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LPI-Japan、最上位のLinux技術者認定「LinuCシステムアーキテクト認定試験」開始

「LinuC」認定試験のレベル。Linuxサーバーの構築と運用の「LinuC レベル1」から、ITプロジェクトの上級エンジニア「LinuCシステムアーキテクト」まで4段階の認定試験を実施している

 特定非営利活動法人エルピーアイジャパン(LPI-Japan)は、Linuxを用いたITプロジェクトの上級エンジニアを認定する「LinuCシステムアーキテクト認定試験」をリリースすると発表した。認定試験は、11月6日からオンラインまたは世界中のテストセンターで実施する。

 「LinuCシステムアーキテクト SA01試験」と「LinuCシステムアーキテクト SA02試験」の2つの試験が実施され、受験料は1試験あたり日本国内では2万7500円(税込)、日本国外は250米ドル(税別)だ。

 LPI-Japanは、Linux技術者の認定試験「LinuC(リナック)」を行っている。今回リリースされた認定試験は、LinuCの最上位認定試験という位置付けだ。

 現代のITプロジェクトは、オンプレミス/クラウド、物理/仮想化を含む多様な技術を理解し、非機能要件を満たしたシステムアーキテクチャを設計・構築・運用する必要がある。LPI-Japanでは、このようなITプロジェクトを構築できる技術力を持った上級エンジニアへのニーズの高まりを受け、それを認定する試験としてLinuCシステムアーキテクト認定試験を設けた。

 LinuCシステムアーキテクト認定試験は、情報処理推進機構が策定する各種IT関連サービスの提供に必要とされる能力を明確化・体系化した指標「ITスキル標準(ITSS)」のレベル4に相当する。

 具体的には、以下が挙げられている。

  1. 分散システムの処理構造について、典型的なパターンの特徴を理解し使い分けられる
  2. プラットフォーム/ミドルウェア/ネットワーク/ストレージについて、LinuxなどのOSSによる具体的な構成を決定し構築・設定でき、クラウドサービスの機能を用いたりリソースを動的に確保するなどの構成も必要に応じて選択できる
  3. 非機能要件のそれぞれを実現するための要素技術を理解し、LinuxなどのOSSにより実践できる。また、クラウドネイティブな設計アプローチや開発手法を理解し、システムに採り入れられる
  4. 安定稼働と継続的開発を見据えた監視やテスト体制を設計し、また運用中のトラブル対応を主導できる

 SA01試験とSA02試験は、いずれも1試験の制限時間は85分間で、約40問が出題される。両方に合格し、有意なLinuCレベル2を保有していると、「プレイングシステムアーキテクト」としての能力が認定される。認定の有意性は5年間だ。

 LPI-Japanは、今後の展望として年間1000人の認定者を目指しているとしている。

 なお、本試験の開始に伴い、LinuCシステムアーキテクト SA01試験とSA02試験が半額で受験できる「リリースキャンペーン」が実施される。期間は2024年3月31日まで。