ニコファーレ、MMDに対応したARライブの新システムを導入
株式会社ドワンゴと株式会社ニワンゴは26日、東京・六本木のライブハウス「ニコファーレ」に、AR(拡張現実)ライブが可能となる新たなシステムを導入した。
ニコファーレの新システム |
新システムは、ニコファーレのステージ上に透過スクリーンとプロジェクターを設置し、会場の観客がステージ上のバーチャルキャラクターを観覧できるようにするとともに、ネット中継では中継映像にバーチャルキャラクターをリアルタイムで合成する。ニコニコ動画有志ユーザーが開発した3DCGムービー制作ソフト「MikuMikuDance(MMD)」に対応しており、ユーザーが制作したMMDデータをそのまま使用することができる。
透過スクリーンとプロジェクターによるバーチャルライブは、大型投影機を用いて光量を確保する必要があったが、ニコファーレに今回導入したシステムでは8台の小型プロジェクターを使って光量を確保することで、省スペースでのバーチャルライブを可能にした。8台のプロジェクターは、それぞれが傾きなどの補正を加えた別々の映像を投影し、1つの映像を作り上げる。
透過スクリーンにバーチャルキャラクターを投影 | 8台のプロジェクターで1つの映像を作り上げる |
一方、ネット向けの生中継映像では、透過スクリーンに映し出された映像をそのまま中継すると、カメラアングルなどの制限があり、演出も限られる。そのため、プロジェクターと中継用カメラには偏光フィルターを装着し、中継用のカメラ映像には透過スクリーンの映像は映らないようにした上で、中継用カメラの位置やアングルをリアルタイムで検出し、カメラ位置に応じたCGを描画・合成することで、ネット中継用の映像を作成する。これにより、会場にいる観客もネット視聴の観客も、ARライブが楽しめるとしている。
新システムは、ボーカロイドソフト「メグッポイド」のキャラクターGUMIの3周年記念イベントとして26日に開催される「GUMI誕生祭2012 in ニコファーレ」のARライブで初披露される。今後は、バーチャルキャラクターと現実世界の人間との共演イベントや、バーチャルデータを用いた製品発表会などでシステムの活用を見込む。
8台のプロジェクターが投影する映像はMMDのデータからリアルタイム演算で作成しているため、データの差し替えなども容易に行える。ただし、現時点ではプロジェクターの位置の調整などは手動で行なっているため設営に時間がかかっており、こうした点を今後改善していきたいという。
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(三柳 英樹)
2012/6/26 18:22
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