アドビ、Flash ProfessionalなどMAX 2009のトピックを紹介


 アドビシステムズ株式会社は10月22日、米国で開催された「Adobe MAX 2009」で発表された最新技術に関する記者向けの説明会を開催。同社DMO(ダイナミックメディア)部テクニカルエバンジェリストの太田禎一氏により、Adobe Flash Platform関連技術を中心に説明が行われた。

DMO部 テクニカルエバンジェリストの太田禎一氏

 太田氏はまず、Adobe MAX 2009で発表された主要情報を紹介。「一番大きな話題は、Adobe Flash Platformのアップデート情報。オーサリングツールには、新たにFlash Catalystが追加された。また、Flash Platform Servicesが新しくサービスとして加えられた」と、Flash Platformがさらに充実したとアピールした。

 Flash Catalystは、PhotoshopやIllustratorといったアプリケーションで作成した静的なイメージにインタラクティブなアクションを設定できるツールで、現在ベータ2がリリースされている。最大の特徴は、デザイナー自身が静的なイメージに直接アクションを設定できる点。デザイナーは、プログラミングなしで作成できるので、イメージをそのまま表現することができる。正式提供は2010年上期の予定。

 これに対し、開発者向けのツールがFlash Builder 4。Eclipseベースの統合開発環境で、Flash Catalystで作成したプロジェクトをそのまま取り込んでコーディングできる。特にサーバー上のデータをウィザード形式で登録できることから、同社では「データ中心型開発」と呼んでいる。現在ベータ2がリリースされており、正式提供は2010年上期の予定。

Flash Catalystの編集画面。Illustratorで作成したイメージに直接アクションを設定できる作成したファイルは、Flash Builderで読み込めるファイル形式で保存Flash Builderから、さまざまなデータにアクセス可能

 このほか、Flashコンテンツの作成ツールの最新版であるFlash Professional CS5のプレビューも公開。最新版では、Flash Player 10で強化されたテキスト描画機能に対応。InDesignのようにテキストコンテナ同士をリンクしたり、縦書きをサポートするなど、テキストの表現力を大幅に強化している。また、スクリプトが得意でないユーザー向けに、コードスニペッツと呼ばれるインタラクティブ機能をコンポーネント化して提供する機能を用意。これを利用することで、リストからインタラクティブ機能を選択して割り当てるだけで利用可能になる。コードスニペッツはカスタマイズに対応しているので、開発者にインタラクティブ機能を作ってもらい、それを利用するといった使い方も可能。

強化されたテキスト描画機能。DTPソフトのようなテキストコンテナのリンク機能が用意されている縦書き表示のほか、縦中横といった表示も可能一覧からインタラクティブ機能を選択して割り当てられるコードスニペッツ

 最新版で最大のトピックといえるのが、iPhoneをサポートした点。Flashで作成したアプリケーションを、iPhoneでネイティブに動作するアプリケーションとして変換する機能を用意。これを利用すれば、Flash Professionalで手軽にiPhoneアプリを開発することができる。なお、この機能を利用するには、Appleとデベロッパー契約する必要がある。

iPhone形式でのパブリッシュをサポート。Flash形式ではなくiPhoneアプリとしてパブリッシュされるiTunesにドラッグアンドドロップして登録することができる

 Flash Professional CS5は、2010年上半期リリースを目標に開発中。なお、11月には英語版のパブリックベータが公開される予定。パブリックベータは、iPhoneアプリへの変換機能などが実装されている。

 これ以外にも、USBストレージ検知など機能が大幅に強化されたAdobe AIR 2.0、モバイル対応を強化したFlash Player 10.1、クラウドサービスのFlash Platform Servicesなどが発表されたことが紹介された。


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(福浦 一広)

2009/10/22 20:02