ニュース

Adobe、日中韓対応のオープンソースフォント「Source Han Sans」を無償公開

Googleと各国のフォントメーカーが開発に協力

 米Adobe Systemsは15日、Googleおよびフォントメーカーの株式会社イワタ、Changzhou SinoType、Sandoll Communicationとの協力により、日中韓に対応するオープンソースのフォントファミリー「Source Han Sans」を公開した。OpenTypeフォーマットで、SourceForgeとGitHubから無償でダウンロードでき、Adobe Creative Cloudの「TypeKit」からも利用できる。

Source Han Sans

 日本語、中国語、韓国語で用いる漢字は起源を同じにするものの、従来はそれぞれの言語ごとに書体開発が行われ、中国語についても繁体字と簡体字とで別々のフォントが提供されてきた。Source Han Sansは、使用人口が15億人に上るこれら3カ国語および地域別バリエーションを同一フォントファミリーでサポートする、初めてのオープンソースのフォントファミリーだとしている。

 Source Han Sansでは、日本語で用いる文字、中国語で用いる繁体字と簡体字、韓国語で用いる文字(ハングルを含む)のほか、ギリシャ、ラテン、キリルの各文字もサポート。デバイス画面や印刷物に対応できるよう、Source Han Sansのフルフォントと地域別サブセットにはそれぞれ7種類の太さがあり、合計で42種類の書体がある。

 地域別バリエーションをすべて扱うために、AdobeではGoogleおよびパートナーのフォントメーカーの協力のもと、OpenTypeフォーマットとしては最大数の6万5535文字をフォントごとにデザイン。国際的なデザインや開発コミュニティをまとめるという共通の目標のもと、総勢100人以上のチームが3年以上をかけて開発とデザインに携わったという。

 また、Googleではこのフォントを、オープンソースで公開しているNotoフォントファミリーの一環として、「Noto Sans CJK」という名前でリリースした。

(三柳 英樹)