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ブロードメディア、クラウドゲーム機「G-cluster」を6月20日発売
サーバー上で動作するゲームをプレイする“シンクライアント”
(2013/5/27 19:53)
ブロードメディア株式会社は27日、クラウドゲーム機「G-cluster(ジークラスタ)」を6月20日に日本国内で発売すると発表した。全国の家電量販店やECサイトで5月30日に予約受け付けを開始する。希望小売価格は9980円。コントローラーとセットになったパッケージは1万3800円。
「G-cluster」は、サーバー上で動作するゲームの画面をインターネット経由でストリーミング中継し、家庭のテレビに映して遊べる「クラウドゲーム機」。本体にはHDMI端子、給電用のUSB端子、無線LAN機能を搭載し、重量45gと小型端末のためテレビの背面などに設置できる。
本体セットにはホルダーと電源アダプター、USBケーブル、HDMIケーブルが付属。ゲームコントローラー同梱のセットにはロジクールのワイヤレスゲームパッド(F710)が付属する。スマートフォンやタブレットをゲームのコントローラーとして使用することも可能で、コントローラー用アプリが無料で提供される。
ゲームは1タイトルにつき525円~2940円で、購入したゲームは月額料金なしで原則1年間好きなだけ遊べる。また、約30タイトルが遊び放題の「月額500円プラン」(税込525円)も用意する。
G-cluster向けのゲームタイトルとしては、コナミデジタルエンタテインメントの「あにまるパズルキューブリック」「PCエンジン・ライブラリー」「ロケットナイト」、日本ファルコムの「イースI&IIクロニクルズ」、Ubisoft Entertainmentの「Assassin's Creed II」「Prince of Persia: The Forgotten Sands」「H.A.W.X.2」、Warner Bros. Interactive Entertainmentの「LEGO Harry Potter Years 1-4」などが提供予定となっており、株式会社スクウェア・エニックスもタイトルの提供を発表している。
「今年をクラウドゲーム元年に」橋本社長
ブロードメディア代表取締役社長の橋本太郎氏は、「G-clusterは、本体にはゲームはなく、映像を映すだけ。ゲームはサーバー側という、究極のシンクライアントと思っていただければ」と表現。「ゲームソフトのディスクは不要で、セーブデータもネットワーク上。ユーザーアカウントを使えば他の端末でも自分のゲームを遊べる」という特徴をアピールした。
橋本氏は、G-clusterを世の中に提供しようと思った理由の1つとして「家族で遊ぼう」というコンセプトを紹介。据え置き型ゲーム機は高価になり、子供が遊ぶゲーム機は携帯型端末中心になっているという現状があるが、G-clusterは安価であり、家庭のテレビで家族で遊べる環境をもう一度提供したいと説明。また、「家庭用ゲーム機である以上は、ゲームは購入が基本」だとして、通信型サービスでありながら月額料金のような形ではなく買い切り型の料金を採用したと語った。
提供するゲームについては、ファミリー向けのタイトルだけでなく、コアユーザー向けのハイエンドなゲーム、ライトユーザー向けのゲームも提供していくと説明。ゲーム以外のコンテンツとしては、VODサービスの「T's TV」が利用できることを紹介した。
G-clusterの販売目標については、「初年度の目標はあまり明確には言っていないが、プラットフォームを目指している以上、早期に100万台を達成したいと社員には言っている」とコメント。インターネットの回線環境については「6Mbps程度が必要。WiMAXなどのモバイル回線はゆらぎが大きいため推奨しない」として、映像は720p、H.264で送信するとした。
橋本氏は、家庭用ゲームのユーザー層がソーシャルゲームなどによって削られているというイメージ図を示し、G-clusterはこうした部分のユーザー層を広げていきたいと説明。スマートフォンやタブレットとも連携するクラウドゲームならではのタイトル開発にも取り組み、「後から振り返れば、今年がクラウドゲーム元年だったと言ってもらえるように頑張っていく」と語った。