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インボイス制度施行に向け、報酬の値上げなど求める「インボイス2%~アクション」、フリーランス協会が実施

 一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会は2月20日、インボイス制度導入に備えた啓発キャンペーン「インボイス2%~アクション」を実施することを発表した。

 同協会によると、電気代や物価の高騰による賃上げ機運が高まる中だが、企業からフリーランスに対して支払われる報酬は、初回取引時から据え置かれているケースがめずらしくないという。

 また、10月に施行予定のインボイス制度の導入準備に伴い、フリーランスへの負担のしわ寄せ、消費税転嫁拒否や買いたたき・一方的な契約解除・取引排除など、法令違反になり得る契約トラブルが生じ始めているとしている。

 このような状況を踏まえ、同協会では、現在のフリーランスが直面している4つの本質的課題(後述)について理解を促し、新たに課税事業者になる選択をするフリーランスが少なくとも2%以上の価格交渉に挑戦できるよう後押しする取り組みとして、「インボイス2%~アクション」を実施する。「2%」は、免税事業者がインボイス発行事業者になることを選択した場合に、売上に対して新たに納めることとなる消費税額の割合にあたる。

 具体的には、フリーランスが取引先に対して報酬適正化に向けた価格交渉や免税事業者のままでの取引継続の交渉を行うことを応援する。

 また、フリーランスと取り引きを行う企業や、取引仲介を行う企業に対しては、免税事業者のフリーランスも報酬据え置きで取引を継続することや、課税事業者に転換するフリーランスの報酬を2%以上値上げすること、ステークホルダーに対してインボイス制度によるフリーランスへの影響について配慮を促すことなどを応援するとしている。

 同協会が示す「フリーランスが直面している4つの本質的課題」とは、次のような内容。

1.免税事業者と発注企業との間に、値付けに関する認識齟齬がある

 免税事業者の多くは「消費税納付の必要がない前提で」その仕事を引き受けるか否かの判断や値付けをしており、消費税分を「益税」(取引先から預かりながら、国庫には納めず自身の利益となる税金)と考える税理士や発注企業側の認識と大きな相違がある。

2.個人事業者や免税事業者であることを理由に、消費税転嫁拒否が発生している

 同協会が2021年に実施した調査では、回答者の24.4%が、これまで売上先から「個人事業者だから」あるいは「免税事業者だから」という理由で消費税の支払いを拒否された経験や請求できていない状況があった。

3.消費税転嫁拒否などの行為が法令違反になり得るとの認知が不十分

 インボイス制度導入に伴う消費税転嫁拒否や不当な値下げ、一方的な契約解除・取引排除は、独占禁止法や下請法において法令違反になり得る。このことは整理され、注意喚起がなされているにもかかわらず、十分に認知されているとは言えない状況にある。

4.小幅の負担増で生活が行き詰まるほどの低報酬が一部でまかり通っている

 協力団体との意見交換や個別ヒアリングなどによれば、一部の出版・放送コンテンツ業界や文化芸術業界などにおいては、限られた取引需要に対する担い手の多さから、発注企業とフリーランスとの間に著しい力関係の差や、特定の発注企業への依存度が高い傾向がある。

 そうした背景から価格交渉力に乏しく、低い報酬での生活を強いられているフリーランスが少なくない。また、そうした業界では「負担増は当然フリーランスが被る・被らなければならない」ということが、発注企業側のみならず当事者であるフリーランスの認識にもなっている。

 なお、同協会ではインボイス制度対応を機に生じた発注者との契約トラブルについて実態を把握し、政府に対策を求めることを目的として、2022年12月に「インボイストラブル通報BOX」を開設している。