「Google Chrome 12」ベータ版、3D CSSハードウェアアクセラレーション追加

セキュリティとプライバシー保護の強化も


 米Googleは8日、ウェブブラウザー「Google Chrome 12」のベータ版をベータチャンネルにて公開したと発表した。バージョン番号は「12.0.742.30」で、3D CSSのハードウェアアクセラレーションの追加、セキュリティやプライバシーの機能強化、Google Gearsの削除などの改良が加えられている。

 今回追加された3D CSSのハードウェアアクセラレーションにより、3D CSSを使ったウェブページの3Dエフェクトを高速に実行できるようになる。これらの機能は開発版などですでに一部が公開されていたが、今回のベータ版で実装を完了したとしている。

 また、セキュリティとプライバシーに関連する機能が強化された。これまでのGoogle Chromeでもマルウェアとフィッシングサイトから守るためのSafe Browsing機能が搭載されていたが、今回のバージョンではこれに加え、悪質なファイルのダウンロードを防ぐための機能が追加された。この機能はGoogleがウェブサイトをクローリングする際に危険なファイルを見分けるために使用されているのと同じアルゴリズムが使用されている。

 プライバシーに関しては、Flashのローカルデータストレージを削除するための機構が、Adobeのウェブサイトに行かなくても、直接Google Chromeの設定画面から利用できるようになった。

Google Chrome 12の「閲覧履歴の消去」画面にある「Cookieと他のサイトやプラグインのデータを削除する」で、「NPAPI ClearSiteData API」をサポートしたプラグインのローカルデータを削除可能。Adobe Flash Playerプラグインは、同APIを実装しているブラウザーの終了時に自動的に削除するよう設定しておくことも可能

 アクセシビリティも向上し、視覚障害者がスクリーンリーダーを使用しやすくなった。今回、一般的なスクリーンリーダーソフトであるJAWS、NVDA、VoiceOverの予備的なサポートを開始したことを明らかにしている。

 そして、Google Gearsプラグインがついに削除された。削除されること自体は3月にGoogle Gears公式ブログですでに明らかにされていた。これは、HTML5を使用することにより、Google Gearsを使用せずに高度なウェブアプリケーションが開発できるようになったことが理由とされている。

 そのほか、Ominiboxにアプリケーション名をタイプすることで起動できる機能なども追加されている。


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(青木 大我 taiga@scientist.com)

2011/5/10 11:39