グローバルなID管理技術の普及を目指す新団体が発足


 Liberty AllianceなどID管理関連7団体は17日、相互運用可能なID管理ソリューションを世界に普及させることを目指す新団体「カンターラ・イニシアティブ」を発足した。オンラインで身分を証明するためのID管理やインターネットに関連する45の企業・組織が参加する。

 カンターラ・イニシアティブは、Concordia Project、DataPortablity Project、Information Card Foundation、Internet Society、Liberty Alliance、OpenLiberty.org、XDI.orgの7団体が設立した。1年前からID管理分野の代表者が計画しており、今回発足に至ったという。

 業界、地域、固定ネットワークやモバイル・ネットワークなどの枠を越え、相互運用可能なID管理ソリューションを普及させることが狙い。具体的には、ID管理の新技術やポリシーの開発戦略を初期段階から検証するほか、市場投入や長期の導入戦略についても支援する。

 既存のプロジェクトはカンターラ・イニシアティブに移行することで、新しい利用ケースの確認、機能追加のサポート、他のプロジェクトや技術との相互運用性の実証機会など多くの情報を入手できるとしている。

 新団体の成果はオープンな標準技術に基づき、エンドユーザーの利便性、セキュリティ、プライバシー保護の実現を目指す。こうした取り組みにより、「IAF(Identity Assurance Framework)」「ID-WSF(Identity Web Services Framework)」「Information Card」「OAuth」「OpenID」「SAML(Security Assertion Markup Language) 2.0」「WS-*」「XACML(eXtensible Access Control Markup Language)」「XDI(XRI Data Interchange)」などの標準を組み合わせたソリューションが開発されるとしている。

 カンターラ・イニシアティブでは、理事会と議長会という二院制の組織体制を採用し、両者が対等な立場で協力し合って組織の方向性を決定するという。今年度の理事会会長には、Oracleのロジャー・サリバン氏、議長会会長にはInternet SocietyのJ・トレント・アダムス氏が選出された。

 理事会には、AOL、British Telecommunications、CA、Fidelity Investments、Intel、Internet Society、Liberty Alliance、Novell、Oracle、PayPal、Sun Microsystemsのほか、日本からNTTと野村総合研究所が参画している。

 カンターラ・イニシアティブの「Kantara」とは、スワヒリ語で「橋」を意味する言葉で、その語源はアラビア語で「調和」を意味している。


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(増田 覚)

2009/6/18 14:57