知財戦略本部、「コンテンツ特区」など知財推進計画の骨子を決定


 政府の知的財産戦略本部は30日、「知的財産推進計画2010」の骨子をまとめた。特定戦略分野における国際標準の獲得を通じた競争力強化、コンテンツ強化を核とした成長戦略の推進、知的財産の産業横断的な強化策を、3本の柱として構成。戦略本部に新たに設置した副大臣級会合の企画委員会で、具体的な取り組みのスケジュールや担当府省を明記した工程表を作成し、5月をめどに推進計画を決定する。

 特定戦略分野の競争力強化では、「環境・エネルギー」「医療・介護」を中核に、スマートグリッドや電気自動車など、今後世界的な成長が期待され、日本が優れた技術を有する分野に集中して施策を展開。国際標準化ロードマップを含む競争力強化戦略を官民共同で策定し、国際標準獲得のための支援を行う。

 コンテンツ強化策では、日本のコンテンツの海外展開を支援する官民共同ファンド設立や税制面での支援の検討、「コンテンツ特区」の創設などを盛り込んだ。また、デジタル化に対応した通信・放送の総合的な法体系の整備、デジタルネットワーク化に対応した著作権制度上の課題の検討、権利侵害対策として「マジコン」などアクセスコントロール回避機器・行為に対する規制の強化、プロバイダーによる侵害対策措置の促進などを、重点施策として挙げている。

 知的財産の産業横断的な強化策では、ベンチャー・中小企業に大使る特許関連料金の減免制度や、知的財産マネージメントに関するワンストップ窓口の整備、模倣品・海賊版拡散防止条約(ACTA)の2010年中の交渉妥結などを重点施策とする。


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(三柳 英樹)

2010/3/31 15:39