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ネット通販、「個人名義の口座には前払いしないで」国民生活センターが注意

 独立行政法人国民生活センターは19日、インターネット通販の前払いによるトラブルが急増しているとして、個人名義の銀行口座には前払いをしないことを、消費者への注意として呼び掛けた。

 国民生活センターと全国の消費生活センターを結ぶ「PIO-NET」によると、インターネット通販の前払いに関する相談件数は2012年度からはっきりと増加傾向を示し、2012年度の相談件数が1841件だったのに対し、2013年度は11月末までで既に4165件と急増している。

年度別相談件数

 主な相談事例は、「商品が届かない」「注文したものではないものが届いた」「前払いするように誘導された」といったもので、クレジットカード払いもできるとの表記があったが実際にはできなかったり、代引きでの注文のはずが前払いするよう催促される、サイトに連絡先の電話番号の表記がなく住所や山の中、サイトそのものが有名サイトをコピーした偽サイトだった、といったトラブルがあったという。

 相談の特徴としては、アクセスのきっかけは商品名やブランド名などの「検索」が62%で、申し込んだ理由は「安いから」が51%、「欲しい商品が売っていたから」が42%など。サイトや連絡先メールの日本語がおかしいものもあり、特に「会社概要」欄に注目することが必要だとしている。また、口座名義は「個人名」が96%と圧倒的に多く、名義人は7割超が外国人名と思われるという。

 「前払い」の問題点としては、トラブルになった場合に相手に返金をさせる必要があるため、金銭的な救済が難しい点が問題だと説明。また、こうした業者は、確実な連絡手段がないので交渉できない、商品を送るつもりがなければどんな商品でも注文を受けられる、口座凍結までの時間を稼ぐ、特定商取引法で定められた住所や電話番号の表記がないといった特徴があるという。

 国民生活センターでは消費者へのアドバイスとして、代金前払いのリスクの大きさを認識しておくことと、個人名義の銀行口座に前払いしないことを挙げている。

(三柳 英樹)