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“メール離れ”じわじわ進行しつつ、それでもまだSNSより使われているという調査結果
年代によって差、仕事・プライベートで使い分けている可能性
(2015/5/21 21:09)
総務省の情報通信政策研究所が19日、2014年の「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」を公表した。
モバイル機器としてフィーチャーフォンからスマートフォンへの移行が進展。スマートフォンの利用率が上昇し、特に20代では94.1%に達したほか、40代・50代で大きな伸びを示した。ソーシャルメーディアでは、最も使われているLINEの利用率が半数を超えた。コミュニケーション系メディアとして、メールからソーシャルメディアへの移行も進展しているという。
調査は昨年11月、全国の1500人を対象に訪問留置方式で実施したもの。アンケート調査と日記式調査(平日2日間・休日1日間について、15分ごとの主な行動を記入するもの)の2つの方法で調査した。
スマホ利用率が6割を超える、タブレットは2割超、ガラケーは半数を割る
アンケート調査では、スマートフォンの利用率は62.3%となり、6割を超えた。2012年の32.0%、初めて半数を超えた前回2013年の調査の52.8%から引き続き上昇したわけだが、伸び率は鈍化している。タブレットは、2012年の8.1%、2013年の15.4%から、今回は21.3%へと上昇し、2割を超えた。
一方、フィーチャーフォンは2012年の69.7%、2013年の51.0%から、今回は42.2%となり、半数を割った。
スマートフォンの利用率を年代別に見ると、10代が68.6%(2013年は63.3%)、20代が94.1%(同87.9%)、30代が82.2%(同78.7%)、40代が72.9%(同58.8%)、50代が48.6%(同32.4%)、60代が18.3%(同8.7%)。20代・30代において8~9割の高水準で推移しているほか、まだその水準まで行っていないものの、40代で7割超、50代で半数近くになるなど、40代・50代でもスマートフォンへの移行が進んだとしている。
LINE、利用率が半数を超え55.1%に、Facebookの28.1%の倍
主なソーシャルメディアの利用率では、LINEが55.1%となり、2012年の20.3%、2013年の44.0%からさらに上昇し、今回、半数を超えた。Facebookは28.1%、Google+は22.5%、Twitterは21.9%。
なお、年代別に見ると、Facebookの利用率が20代で61.1%に上るほか、30代も39.9%で、全体と比べて高い。また、Twitterについては、20代が53.8%、10代が49.3%と高かった。
このほか、Mobageが8.6%、mixiが8.1%、GREEが6.9%。また、動画系ではYouTubeが65.1%、ニコニコ動画が19.1%、Vineが1.9%となっている。
メールしている人、20代で半数を割る、10代では3割にまで低下
コミュニケーション系メディアとしてのメールとソーシャルメディアの利用状況についても、日記式調査の結果をもとに比較している。
同調査の対象日において実際に「メールを読む・書く」という行為をした人の比率(行為者率)は、平日が47.3%で、2012年の57.8%、2013年の50.7%から低下。休日が41.4%で、こちらも2013前年の47.1%から低下した。
一方、「ソーシャルメディアを見る・書く」の行為者率は、平日が28.3%で、2012年の13.2%、2013年の21.8%から上昇。休日が29.7%で、こちらも2013年の23.5%から上昇した。コミュニケーション手段がメールからソーシャルメディアに移行しつつあるとしているが、全体としてはまだ、行為者率はメールが上回っている状況だ。
ただし、年代別に見ると、10代や20代ではメールの行為者率が下落傾向にある。平日の場合、10代におけるメールの行為者率は、2013年の時点で36.3%まで落ちていたが、今回それが30.7%まで低下。一方、2013年の時点でメールを逆転して43.5%になっていたソーシャルメディアの行為者率が、今回は50.7%まで上昇し、半数に達した。また、20代では、メールの行為者率が2013年の64.1%から、今回は49.8%へと低下して半数割れ。代わってソーシャルメディアが2013年の50.2%から、今回さらに56.3%へと伸びて、メールを逆転した。
30代以上ではまだメールが上回っているが、30代・40代でも同様に、メールの行為者率低下・ソーシャルメディアの行為者率上昇の傾向がある。一方、50代・60代では、メール、ソーシャルメディアともに行為者率が増加している。
40代、ソーシャルメディアする人が倍増、メールもよく利用
1日あたりの行為者平均時間(利用していない人は除いて集計した、行為者に限定した平均利用時間)は、メールが平日55.4分、休日42.1分、ソーシャルメディアが平日70.9分、休日89.3分。いずれも2013年からほぼ横ばいだが、ソーシャルメディアがメールを上回っており、特に休日における差が大きい。
メールは、行為者率が低下傾向にありながら、行為者平均時間で一定の長さを維持している点を報告書では指摘。メールとソーシャルメディアを、仕事とプライベートで使い分けている可能性があるとしている。
なお、40代においても前述のように、メールからソーシャルメディアへの移行が進んでおり、特にソーシャルメディアについては行為者率が2013年の倍近くの26.7%に上昇した。しかしその一方で、メールの行為者平均時間も、2013年の48.6分から、今回は63.4分へと増加している(いずれも平日の数値)。メールの利用傾向については、今後の調査も注視する必要があるという。