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全国のテレワーク利用率は13%、東京圏では21%〜慶應大が調査結果を公表
2025年4月10日 06:30
慶應義塾大学は4月8日、デジタル技術が与える就業者の働き方・生活・意識への影響に関する調査「第2回デジタル経済・社会に関する就業者実態調査」の結果を公表した。
同調査は、同大学経済学部の大久保敏弘教授と公益財団法人NIRA総合研究開発機構(NIRA総研)が共同で、コロナ禍およびポストコロナにおける就業者の実態を明らかにするために2020年4月から11回にわたり行ってきたもの。ポストコロナにおけるデジタル技術の社会実装の状況やデジタル技術が就業者の働き方・生活・意識に与える影響を把握することを目的としている。
調査は過去の同調査からの継続回答者を対象に、2024年12月21日~2025年1月15日に行われた。回答数は9193件。
全国のテレワーク利用率は2023年から横ばい、東京圏では若干の低下
全国のテレワーク利用率は、2024年12月時点で13%であり、これは2023年3月から横ばいの状態となっている。東京圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)ではテレワーク利用率が高いが、同じく2023年3月と比べると若干の低下が見られ、2024年12月時点の利用率は21%だった。
テレワークに関する意識についても調査を行った。テレワークに対するマイナスのイメージが周囲にあるかどうか尋ねたところ、「あてはまる」が19%、「あてはまらない」が40%という結果となり、ネガティブな風潮は限定的とした。
一方、勤め先からテレワークを推奨されているかについてについて尋ねたところ、「推奨されている」が12%、「推奨されていない」が58%という結果となり、企業のテレワーク推奨に対する姿勢が低下していることが示唆された。
定期的に仕事で生成AIを利用している就業者の割合は14%
生成AIの利用状況をみると、2024年12月時点でほぼ毎日利用している人は3%、週に1回程度利用している人は5%、2週間に1回程度利用している人は3%、月に1回程度利用している人は3%とという結果で、月に1回以上の頻度で定期的に生成AIを利用している人の割合は14%となった。職業別にみると、「研究者」「情報処理・通信等技術者」「農林水産技術者」「著述家、記者、編集者」「経営・業務コンサルタント」での利用率が高かった。
定期的に仕事で生成AIを利用している人に対し、仕事効率の変化について尋ねたところ、効率向上を実感した割合は77%、変わらないとした割合は20%、効率が悪化したと実感した割合は3%だった。2023年10月の同様の質問をした際は、効率向上が63%、変わらないとしたのは24%、効率悪化が13%であったことから、生成AIの活用による効果を実感する人が増えている様子がうかがえる。
同調査では、テレワーク利用率について産業別・職業別など詳細な調査・分析を行っているほか、日本の政策への賛否、大統領就任前のドナルド・トランプ氏のほか中国やロシアへの認識、国際間の企業買収や関税などの国際関係に関する意識などについても調査を行っている。