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Google、ブラウザーのレンダリングエンジンをWebKitから「Blink」に変更

 米Googleは3日、ウェブブラウザー「Google Chrome」のベースとなっているオープンソースブラウザー「Chromium」のレンダリングエンジンとして、これまでのWebKitから分岐した新たなエンジン「Blink」を採用すると発表した。

 WebKitは、Google ChromeやSafariなどに採用されているオープンソースのレンダリングエンジンで、2月にはOperaもWebKitを採用することを表明している。

 ChromeのソフトウェアエンジニアであるAdam Barth氏は、「Chromiumは他のWebKitベースブラウザーと違い、マルチプロセスアーキテクチャーを採用しているため、WebKitプロジェクトとChromiumプロジェクトはここ数年、複雑化の一途をたどってきた」として、これにより全体的なイノベーションの速度が低下してきたため、新たなレンダリングエンジンの採用に踏み切ったと説明。

 「新しいレンダリングエンジンの登場は、ウェブに多大な影響を与えるであろうことは明白だが、複数のレンダリングエンジンが存在することは、複数のブラウザーが存在することと同様にイノベーションを促進し、長期的なオープンウェブのエコシステムを健全化していけると確信している」とコメントしている。

 また、Blinkは短期的にはウェブ開発者に大きな影響を与えることはないとしており、当初の作業の大部分は内部的なアーキテクチャーの改善とコードベースの簡素化だと説明。最初の作業としては、7つのビルドシステムを取り除くことで450万行、7000ファイルを削除し、こうした作業が長期的には安定したバグの少ない実装につながるとしている。また、今後とも他のブラウザーベンダーとは密接に協力し、標準への準拠や相互運用性などは保っていくとしている。

(三柳 英樹)