中高生5人に1人が有名人画像を無断ネット使用、「問題意識希薄に」


 社団法人日本芸能実演家団体協議会の実演家著作隣接権センター(CPRA)は1日、中高生を対象とした「有名人の肖像に関する調査」の結果を公表した。調査は2011年8月5日から8月17日まで、携帯電話を持ち、自宅でもネットを利用している中高生を対象に実施。1665人から有効回答を得た。

 それによれば、有名人の画像を自分のブログやホームページ(HP)、画像掲示板などにアップロードした経験があると回答したのは22.6%。アップロード先は「自分のブログ・HP」が16.4%と最も多く、以下は「SNS」が6.5%、「画像掲示板」が6.1%の順だった。

 アップロードした有名人の画像・映像の入手経路としては、「ネットから無料で入手」が94.9%と圧倒的に多く、「友人や家族からファイルとしてもらった」が21.5%、「雑誌や写真集からスキャン」が17.8%、「録画したテレビ番組」が12.0%と続いた。

有名人の画像・映像のアップロード経験

有名人コンテンツの入手経路トップは検索、SNS経由も3割

 ネット上で見た有名人の“非公式的な”コンテンツでは、「非公式ファンサイトや個人のブログ・HP掲載の画像・映像」の54.5%を筆頭に、「掲示板に投稿された画像・映像」(51.5%)、「画像掲示板に投稿された画像・映像」(51.4%)が半数を超えた。

 有名人の画像・映像のあるサイトの認知経路としては、「検索サービス」が54.6%で最多。以下は「個人のブログ・HP」(46.2%)、「画像検索サービス」(45.3%)、「掲示板」(43.1%)、「PCやネット関連の雑誌や本」(35.3%)、「SNS」(29.4%)の順。

 認知経路となったSNSの具体的なサービスの内訳では、「GREE」(71.8%)、「モバゲー」(67.6%)、「mixi」(53.2%)が上位に入った。「Facebook」(5.6%)や「MySpace」(5.1%)は1割に満たなかった。

 これと同様に、認知経路となった画像検索サービスの内訳としては、「Yahoo!」(81.6%)と「Google」(79.7%)がほぼ同数。以下は「NAVER」(15.7%)、「bing」(5.8%)、「Baidu」(4.7%)の順だった。

有名人の画像・映像のネット閲覧経験について

有名人画像のネット使用、問題意識が希薄に

 このほか、「肖像パブリシティ権」の説明文を提示した上で、その内容の認知を尋ねたところ、「知っていた」が12.2%、「なんとなく知っていた」が54.6%で、合計6割強が認知していた。「今回はじめて知った」という非認知者は33.2%だった。

 その一方、他人が自分や友人、家族の画像を無断でネットに公開することは、約8割が「問題である」と答えたのに対し、有名人の画像を無断で使用することが「問題である」と答えたのは48.7%と半数に満たなかった。

 この結果についてCPRAでは、「中高生にとって、有名人の画像をネット上で使用することについて問題意識が希薄となっている傾向が明らか」としている。


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(増田 覚)

2012/2/2 06:00