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Googleの生成AI「Bard」が日本語に対応、大規模言語モデル「PaLM 2」搭載

 Googleは5月11日、同社のジェネレーティブ(生成)AI「Bard」が、日本語に対応したと発表した。試験運用中のサービスとして公開中で、ウェブサイト(https://bard.google.com/)から無料で利用できる(Googleアカウントが必要)。

 Bardは、2月7日にテストユーザー向けに提供を開始したことが発表されており、Google検索などの同社製品に組み込むことが目標とされていた。

 今回発表されたBardは、同社の大規模言語モデル(LLM)である「PaLM 2」を搭載している。2月にBardが発表された際にはLLMとしてLaMDAを活用したものだとしていた。PaLM、LaMDAはともに同社が研究を進めてきたLLMで、PaLM 2は、5月11日に日本語対応のBardと同時に、同社の開発者向けイベント「Google I/O 2023」にて発表されたもの。

 PaLM 2は、多言語、推論、およびコーディング機能が向上した最先端の言語モデルであるとしている。100以上の言語のテキストを学習し、慣用句、詩、なぞなぞなど、ニュアンスを含む表現を数多くの言語で理解、生成、翻訳するといった難しい問題に対する性能が大幅に向上。上級レベルの言語能力試験で「習得」レベルに合格したという。

 推論機能は、数式を含む科学論文やウェブページから学習。ロジックや、常識に基づく推論、数学に関する能力が向上しているという。また、公開されている大量のソースコードデータセットからの学習により、PythonやJavaScriptといったメジャーなプログラミング言語だけでなく、Prolog、Fortran、Verilogといった言語のコードも生成できるとしている。

 Bardは、同日に発表されたPaLM 2を搭載した25以上の製品の1つで、コーディングの支援機能も備える。ユーザーの質問(プロンプト)に対し、Bardでは複数の回答案を返し、ユーザーが自分に合うものを選ぶ。また、メールや文書の下書きとして、Bardの回答をGmailやドキュメントにエクスポートできる。

 今後は、Bardの回答をGoogle検索で簡単に確認したり、ウェブ上でソースを探したりできるようにするという。

エクスポート機能
Bard 紹介動画