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NTT、「HTML5コンテンツ分割・連携技術」を開発

 日本電信電話株式会社(NTT)は8日、「HTML5コンテンツ分割・連携技術」を開発したと発表した。HTML5を用いて、1つのコンテンツ情報を複数のデバイスに合わせ、自動で分割・連携できるという。ウェブアプリケーションや映像を含んだコンテンツなどの制作の際、デバイスの追加・変更に合わせた修正が不要となるため、マルチデバイス連携コンテンツの開発期間・費用を削減できるとしている。

 HTML5コンテンツ分割・連携技術は、各デバイスに搭載されたHTML5ブラウザーと連携することで機能する。ウェブコンテンツを構成要素(DOM)によって映像画面、操作画面、情報画面といった部分コンテンツに分割。これらの部分コンテンツがユーザーの利用シーンに合わせて複数デバイスに振り分けられる。さらに同技術では、各デバイスのHTML5ブラウザーに表示されるコンテンツの状態を管理することで、別々のデバイスに振り分けたコンテンツ同士を同期させることが可能だという。

 これにより、テレビやスマートフォン、タブレットなどさまざまなデバイスで1つのコンテンツを利用する“ワンソース・マルチスタイル”のコンテンツ活用が実現するとしている。

「HTML5コンテンツ分割・連携技術」の概要(NTTの発表資料より)

 例えば想定する利用スタイルとして、映像、日本語音声、英語音声、日本語字幕、英語字幕、家電ステータス確認アプリなどから構成される1つのコンテンツを用意しておくことで、映像はテレビ端末を使って家族全員で閲覧。父親は、スマートフォンで英語音声を聴きながらタブレットで英語字幕を見る、母親は、テレビ端末で日本語音声を聴きながら、手元のスマートフォンでは洗濯機など家電の動作状況を確認したり、映像に関連する店舗などの情報を調べる――といった例を挙げている。

 さらにNTTでは、利用者の趣味・嗜好に合わせたコンテンツ情報の自動割り振りなどの技術の高度化を目指す。また、同技術を国際標準規格とする活動も展開していく。

(永沢 茂)