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「始まりはインテルと」――新しいコーポレート・スローガンに込めた想いを鈴木社長が語る

新CEOのもと「顧客が求めるものを提供する企業」に

インテル株式会社 代表取締役社長 鈴木国正氏

 半導体メーカー Intelの日本法人となるインテル株式会社(以下、両社あわせてIntel)は、東京都内の同社オフィスで記者説明会を開催し、同社の新しいコーポレート・スローガン「始まりはインテルと」(英語ではIt start with Intel)など、同社の新しいマーケティング施策に関する説明を行った。

 この中でインテル株式会社の鈴木国正氏(代表取締役社長)は「新CEOのもとでIntelは大きく変わった。これからのIntelは顧客のニーズを汲み取って、それをベースに顧客の求めるものを提供する会社になっていく」と述べ、新しいコーポレート・スローガンはそうした意味を含んでいると説明した。

新CEO、新戦略のもとで顧客のニーズを汲み取れる企業を目指すと鈴木社長

Intelが注力する3つのエリア。安定したサプライチェーン、ムーアの法則、AIの民主化

 インテル株式会社 代表取締役社長 鈴木国正氏は「パット・ゲルシンガーCEOがCEOに就任して以来、Intelは大きく変わった。IDM 2.0や、それを実現するための5世代のプロセスノードを4年間で実現するという戦略も着実に実行していると、先日行われた第2四半期の決算説明会でも表明があった。5年前には想像できなかったような、Intelは変わるというメッセージを打ち出している」と述べ、Intelはパット・ゲルシンガーCEOが帰任してから大きく変わってきたことを指摘した。

 よく知られているように、Intelのパット・ゲルシンガーCEOは、00年代の終わりにIntelを一度退社しDell EMCに移り、その後はDellグループのVMwareのCEOとして、Intelとは全く異なるソフトウエア事業会社をリードしてきた。その後、2021年にCEOとしてIntelに帰任すると、すぐにIDM 2.0と呼ばれる新しい戦略をいち早く打ち出して、その戦略を着実に実行してきた。

 IDM 2.0とは簡単に言うと、Intelの事業部(CPUなどの半導体を提供する事業)が外部のファウンダリー(半導体受託サービス)を利用できるようにし(従来IntelのCPUなどの製品はほとんどが、Intel内部の製造部門で製造されていた)、その反対にIntelの製造部門が他社に対して半導体を受託製造するIFS(Intel Foundry Services)を立ちあげ、受託製造を行うことなどが柱になっている。それにより、Intelの製品部門も、Intelの製造部門も効率よく運営して、企業価値を高めていく、それがIDM 2.0になる。

 そうした新戦略に基づき、Intelは米国や欧州などに半導体製造工場を建築しており、コロナ禍で話題になった半導体逼迫のような事態が発生しても対応できる体制の構築を急いでいる。

Intelが6月に開催したプライベートイベント「Intel Connection」
Intelの役割
バリュー・ベースト・セリング
価値創造の三つの要素

 そうした変わりつつあるIntelに関して鈴木社長は「私はインテル日本法人の社長に就任して以来、DcXという造語を用いて、デジタル変革の重要性を訴えてきた。DcXとはデータを活用したデジタル変革という意味で、インテル日本法人の社長になってわかったことは、半導体を供給する企業というある意味中立性がある企業だからいろいろなメッセージを打ち出せるということだ。これからのIntelは、“バリュー・ベースト・セリング”という、顧客にとって中長期的な価値創造につながるビジネスを創出するアプローチでやっていく。そのために新しいマーケティングメッセージを打ち出したい。これからは顧客のニーズをくみとって、それをベースに顧客の求めるものを提供する会社になっていくのだ」と述べ、その想いをこめた新しいコーポレート・スローガンとして「始まりはインテルと」(It start with Intel)を紹介した。

ビジネスPC向けの新しい施策ではVTuberの起用も

インテル株式会社 マーケティング本部長 上野晶子氏

 インテル株式会社の上野晶子氏(マーケティング本部長)は、そうした「始まりはインテルと」などの新しいコーポレート・スローガンやマーケティング施策に関して説明を行った。

新しいコーポレート・スローガンとなる始まりはインテルと(英語ではIt start with Intel)

 従来Intelは「Do something wonderful」(和訳は「素敵なことを始めよう」)をコーポレート・スローガンにしてきた。このコーポレート・スローガンは、同社の共同創始者であるロバート・ノイス氏の言葉がもとになったものだ。それが今回「It start with Intel」に変更され、その和訳が「始まりはインテルと」になったのだ。

 上野氏は「この新しいメッセージの中で重要なことは"と"という言葉にあると考えている。企業が求める価値はなにであるのかを考え、そのためにIntelがテクノロジーやエコシステムを通じて価値を提供していくという意味になる」と述べ、顧客が必要とする何かをよく考え、それに必要なソリューションをIntelが提供していく、とのメッセージがこめられているのだと説明した。

ビジネス向けのコミュニケーション

 その上で本年下半期のIntelのマーケティング戦略について説明した。ビジネス向けには「ITが抱えている課題としてリモートワークへの対応や端末の管理業務の増大、サーバー側では多様なワークロードにより処理データを消費電力が増えてサーバー運営コスト増大などがある。そうした中で企業が求めているのは、企業が成長するための提案、サーバーやPC管理の効率化などになる」と述べ、本年後半にはそうしたニーズに応えるマーケティング戦略をとっていくと説明した。

ビジネスPC向けのマーケティング施策

 ビジネスPC向けのマーケティング施策としては、本誌でもおなじみの「PC匠道場」や「vPro友の会」などのコミュニティーや、さらには、ITはヒーローだという、グローバルにも行っているIT部門に寄り添った業務改善やDX促進を支援していく施策を打っていくという。また、日本向けのユニークな取り組みとしては、アキバ機土氏というPCにやたら詳しいVTuberによるコンテンツを提供していくなど、新しい取り組みも行うという。

サーバー向けのマーケティング施策

 サーバー向けの施策としては、最新サーバーCPUの導入メリットを広く説明する解説記事や、同社が1月に発表して投入して最新の第4世代Xeon Scalable Processorの最大の特徴であるアクセラレーターのメリットを生かせるようなソリューションを充実させることなどを挙げた。

教育向けのコミュニケーション
インテル・デジタルラボ構想
一般消費者向けのコミュニケーション1
一般消費者向けのコミュニケーション2
一般消費者向けのコミュニケーション3

 このほか、教育分野向けのマーケティング施策、一般消費者向けのマーケティング施策などに関しても説明され、一般消費者向けでは、これまでもIntelが熱心に取り組んできたクリエイター向けのプログラム「Blue Carpet Project」や、本年後半に発表が予定されている次世代PC向けCPU「Meteor Lake」(メテオレイク、開発コードネーム)において、新しいブランドスキームが導入されることなどが説明された。

分かりやすいCPUブランド

 上野氏は「従来のブランドスキームはやや複雑になっていたため、それをシンプルで分かりやすい内容にした。最新世代の製品がUltraを関するようにして、i7とかi5とかわれわれのブランドであるCoreが省略されることも増えていたので、iはなくすことにした」と述べ、ブランドをよりスッキリして最新世代をCore Ultra、その一つの前の世代の製品をCoreとして、そこに9/7/5/3の数字を付けるようにと、よりシンプルで分かりやすくしたと説明した。