ラジオ放送をネットで同時配信、東京・大阪のラジオ局が実証実験


 在京および在阪の民放ラジオ13局と電通が共同設立した「IPサイマルラジオ協議会」は、地上波ラジオ放送をインターネットで同時配信する「IPサイマルラジオ」の実用化試験配信を、3月15日から8月31日まで実施する。ユーザー登録の必要なく聴取が可能で、料金は無料。

 「IPサイマルラジオ」では、関東地区(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)と関西地区(大阪府、京都府、兵庫県、奈良県)に分け、ラジオ放送のエリアに準じた地域に限定して配信を実施。配信地域の判別に関しては、IPアドレスをもとにしているという。

 聴取可能なラジオ放送は、関東地区がTBSラジオ、文化放送、ニッポン放送、ラジオNIKKEI、InterFM、TOKYO FM、J-WAVEの7局。関西地区が朝日放送、毎日放送、ラジオ大阪、FM COCOLO、FM802、FM OSAKAの6局で、どちらも基本的にCMを含めてインターネットに配信される。また、聴取にあたってはFlashベースのプレーヤーを利用する。

 IPサイマルラジオ協議会では、半年後をめどに実用化を目指す考え。同協議会では、「近年、都市部を中心に高層建築、モーターなどの雑音源の増加などによりラジオの聴取環境は著しく悪化している」とした上で、「IPサイマルラジオ」を提供することで「難聴取を解消していくと同時に、より魅力ある音声メディアの姿を追求する」としている。


「IPサイマルラジオ」の配信サイト「radiko.jp」。(左から)関東地区と関西地区の画面イメージ

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(村松 健至)

2010/2/25 06:00