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生成AIに肯定的な保護者が66%、昨年から10ポイント増~ベネッセが生成AIに関するアンケート

 株式会社ベネッセコーポレーションは7月17日、小学生やその保護者のChatGPTなどの生成AIの認知度、利用経験や今後の利用意向、利用する上で大事だと思うことなどについてのアンケート調査の結果を発表。子どもの23%が生成AIを「知っている」と答え、「生成AI」がどのようなものかを知っている保護者のうち、66%が利用に肯定的と答えた。

 調査は、6月24日~26日に、小学3年生~6年生とその保護者1032組を対象に、インターネットでのアンケート調査として実施された。

子どもが生成AIを利用することに関して保護者の66%が肯定的

 本調査は昨年に行った調査からの利用実態や意識の変化を調べることを目的にして実施されたが、生成AIの認知や利用率については、大きな変化が見られなかったという。そうした中での最も大きな変化として、66%の保護者が利用に肯定的で、昨年の調査より10ポイントアップしたことを挙げている。一方で、否定的な意見は4.1%だった。

Q.お子さまの生成AIの利用についてどう思われますか(「積極的に使ってほしい」「少し使ってみてほしい」の合計が66%)

 利用に保護者が肯定的な理由で最も多い意見は「新しい技術の活用力を養うよい機会になりそうだから」だった。否定的な理由で最も多い意見は「自分で考えなくなりそうだから」。

Q.前問のご回答の理由として、もっともお気持ちに合うものを選んでください(利用に肯定的な保護者)
Q.前問のご回答の理由として、もっともお気持ちに合うものを選んでください(否定的な保護者)

生成AIの利用用途は親子とも「好きなことについて調べる時」が最多

 生成AIを「知っている」と回答した子どもと保護者のうち、肯定的な意見を持つ子どもと保護者にどのような時に生成AIを使いたいかをたずねる質問をしたところ、親子ともに「好きなことについて調べる時」が最も多かった。

Q.どのような時に生成AIを使いたいですか(子ども)/お子さまに生成AIをどのような時に使ってほしいですか(保護者)

 本調査の結果を受け、ベネッセ教育総合研究所の小村俊平氏(教育イノベーションセンター長)がコメントを寄せている。認知や利用率に大きな変化が見られない一方、保護者の肯定的な意見が増えていることについては、「ニュースで生成AIのさまざまな活用事例を目にしたり、保護者自身が実際に生成AIを使ってみたりした結果ではないでしょうか」としている。

 また、生成AIの利用に肯定的な保護者が「自分で考える力が伸びそうだから(13%)」と回答する一方、否定的な保護者は「自分で考えなくなりそうだから(48%)」と回答していることが興味深いとして、生成AIは調べものだけでなく、アイデアを探したり考えを広げたりしたいときにも使われることに言及。

 「生成AIを使って試行錯誤しながら、『自分の考えを引き出すツール』として使うようにお子さんにアドバイスするとよいのではないでしょうか。それがお子さんの物事を多角的に捉えて吟味する思考力や、豊かな創造力を高めていくことにつながると思います」とアドバイスしている。