モバイルを狙うマルウェア、悪質なサイトが急増~マカフィー調査


 マカフィー株式会社は1日、McAfee Labsによる2011年第4四半期の脅威レポートを発表した。マルウェアとスパムが減少傾向にある一方で、モバイル端末を狙うマルウェアの発生件数が急増している。

 モバイル端末を狙うマルウェアサンプルの合計は、2011年第4四半期には400件を超え、過去最高を記録。この傾向は今後もしばらく続くと思われるとしている。主に標的となっているプラットフォームはAndroidで、Android端末を狙うマルウェアの中では、金銭目的でSMSを送信するトロイの木馬が大半を占める。

 PCを狙うマルウェアの発生件数は減少傾向にあるが、マカフィーが保持するマルウェアの固有サンプル数の累計は依然として7500万件を超えている。また、ボットネットの数は、2011年8月以降減少していたが、11月から12月にかけて増加。ブラジル、コロンビア、インド、スペイン、米国といった国でボットネットの増加が見られたという。

 ウェブの脅威についても、新たに発見された不正サイトの数が、2011年第3四半期には1日平均3500件だったが、第4四半期には1日平均6500件と急増。現在でもアクセスできる悪質なURLの総数は70万件を超えるとしている。新たな不正サイトの73.3%は北米にサーバーが存在し、ほとんどを米国が占めている。

 また、2011年第4四半期には、産業システムや国家インフラを狙った攻撃、Anonymousを中心とした「ハクティビズム」の活動によるサイバー攻撃などが多く発生しており、「これは2012年の前兆だ」と指摘。サイバー犯罪に使われるツールキットも進化し、政府機関の関与が疑われる事件も発生しているが、一方では各国の捜査当局によるサイバー犯罪者の摘発も大きな成果を挙げたとしている。


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(三柳 英樹)

2012/3/5 06:00