2009年の電子書籍市場は610億円、「日本はすでに電子書籍大国」


電子書籍市場規模の推移

 株式会社矢野経済研究所は18日、国内の電子書籍市場に関する調査結果を公表した。事業者の売上高ベースの市場規模は、2009年度が610億円(前年度比119.6%)、2010年度は670億円(同109.8%)と見込んでいる。

 2010年は「電子書籍元年」とも言われるが、市場規模が2009年度に610億円に達したことに加え、出版社も数年前から旧作のマンガをPCや携帯電話向けに配信していることから、すでに「電子書籍大国」となっていると指摘する。

 ただし、現状では市場のほとんどを携帯電話(スマートフォン含む)向けが占めており、今後はiPadなどの電子書籍リーダー向けコンテンツが充実することで、新たな市場形成が期待されるとしている。

 2010年は電子書籍端末の多様化・高機能化、書籍・雑誌の電子化が進んだことにより、「大幅な市場拡大に向かう年になった」と評価。将来の市場規模としては、2011年度は720億円、2012年度は880億円、2013年度は1300億円、2014年度は1480億円と見込んでいる。

 なお、調査における電子書籍市場とは、携帯電話やPC、電子書籍リーダーなどに配信される電子書籍のコンテンツの事業者売上高をもとに算出した。そのため、電子書籍端末の端末代金やデータのダウンロードにかかる通信費や広告収入などは含まれていない。


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(増田 覚)

2010/11/18 17:06