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ネットの偽・誤情報、25%が“拡散”経験あり。理由は「驚きの情報だったから」が最多〜総務省「ICTリテラシー実態調査」
2025年5月14日 06:15
総務省は5月13日、「ICTリテラシー実態調査」の調査結果を公開した。87.8%が「ICTリテラシーが重要だ」と回答する一方で、75.3%が「ICTリテラシー向上に向けた具体的な取組を⾏ってない」などの現状が明らかになった。
同調査は、総合的なICTリテラシー向上に向けて今年の1月から開始した「DIGITAL POSITIVE ACTION」に関連し、利用者のICTリテラシーに関する認識や偽・誤情報の拡散傾向などの実態を把握し、向上の取り組みを推進するために実施されたもの。2025年3月31日~4月2日に、全国47都道府県の15歳以上の男女2820人を対象にインターネット上で行われた。
25.5%が過去にあった偽・誤情報を拡散した経験あり
過去に国内で流通した偽・誤情報を見聞きした経験がある人を対象に、その内容の真偽をたずねたところ、「正しい情報だと思う/おそらく正しい情報だと思う」と回答した人の割合は47.7%、「どちらともいえない」が25.6%、「誤った情報だと思う/おそらく誤った情報だと思う」が26.7%という結果となった。
過去に流通した15件の偽・誤情報のうち1件以上を見聞きした経験がある人のうち、家族や友人に伝えたり、不特定多数の第三者に伝えたりと、何らかの形で拡散した経験がある人の割合は25.5%だった。特に、若い年代において拡散した割合が多い結果となった。
拡散した理由として最も多かったのは「情報が驚きの内容だったため」が27.1%で最多だった。続いて「情報が話題になっていて流行りに乗りたかったため」が22.7%、「話の種になると思ったため」が21.0%と続いている。
ネットの情報を「正しい」と判断する基準は「公的機関が発信元」
SNS・ネット情報を「正しい」と判断する基準をたずねたところ、「公的機関が発信元・情報源である」が41.1%と最も多かった。続いて、37.2%が「自分で論理的・客観的に考えた結果」、24.7%が「自分の直感・なんとなく」と回答した。
この回答を年代別に見ると、10代は「公的機関/専門家」などの回答が最多であり、一方で60代以上は「⾃分で論理的・客観的に考えた結果/⾃分の意⾒や信念と⼀致している」が咲いただった。
87.8%が「ICTリテラシーが重要だと思う」
自身のICTリテラシー向上に対する意識を調査したところ、「⾃⾝のICTリテラシーが⾼いと思う」という回答は35.2%。年代別に見ると、10代が55%と最も高い割合だった。「ICTリテラシーが重要だと思う」「どちらかといえば重要だと思う」との回答の合計が、87.8%と⾼い割合を占めた。
75.3%が「ICTリテラシー向上に向けた具体的な取組を⾏ってない」
ICTリテラシー向上に向けた具体的な取組については、「具体的な取組をほとんど⾏ってない」または「全く⾏ってない」の合計が75.3%だった。約9割がICTリテラシーは重要だと思いながら、取組を行っている人は4分の1以下ということになる。
取組を⾏っていない理由をたずねると、「取組み⽅が分からないから」が50.9%と最も多く、続いて「仕事や生活に大きな支障がないから」が21.3%。その次は「十分ICTリテラシーが高いと思うから」が11.6%となった。
総務省が進める「DIGITAL POSITIVE ACTION」は、インターネット・SNS利用者のICTリテラシー向上を目指す官民連携プロジェクト。「世代に応じた多様な普及啓発」「SNS・デジタルサービスにおけるサービス設計上の工夫」「信頼性の高い情報にかかる表示上の工夫」に重点を置き、啓発教材の作成やイベントなどを実施している。