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フェイクニュース問題の解決に向け、NEDOが偽情報対策技術開発に着手、富士通のシステムが採択

国際競争力強化につながる技術開発を推進する「経済安全保障重要技術育成プログラム」

 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は7月19日、重要技術の研究開発を進めて育成する「経済安全保障重要技術育成プログラム」(K Program)の一環で実施する研究開発として、「偽情報分析に係る技術の開発」事業に着手し、富士通株式会社の「経済安全保障重要技術育成プログラム/偽情報分析に係る技術の開発/偽情報の検知・評価・システム化に関する研究開発」を採択した。2027年までに研究開発を行う予定。

 K Programは、日本が技術的優位性を高め、不可欠性を確保するために、内閣府や経済産業省、その他の関係府省が連携し、先端的な重要技術の研究開発から技術実証までを迅速かつ柔軟に推進するためのプログラム。「偽情報分析に係る技術の開発」事業は、今後も拡大が懸念される偽情報に対して総合的な分析を行うシステムであり、このような技術への世界的ニーズが高まる中で、新産業創出や国際競争力強化につなげられるものだとしている。

 富士通が開発するシステムは、次のようなものだ。SNSの投稿などの真偽を判定するにあたり、含まれる文章・画像・音声・動画が生成AIなどによって作られたものでないか作為性の判定を行うとともに、さまざまな根拠の関係性をつなぎ合わせた「エンドースメントグラフ」(対象の情報に付加される発信者や位置、日時などの、真偽判定の根拠となる情報)により、整合性や矛盾を分析することで真偽の判定を支援する。同時に、情報の社会的な影響度も評価する。

富士通が開発するシステムの全体イメージ

 同事業では、民需・官需向けのそれぞれのユースケースに合わせて要件定義を行い、システムを構築するとしている。