流対協がGoogleブック和解修正案に見解、無断スキャン容認できない


 中小出版社99社で組織される出版流通対策協議会(流対協)は16日、Google Book Search(Googleブック検索)訴訟の和解修正案に対する見解を発表した。

 流対協では、和解修正案で日本が対象から除外されたことについては、これまでの反対運動の成果であると評価した。一方で、今回のGoogleブック検索の問題は、違法なスキャニングを認めた上で成り立っており、一国の国内法をもって国際的に著作権者や出版社の不利益を強制しようとするものに変わりはなく、到底容認できないと指摘。著作物の利用は事前許諾が原則であるとして、Googleに対してこれまでスキャニングした日本の書籍のデータの削除や、対象範囲外の書籍のスキャニング作業の中止、これまでスキャニングを行った書籍についての報告などを求めている。

 Googleブック検索の和解案は、米国のGoogleブック検索サービスにおいて、著作権保護期間内の書籍であっても、絶版または市販されていない書籍については全文の閲覧を可能とするもの。この和解案には米国以外の著作権者も含まれたことから、各国で反対の声が挙がった。流対協も、和解案からの離脱を表明し、和解案の却下を求める文書を米連邦地裁に送付していた。

 米Googleと作家団体などは、13日に和解の修正案を発表。修正案では訴訟の対象者を米国、英国、オーストラリア、カナダの4カ国に限定し、日本や多数のEU諸国は実質的に除外した。


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(三柳 英樹)

2009/11/16 18:45