の人材教育を支援する。

株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)

 顧客の資産を守り、金融サービスを安全かつ安定的に稼働させることを社会的責務であると認識し、対策を強化する。また、サイバーセキュリティ分野における新たな接点として異業種や大学・学生と相互交流/支援を広げ、同グループの知見を社会にも還元し、社会全体のサイバーセキュリティの向上に貢献する。

サイバーセキュリティ人材の育成に関する産学官連携についての協定 概要

 協定の概要として、次の内容が発表されている。

1.協定の名称
「サイバーセキュリティ人材の育成に関する産学官連携についての協定」

2.締結日
2022年7月26日(火)

3.協定の目的
サイバーセキュリティの重要性を鑑み、今後必要とされる人的資源、知的資源の育成に向け、産・学・官の各立場から相互協力を推進し、サイバーセキュリティ人材の育成及び社会発展に寄与していくこと。

4.協定の内容
・教育、研究の発展・向上に関する相互支援
・学生・教職員、職員、社員の相互交流
・人材育成、キャリア形成に資する支援
・サイバーセキュリティ分野における社会協力、社会貢献