日本にホスティングされたフィッシングサイトが466件、世界ワースト5位


 EMCジャパン株式会社のRSA事業本部は24日、世界規模でオンライン犯罪対策業務を展開している「RSA Anti-Fraud Command Center(AFCC)」の調査に基づいた月次レポートを発表した。日本にホスティングされているフィッシング詐欺サイトの数が、2011年12月に大幅に増加したことがわかった。

 AFCCが12月に世界で確認したフィッシング攻撃の回数は2万1119件で、前月比で25.5%減少した。攻撃対象となったブランドも256件で、同18%減少。また、12月に初めて攻撃対象となったブランドや、攻撃回数が5回以下のブランドも減少しており、「詐欺師が攻撃範囲を再び絞り込んだ様子がうかがえる」としている。

 フィッシングサイトがホスティングされていた国の内訳(ISPや、フィッシングドメインを管理していた登録事業者の所在地別)では、米国が52%を占めた。11月の61%から比率は下がったものの依然として過半数を占めている。以下は、ぐっと比率は下がって、ドイツ(5%)、ロシア(5%)、フランス(4%)の順で、日本(4%)がワースト5位。日本は、上位10カ国に3年3カ月ぶりにランクインした。なお、米国は2011年通年でも56%で、ワースト1位。


フィッシングサイトのホスティング国の内訳。2011年12および2011年通年(「 Monthly AFCC NEWS Vol.54」より)

 日本国内にホスティングされたフィッシングサイトの数は12月に466件に上り、「過去に例のない大幅増」を記録した。ここ1年間は100件未満で推移しており、比較的多かった月でも87件(5月)、72件(2月)、68件(11月)であり、多くは50件未満だった。過去、2008年8月に217件、同年9月に151件を記録しているが、それらと比べても今回は2倍以上にあたる。

日本にホスティングされたフィッシングサイトの数の月次推移(「 Monthly AFCC NEWS Vol.54」より)

 RSA事業部によると、12月にフィッシング対策協議会に寄せられたフィッシング報告件数も87件と前月より63件も増加しているが、「この大幅増が今後も続くのか、要因が何なのかは不透明」だという。

 「2011年は東日本大震災、ユーロ圏の債務危機などを背景に、オンライン詐欺などの経済犯罪が台頭した。スマートデバイスやソーシャルネットワーキングメディアが幅広く一般に普及したことも、間接的に不正行為に対する脆弱性を高める結果となっている。そして、2012年は、より巧妙かつ高度に標的を絞り込んだ攻撃が増加することが見込まれている。企業は、従来の取り組みに加えて、現状の脆弱性や脅威の把握、利用者に対する啓蒙や経営層からの関心の獲得をいっそう高めていく必要がある。」


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(永沢 茂)

2012/1/25 11:00