ニュース

セキュリティ更新は必ず実行を、「LOVE PC 2013」キャンペーン

 2月の「情報セキュリティ月間」に合わせて実施されている、セキュリティ対策をユーザーに呼びかける取り組み「LOVE PC 2013」の活動報告会が13日、開催された。

「LOVE PC 2013」キャンペーンサイト

 情報セキュリティ月間は、2006年2月に政府の第1次セキュリティ基本計画が決定されたことを記念して、2月を情報セキュリティの普及・啓発を行う月間として定められたもの。

 「LOVE PC」は、情報セキュリティ月間に賛同する情報セキュリティ対策推進コミュニティの協力により、「PCにセキュリティという名の愛を」をスローガンとして、OSやインストールされているソフトを常に最新の状態に保つことなどをユーザーに呼びかけるキャンペーン。

 2012年に続く2年目となる今年のキャンペーンは「IT護身術」がテーマ。「セキュリティ更新は必ず実行すべし」「スマホはPCの一種と考えるべし」「SNSは公のスペースと考えるべし」という3箇条を「IT護身術の極意」として、一般ユーザーに呼び掛けている。

 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の大森雅司氏は、IPAが実施した意識調査では、Windows Updateなどによるセキュリティパッチの更新を行なっているユーザーは61.3%、Adobe Readerのバージョンアップをしているユーザーは45.1%にとどまっているという結果を紹介。バージョンアップしない理由としては、「更新方法がわからない」「手間がかかる」「更新メリットが不明」といった意見が多いことから、IPAでは平易に理解できるセキュリティ対策の推進と、簡易な操作でセキュリティ対策が行えるツールの提供を行なっているとした。

 セキュリティ対策の普及・啓発活動としては、教育研修用映像コンテンツの提供や、スマートフォン安全利用のための入門的パンフレットの通信キャリアなどを通じての配布、スマートフォン向け「情報セキュリティマンガ」の連載など、楽しみながらセキュリティ対策の重要性を認識してもらうための取り組みを進めていると説明。また、IPAが発信するセキュリティ情報をHTMLタグを挿入することでウェブページに表示できる「icat」、ユーザーPCのソフトウェアのバージョンチェックと対策を表示するツール「MyJVNバージョンチェッカ」などのツールを配布しており、こうした半自動的に行えるツールによるセキュリティ対策を推進していくとした。

サイバーセキュリティ注意喚起システム「icat」
MyJVNバージョンチェッカ

 マイクロソフトでは「Windows Update」により、セキュリティ更新プログラムを自動的に適用するための仕組みを導入しており、アドビシステムズのAcrobat/Adobe Reader、Flash Player、オラクルのJavaも同様に自動アップデートの仕組みを導入している。各ソフトは最新バージョンでは標準設定で自動的アップデートが有効となっているが、古いバージョンでは自動アップデートの仕組みが無かったり、既にサポート期間外となっているバージョンを利用しているユーザーもいるため、こうしたユーザーに最新版にアップデートしてもらうことが今後の課題だとした。

Windows Updateの自動更新設定
Adobe Readerの自動更新設定

 ヤフーの佐竹正範氏は、Yahoo! JAPAN IDのセキュリティ強化の取り組みを説明。2012年8月にはログイン時のワンタイムパスワード機能、2012年9月にはフィッシング詐欺対策としてログイン画面のデザイン(テーマ)をユーザーが設定できるログインテーマ機能を導入したことを紹介。これらの機能はスマートフォンからも利用できるため、ユーザーに積極的に利用してもらいたいと語った。

Yahoo! JAPANのワンタイムパスワード機能
Yahoo!のトップページ右上「無料ID活用」から設定が可能

(三柳 英樹)