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月面通信に向けた、基地局アンテナ設置の実証実験に成功、宇宙ロボットスタートアップGITAIとKDDI

ロボットで設置した基地局。手前がGITAIのローバー、ソーラーパネルの塔のようなものが基地局で、白い腕のように見えるのが作業ロボット

 GITAI USAとKDDI株式会社は3月6日、ロボットで基地局アンテナを設置する実証実験に成功したと発表した。本実証で得た知見をもとに、両社は月面モバイルネットワーク構築を目指すとしている。

 この実証実験は、2023年12月7日に行われたもの。両社でロボットのみで設置可能な基地局の支柱やアンテナを試作し、あらかじめ設置していた支柱に探査車(GITAI製のローバー)がアンテナを運搬して、アームの両端に「グラップルエンドエフェクタ」(GITAI独自の作業に応じて交換可能なインターフェース)を搭載している作業ロボット(Inchworm robots:シャクトリムシ型ロボット)が、アンテナを支柱頭頂部に設置。ケーブルに接続し、通電に成功した。

 米国の「アルテミス計画」に日本も参加して月面再着陸・探査の計画が進む中、月面での通信環境構築も求められている。過酷な月面上で人間が基地建設をするのは困難だが、地球上で利用されている基地局の機器は有人設置を前提とした設定であるため、まずロボットのみで設置可能な通信基地のための支柱やアンテナを開発する必要があった。

 GITAI USAはGITAI Japanの米国支社で、宇宙作業用ロボットの研究開発・製造を手掛けており、GITAI Japanではトヨタと共同で有人与圧ローバー向けロボットアームの開発を手掛けるなどもしている。KDDIでは、有望なベンチャー企業への出資を目的とした「KDDI Open Innovation Fund 3号」を通じて、同社に出資を行っている。

ロボットによる基地局アンテナ設置のデモンストレーション動画(The ground demonstration video of communication tower construction using multiple GITAI robots)