米Zaarly、現在地周辺の人と売買できるマーケットプレイスを米国で公開


 米Zaarlyは18日、位置情報に基づき、リアルタイムに周囲の人と物品やサービスの売買ができるマーケットプレイスを米国で公開した。

 Zaarlyの名前は「Bazaar(バザール)」の後ろ4文字からきている。現在地周辺のコミュニティや自分のソーシャルコミュニティの間で、物品やサービスを簡単に売買するための仕組みを提供する。iPhone、Android端末、フルブラウザー搭載携帯電話、PCから利用できる。

 Zaarlyの特徴は「買い手」が中心となることだ。利用者はまず、自分が必要としている商品やサービスなどについて具体的に書き込み、それに支払える金額と、いつまでに必要かを明記する。

 Zaarlyは、このユーザーのリクエストをZaarlyコミュニティに通知すると同時に、登録していればFacebookやTwitterなどの友人や連絡先にも通知する。

 Zaarlyのユーザーでこのリクエストを満たすことができそうな人かや企業があった場合、Zaarlyが提携している電話サービスを使って匿名の音声通話を行い、取引内容の詳細などを打ち合わせる。取引が成立すれば、Zaarlyが提供するクレジットカード決済システムによって取引が完了する。

 Zaarlyは個人も企業も利用できる。企業であれば、単純にハンバーガーのデリバリーやクリーニングなど自社サービスを提供することが可能だろう。個人であれば、音楽の演奏や特殊技能を必要とするサービスの提供もできる。また、単純に不用品の引き取りや中古売買などオークション目的で使用することも可能だろう。

 Zaarly創業者のBo Fishback氏は、「個人間の商取引は毎日のように我々の周囲で起こっている。しかし今に至るまで、コミュニティの中で誰が必要としているものを持っているかという情報は雑音の中で埋もれてしまい、見つけることができなかった」と説明し、Zaarlyの有用性をアピールしている。

 Zaarlyは、シリアルアントレプレナーであるBo Fishback氏、Eric Koester氏、Ian Hunter氏によって設立された。2月に技術者と起業家が集まる54時間のイベント内でプロトタイプを完成させた後、30日も経たずに初期製品版を完成させ、投資家からの資金調達にも成功。その後、テキサス州オースチンで開催されるイベント「SXSWi」にて48時間以内で1万ドルもの取引を成立させ、注目を集めていた。


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(青木 大我 taiga@scientist.com)

2011/5/19 11:35