特集

ネットワーク機器メーカーに聞く「今年の意気込み」と「去年の売れ筋」【2020年版】

アイ・オー・データ、ASUS、QNAPの3社

 新年明けましておめでとうございます。

 新年といえば去年の振り返りと今年の展望。「メーカーから見た去年の売れ筋ネットワーク機器」や「今年の意気込み」が気になる人も多いはず。

 そこで今回、ネットワーク機器を取り扱うメーカー各社に「2019年にヒットした製品」や「2020年の意気込み」をお伺いし、お寄せいただいたコメントをそのまま掲載します。

 掲載順はブランド名50音順ですが、各社が力を入れている、そして今後入れていくポイントや今年の意気込みなど、なかなか興味深いコメントもあるので、気になるメーカーがある方はそこを、全部読みたい方は頭からどうぞ。

株式会社アイ・オー・データ機器

株式会社アイ・オー・データ機器 事業戦略本部 販売促進部 販売促進課 チーフリーダー 納富 志津氏
●2019年にヒットした製品を教えてください

今年は液晶ディスプレイを始め、eスポーツ関連の商品が売れました。

弊社は2014年末にゲーミングモニター「GigaCysta(ギガクリタ)」を市場に投入。それから2年後の2016年末に、スタンドアローンでゲームのプレイ動画がキャプチャできる「GV-HDREC」を出荷。商品の売り方も単なるスペック推しではなく、コンテンツ軸で“よりこのゲームを楽しむため”の提案をし続けたことで、少しずつですがゲーミングデバイスメーカーというポジショニングが確立できた年だったと思います。

売上の中心となっている「GigaCysta」は、3440×1440ピクセルの解像度に対応した34型や240Hzのリフレッシュレートに対応するほか、27型など高付加価値モデルを充実させただけでなく、「GigaCrysta E.A.G.L(ギガクリスタ イーグル)」というファミリーブランドも立ち上げて4KキャプチャとSSDを投入し、カテゴリーの拡大を図りました。

●そのほかに注目して欲しい製品はありますか?

今やゲームをする上で必要不可欠なものといえる「ネットワーク環境」。安全で快適にゲームが楽しめる高速Wi-Fiルーターの開発はもちろん進めておりますが、ネットワーク環境を活かした「ゲーム配信」にも注目しています。

全国各地で、大小さまざまな規模でゲームの大会が頻繁に開催されています。そこで主催者/運営側をサポートするための機材として、手軽に配信できるストリーミングBOXを鋭意開発中です。こちらは2019年の東京ゲームショウでも参考出展していますが、PCを使わずに4つの入力ソースを合成して配信できるストリーミングBOXを近日投入予定です。

●2020年の意気込みを教えて下さい

eスポーツの大会やイベントに参加する中、いつも感じているのはプレーヤーの熱いエネルギーです。この熱量に負けないよう、弊社もいろいろなゲームを楽しむプレーヤーのみなさんのサポーターになれるように「プレーヤーファースト」の考えのもと、2020年もより良い環境でゲームを楽しんでいただける商品を開発してまいります!

●読者に一言どうぞ

弊社は、商品を売りっぱなしにするのではなく、ご購入頂いた後も製品のアップデートを行い、性能改善、機能改善に取り組みに努めたいと考えていますので、皆様から頂くお声は大変貴重なものです。そのお声を新商品の開発にもつなげて行きますので、いろいろな意見を頂ければ幸いです!2020年も宜しくお願いいたします。

ASUS

ASUS JAPAN株式会社 プロダクトマネージメント部 プロダクトマネージャー Emma Chan氏
●2019年にヒットした製品を教えてください

Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax)対応の小型トライバンドWi-Fiルーター「RT-AX92U」が人気があります。最新規格であるWi-Fi 6対応製品が市場で増えていることに加え、高性能でも小型なので設置場所の選択肢が増えたこと、またメッシュネットワーク構築向けの弊社独自機能「AiMesh」にも対応しているため、将来的に同機能を搭載した新しい無線ルーターを購入した際にも、新旧モデルの2製品を組み合わせることでメッシュネットワークを構築をできることが、人気の理由だと思います。

●そのほかに注目して欲しい製品はありますか?

