NTT Com、“デジタル親孝行”が広がっているとの調査レポート


 NTTコミュニケーションズ株式会社(NTT Com)は3日、「親子間のデジタル・コミュニケーション」に関する調査レポートを発表した。シニア層でのデジタル機器の活用が進んだことを背景に、離れて暮らす子どもが孫の写真をインターネットで頻繁に送るなど、デジタルを活用して日ごろの親子間のコミュニケーションを行う“デジタル親孝行”が広がっているという。

 レポートは、親と離れて暮らす全国の30~49歳の1000人を対象に、8月18日・19日にウェブアンケートで調査した結果に基づくもの。家族社会学が専門の石井クンツ昌子・お茶の水女子大学教授の監修のもと取りまとめた。

 まず、日ごろの親とのコミュニケーション頻度は、「毎日」が6.9%、「週に1回以上」が22.5%、「月に2~3回以上」が23.0%、「月に1回程度」が20.4%、「2~3カ月に1回程度」が14.3%など。この結果から、合計29.4%の人が週1回以上の高頻度でコミュニケーションをとっているとしている。

 コミュニケーションの手段を見ると、手紙や固定電話といったアナログ手段のみが19.3%、PCや携帯電話のメール、インターネット通話などのデジタル手段のみが50.0%、アナログ/デジタル併用が28.4%、その他が2.3%となっており、“デジタル派”が半数を占めた。

 週1回以上コミュニケーションをとる人の割合は、デジタル派においては31.8%で、アナログ派の20.2%を上回った。石井教授は「デジタル機器やサービスの発達によって、より手軽かつ低コストでコミュニケーションがとれるようになった影響が大きいと考えられる」としている。

 さらに調査では、毎年、お盆や年末年始に実家に帰省する頻度が「多い」と回答した人の割合も、デジタル派が52.8%と、アナログ派の44.0%を上回った。石井教授は「デジタルを活用した密接なコミュニケーションが、対面のコミュニケーションを促進させることにつながっている」とみている。

 今回のレポートでは、親孝行をしたいという明確な意志がある人の割合でも、デジタル派で58.5%、アナログで51.3%と差が現れたとしている。

 NTT Comでは、こうしたデジタル親孝行には、昔のアナログ写真をデジタル化するサービスが効果的だと説明。写真アルバムをデジタル化する同社のサービス「思い出あんしん保管 for マイポケット」をアピールしている。


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(永沢 茂)

2012/9/4 16:52