日本マイクロソフト、社員食メニューのレシピ本出版~社員食堂もお披露目


 日本マイクロソフトは2日、社員食メニューを紹介した初のレシピ本「日本マイクロソフトの社員食堂 野菜たっぷり!デリレシピ63」の出版記念会見を品川本社の社員食堂「One Microsoft Cafe」で開催した。

“One Microsoft”は、“会社一丸となって”を意味

日本マイクロソフトの岡部一志氏

 日本マイクロソフトは2011年2月、「日本に根付き、信頼される企業に向けた変革」として、事業部間の連携を強化するために、もともと5ケ所に分散していたオフィスを品川に移転、社名も「マイクロソフト株式会社」から「日本マイクロソフト株式会社」に変更した。

 挨拶に立った日本マイクロソフト 社長室の岡部一志氏は、「移転に際し、社員にとって満足度の高い、働きがいのある快適な環境を構築したかった。そこで、19F全体をどの部署も関係なく使える『One Microsoft フロア』として、社員の交流の場にした。

 “One Microsoft”とは、“会社一丸となって”という意味でよく使われる言葉。『One Microsoft Cafe』はそこからきている」と名前の由来やコンセプトを説明。日本マイクロソフトでは、従業員約2500名のうち約6割が固定席を持たない“フリーアドレス”だといい、どこで働いてもよいとされている。「One Microsoft Cafe」は、そんな社員の仕事場や打ち合わせ場所であり、食堂であり、休憩所であり、宴会場にもなるのだという。

 現在では社食への注目の高まりもあってか、メディアでの露出も増え、カフェの雰囲気と、色鮮やかなメニューが、日本マイクロソフトそのもののイメージも変えつつあるようだ。岡部氏は「決して戦略的ではなく、やってみてわかった」としながら、「単にITを使ってどうというのではない発見があった。今まではソフトやサービスだったが、今後は違った形で根付きたいという思いはある」と語り、広報的な存在価値が高まっていることを認めた。

 現在は優秀な新人獲得に魅力ある社食が必要とも言われる。「人」と「食」にフォーカスすることで、従来のIT企業のイメージとは違う、明るくオープンなイメージを発信。今後「One Microsoft Cafe」は、日本マイクロソフトのPRにも活用されるようだ。

品川移転や社名変更について品川オフィスの概要
メニューも食器も色鮮やかなのが特徴食堂から見える景色


PFCバランスも考えた社食メニュー

 レシピ本の紹介のほか、本社を品川に移転した経緯、「One Microsoft Cafe」の特徴、社員のワークスタイルや社内で実施されている健康プログラムへの取り組みなどが紹介され、集まった報道陣にも社食の一部が振る舞われた。

 「日本マイクロソフトの社員食堂 野菜たっぷり!デリレシピ63」は、社員食堂「One Microsoft Cafe」のメニューが63品紹介されているデリスタイルのレシピ集で、定価1200円。レシピの他にも、社員食堂「One Microsoft Cafe」が誕生した経緯や、カフェの様子、メニューのこだわりポイント、社員のインタビューなどが、豊富な写真とともに紹介されている。

日本マイクロソフトの社員食堂 野菜たっぷり!デリレシピ63レシピの例

 会場となった19Fの「One Microsoft Cafe」は、中央のカウンターとフロアを挟んで、朝と夜をイメージしたフロアがそれぞれ両サイドに設けられ、全体で315席が用意されている。カウンターは「bowl」と「deli」に分かれており、毎日メイン3種類、カレー1種類、Bowl1種類、ヌードル1種類、ライス3種類、スープ2種類、サイド5種類が提供される。

 野菜をたくさん食べられるよう、日々メニュー作りが行われているだけでなく、食器にはフランスの老舗キッチンウェアメーカー「ル・クルーゼ」のカラフルな食器を使うことで、プレート全体の彩りも華やかになるよう配慮したという。

 「one Microsoft Cafe」のメニューを提供するエームサービスの管理栄養士 吉川佳代子氏は「社食のメニューは、PFCバランス(食事の三大栄養素、タンパク質、脂質、炭水化物のエネルギー比率)も考えている。ご飯に汁物、メイン1つ、サイドデリ2つを選択すると、塩分はだいたい3.5g程度になる。とにかく生野菜が多くとれるメニュー構成」だという。

 出版元キラジェンヌの執行役員 新井玄氏は、オーガニックライフスタイル系の雑誌を手がける同社が、日本マイクロソフトの社員食堂が注目されていることを知り、声をかけたことで書籍化が実現したと出版の経緯を説明。

 発売は7月27日だが、すでに大きな反響があり、ビジネス書やパソコンコーナーでの扱いもあるとのことで「メタボ対策やダイエットなどすばらしい取り組みをされている。社員食堂という、外からは見えない部分の話を書籍の中に盛り込んでみた。ダイエットを気にしている女性はもちろん、サラリーマン男性にもぜひ読んでいただきたい」とアピールした。Windows 8対応の電子書籍としても発売を予定しているという。

カウンターには、栄養士お勧めの献立表が、カロリーやPFCの値とともに掲示されているレシピ集に掲載された「彩り野菜の黒酢酢豚」680円。
bowlコーナーご飯も汁物も食器はル・クルーゼ



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(すずまり)

2012/8/3 11:29