Wi-Fi 5(IEEE 802.11ac)対応のデュアルバンドWi-Fiルーター、「RT-AC59U」に注目してほしいです。このモデルは一般家庭での使用には十分な機能を備えているとともに、本体色も白であるため、リビングなどの背景に溶け込むような違和感のない設置も可能です。また、スマートフォンで簡単に設定を行うこともできます。コストは抑えたいが、少なくとも現在主流である無線LAN規格に移行したいと考えている初心者の方にもオススメです。

●2020年の意気込みを教えて下さい

尖ったハイエンド製品は引き続き注力するとともに、2020年は一般ユーザー向けに、コスパ重視のミドルレンジ製品にもフォーカスしていきます。

●読者に一言どうぞ

将来を見据えての長期間使用を目的としたWi-Fiルーターをお探しの方は「AiMesh」と「Wi-Fi 6」対応製品を是非お選びください!

QNAP

QNAP株式会社 営業部 部長 畠山尚固氏
●2019年にヒットした製品を教えてください

ここ数年、データ量の増大や事業継続への意識の高まりから、クラウドストレージの利用が中堅・中小企業においても拡大しつつありオンプレミスのITインフラとクラウドストレージを統合したいというニーズが高まっています。

弊社ではクラウドストレージをQNAP NAS上にマウントする機能を提供、ユーザーは従来通りオンプレミスのQNAP NASにアクセスして業務を行い、そのデータが自動的にクラウドと同期される仕組みを簡単に構築できる機能をリリースしました。

ユーザー、パートナー様からこの新機能への関心はとても高く、既に多くのプロジェクトで採用されています。現在は世界で20以上のクラウドストレージサービスをサポートしていますが、今後は日本のローカルのクラウドサービスでもご利用頂けるように検証を進めて参ります。

●そのほかに注目して欲しい製品はありますか?

弊社では従来のNAS製品に加えてネットワークスイッチの提供を開始しております。2019年秋には、QNAPのNAS製品とネットワークスイッチを1台の筐体に統合した新カテゴリの製品「QGD-1600P Gardian」を発表しました。

全てのポートがPoEによる電源供給に対応しているため、監視カメラシステムや無線アクセスポイントの管理ソリューションなどをシンプルに構成できます。国内の主要販売代理店では2019年12月初旬より販売を開始しており、QNAPのメーカー保証に加えてオンサイト修理などの保守サービスを提供しています。

●2020年の意気込みを教えて下さい

新たなデジタルトレンドにおいて、企業はITインフラへ投資する必要に迫られています。ここ数年、特にクラウドストレージサービスとの統合に関する関心は高く、あらゆるメーカーがソリューションを準備しています。そのような世界的な潮流の中で、弊社が新製品、新機能を開発するにあたって強く意識しているのは、より多くの使用環境において、オンプレミスデータとアプリケーションの保護を行いつつ、NAS製品と各種クラウドサービスをシームレスに利用できるような製品をいち早く市場に提供することです。

●読者に一言どうぞ

私どもQNAPは、来年度よりクラウドバックアップ機能を標準搭載した中堅・中小企業向け製品の国内での訴求をさらに強化していきます。弊社の「QNAP NAS」シリーズは、自社開発の専用OS「QTS(Qnap Turbonas System)」を搭載しており、バックアップやクラウドとの同期といった豊富な機能を標準で利用できるのが特徴です。今後国内外の各種クラウドサービスとの統合を進めていき、ユーザーの皆様にとって、使いやすく、セキュアーな製品を展開して参りますので何卒よろしくお願い致します。