“新SkyDrive”とGoogle Driveなどの比較表、Microsoftが公開

「他社製品利用を前提としたパーソナルクラウド」


 米Microsoftは、24日に発表した“新SkyDrive”と他社オンラインストレージサービスとの比較表をアップデートするとともに、25日付の同社公式ブログにおいて同社戦略の独自性などを説明した。ユーザーが他社製品を利用していることを大前提としていることを明言した上で、OfficeとWindowsとの連携に優れていることを動画を用いて説明し、消費者に訴えかけている。

 比較表では、新SkyDrive、Appleの「iCloud」、Googleが提供を開始したばかりの「Google Drive」、「Dropbox」を取り上げ、機能の有無や容量、料金などをまとめている。Microsoftが作成した比較表であるだけに、SkyDriveが他社に比べて優位であることを示す内容となっている。

 しかし公式ブログの文章では、他社との単純な比較ではなく、むしろSkyDriveの独自性に着目させながら、Microsoftの戦略を説明している。そのため、ユーザーが用途別にどのオンラインストレージを使用すべきかを判断するよい材料になりそうだ。

 ブログを執筆したSkyDriveグループマーケティング担当者のAnand Babu氏は、同社の戦略を以下のように説明している。

 「私たちは、また別に管理しなければならないファイルクラウドを人々が欲しいと思っているとは思いません。1つのブラウザー、ソーシャルネットワーク、広告ネットワークに紐付けられたアプリクラウドが欲しいと思っているとも思えません。プロプライエタリな端末クラウドを新たに欲しいと思っているとも思いません。本当に欲しいのは、人々のファイルを、毎日使用しているアプリケーションや端末とシームレスに結び付けるようなクラウドなのです。10億人以上の人々が毎日OfficeアプリケーションやWindows端末を使って、あらゆる場所で創造し、取り込み、共有しています。だからこそ私たちは、OfficeとWindowsとシームレスに動作するパーソナルクラウドストレージを消費者のために構築したのです。」

 これに引き続いて、WindowsやMac、Android、iPhone/iPadなどでWord、Excel、PowerPoint、OneNoteをどのように使用すれば便利であるかを示す動画、「Windows 8」コンシューマープレビュー版のSkyDriveの使用体験を説明した動画を公開している。

 繰り返すが、この内容はMicrosoftの主張であるだけに、当然ながら同社に有利な内容だ。しかし、WindowsとOfficeの利用者が多いという事実は変わらない。DropboxやSugarSyncなどのベンチャー企業だけでなく、AppleやGoogleの製品戦略、またプライバシーなど法的・政治的側面にも今後、ますます注目が集まりそうだ。


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(青木 大我 taiga@scientist.com)

2012/4/26 12:34