PayPalが屋台でも使える、スマホ利用のカード決済サービス「PayPal Here」


 米eBay子会社の米PayPalは15日、スマートフォンをレジ代わりに使った決済サービス「PayPal Here」を発表した。屋台の店主など小規模事業主でもクレジットカード決済できるという。

 まずは米国など4カ国で限定的にサービスを開始し、そのほかの国でも近く発表する予定。これに合わせてiPhoneで利用できるPayPal Here対応iOSアプリが公開された。Android対応アプリはサービス本格開始時に公開される予定だ。

「PayPal Here」で使用するドングル。iPhoneのヘッドホンジャックに差し込む

 PayPal Hereでは、iPhoneのヘッドホンジャックに三角形のドングルを差し込むことで、店主がiPhoneをレジ代わりに使用できる。決済時、ドングル部分にあるリーダーに顧客のクレジットカードを通してスキャンし、タッチ画面上で顧客にサインをしてもらう仕組み。レシートの受け取り方法も選択できる。売り上げは即座に店主のPayPalアカウントに反映される。

 スキャン以外にも、内蔵カメラでクレジットカードを撮影してからCVVコードを入力する方法や、小切手、現金決済にも対応する。

PayPal Hereのデモ動画が公開されている。これは、クレジットカードをスキャンするところ

クレジットカードをスキャンした後、顧客がiPhoneのタッチ画面上でサインをする

 決済手数料は2.7%の定額。また、PayPalが発行するビジネスデビットカードを使用すれば、1%のキャッシュバックを受けられるため、実質的な決済手数料は1.7%だとしている。

 PayPal Hereは、15日より米国、カナダ、オーストラリア、香港の一部の顧客限定で開始。これら4カ国のその他の事業者は、4月中に利用できるようになるとしている。その時点でAndroidにも対応する。

 また、これ以外の国々でもPayPal Hereを利用できるようになる見込みで、「近々発表」としている。その際、利用者には無料アプリとカードリーダーが提供される予定だ。また、年中無休のカスタマーサポートとPayPalの詐欺防止システムも利用できる。


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(青木 大我 taiga@scientist.com)

2012/3/16 12:31