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Google、同社サービスの生成AIによる著作権侵害リスクからユーザーを保護すると発表

 米Googleは10月13日(現地時間)、同社が提供するGoogle WorkspaceのDuet AIおよびGoogle Cloudの各種サービス内の生成AIが作成したコンテンツが著作権侵害で訴えられた場合に、法的リスクに対する責任を負うことを発表した。

 この発表は、Google Cloud Blogにおいて、法務担当VPのNeal Suggs氏、ITセキュリティ担当VP兼Google Cloud CISOのPhil Venables氏の連名により行われた。タイトルには「Shared fate」(運命共同体)と記載され、生成AIに関する補償問題に対し、ユーザーを保護するとしている。

 同社のサービスにおいて生成AIの採用が進んでいるが、
最新かつ最高のテクノロジーを提供しながら、顧客の安全も保護することが、急速に発展する生成AIの活用においては不可欠だと、同社は述べている。

 現状、生成AIを活用するにあたって問題視されることの1つに、ユーザーが意図しない著作権など知的財産権の侵害がある。学習に他者の著作物を使用したことで、それに似たコンテンツが生成されてしまう、生成されたコンテンツが他者の著作物に類似していることが後で発覚する、のような問題が起こる可能性だ。

 今回のGoogleの発表では、開発・学習段階でのトレーニングデータの使用に対しては、Googleが従来から保証しており、第三者の知的財産権を侵害しているものではなく、学習にあたって第三者の知的財産権を侵害しているとの申し立てがあった場合には、説明を行い、ユーザーを保護するとしている。

 また、生成AIによって出力されたコンテンツの内容に対して、知的財産権の侵害であるとの申し立てをユーザーが受けた場合、同社が補償を行うとしている。

 これらにより、著作権侵害などの問題が、学習に由来したものか、出力に由来したものかに関係なく、Googleが生成AIを利用するユーザーを保護するとしている。

 以下のGoogle WorkspaceのDuet AIおよびGoogle Cloudの各種サービスで生成されたコンテンツが対象となる。ただし、これらの補償は、意図的に著作権侵害を行ったユーザーには適用されない。

  • Duet AI in Workspace(Google ドキュメントとGmailで生成されたテキスト、Google スライドとGoogle Meetで生成された画像を含む)
  • Duet AI in Google Cloud(アプリケーション開発支援を含む)
  • Vertex AI Search
  • Vertex AI Conversation
  • Vertex AI Text Embedding API/Multimodal Embeddings
  • Visual Captioning/Visual Q&A
  • Codey APIs