不正アクセス、目的はオークション不正出品がダントツ


 国家公安委員会、総務省、経済産業省は4日、不正アクセス行為の発生状況を公表した。2009年に報告のあった不正アクセス行為の認知件数は2795件で、不正アクセス禁止法違反により95件、114人が検挙された。

 不正アクセス禁止法では、不正アクセス行為の発生状況と、不正アクセス対策の技術開発状況について、年1回公表することが定められており、これに基づいて調査結果が公表された。

 2009年に、全国の警察から警察庁に報告のあった不正アクセス行為の認知件数は2795件で、2008年と比べて506件増加した。内訳は、国内からのアクセスが2673件、海外からのアクセスが40件、アクセス元不明が82件。

 被害を受けたマシンの管理者による分類は、プロバイダーが2321件、一般企業が466件、大学・研究機関などが4件、その他が4件。不正アクセスによって行われた行為の内訳は、「ネットオークションの不正操作」が2152件で最も多く、以下は「オンラインゲームの不正操作」(345件)、「情報の不正入手」(185件)、「ネットバンキングの不正送金」(34件)、「ホームページの改ざん・消去」(33件)など。

 不正アクセス禁止法違反により2009年に検挙された事件は95件、検挙人数は114人。95件の事件中、セキュリティホール攻撃型の事件は1件のみで、残りの94件は他人のID・パスワードを不正に利用する識別符号盗用型の事件となっている。

 検挙された事件で行われた不正アクセス行為の合計件数は2532件。手口の内訳では、フィッシングサイトによりID・パスワードを入手したものが2084件と圧倒的に多く、以下は「共犯者などから入手したもの」が167件、「他人から購入したもの」が92件など。

 事件の被疑者と被害者の関係は、元交際相手や元従業員など顔見知りが57人、交友関係のない他人が49人、ネットワーク上のみの知り合いが8人。不正アクセスに至った動機は、「不正に金を得るため」が2245件で最も多く、以下は「好奇心を満たすため」(165件)、「オンラインゲームで不正操作を行うため」(63件)、「嫌がらせや仕返しのため」(34件)などとなっている。


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(三柳 英樹)

2010/3/5 06:00