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新生活はWi-Fi見直しのチャンス!! 引っ越し? 子供にスマホ? 家電の買い換え? シーン別Wi-Fiおすすめ構成ガイド

 引越しや子供の成長など、新年度に向けて生活が変わるタイミングでWi-Fiの構成を見直してみてはいかがでしょうか? Wi-Fiを快適に使うための構成はもちろんのこと、安全に使うためのセキュリティ設定について、シーンごとのおすすめ構成を紹介します。


【引っ越し】セキュリティ設定を見直す絶好のタイミング

 仕事や学校の都合で引越しをする場合に悩ましいのは、今使っているWi-Fiルーターを持って行くか? それとも新しいWi-Fiルーターに買い替えるか? の判断でしょう。

 何かと費用がかかる時期なので、今使っているWi-Fiルーターを持ち越したい気持ちは分かりますが、引越しはWi-Fiルーターの買い替えを検討する絶好のタイミングです。

 建物の構造や部屋の構成が変わることで、Wi-Fiに求められる性能も変わるため、より高速な最新規格に対応した製品や、広いエリアをカバーできるメッシュ対応のWi-Fiルーターに買い替えた方が、新居でのスマートフォンやPCなどのネットワーク接続が快適になります。

 しかも、最新のWi-Fiルーターはセキュリティ機能も充実しているため、WPA3などの最新のセキュリティ方式を利用した接続ができたり、自動ファームウェアアップデート機能で見逃しがちな脆弱性を解消したりできます。

 つまり、買い替えによって、快適になるだけでなく、「安全」なWi-Fi環境に刷新することもできるわけです。

最新のWi-Fiルーターならより高度なセキュリティ方式WPA3に対応している

 もちろん、今使っているWi-Fiルーターを、そのまま引越し先でも活用することができます。

 ただし、新居に設置するタイミングで、設定を見直しておくことをおすすめします。古いWi-Fiルーターには、Wi-Fiセキュリティ方式のためのパスワードに単純な値が設定されていたり、ファームウェアのバージョンが古いまま放置されていたりするケースがあります。新居にWi-Fiルーターを設置するタイミングで、以下のような項目を確認しておきましょう。

▼Wi-Fiセキュリティ方式のためのパスワードが単純ではないか?
▼管理画面アクセス用のパスワードは複雑な値か?
▼ファームウェアは最新版に更新されているか?


【子供の成長】子供がスマホやタブレットを使い始めたら……

 今やスマホやタブレットは、子供にとっても、学習やコミュニケーションに欠かせない機器となりつつあります。ある程度の年齢になった子供にスマホやタブレットを与える時期になったら、その接続先となるWi-Fiの設定を見直しておきましょう。

 前のケースでも触れたように、Wi-Fiのセキュリティ方式をWPA2/WPA3以上に設定したうえで、そのパスワードを複雑な値に設定したり、ファームウェアを最新版に更新したりしておくことが大切です。Wi-Fiを通じて子供が「インターネット」という外の世界につながっていることを意識して、Wi-Fiのセキュリティを万全にしておく必要があります。

 場合によっては、高度なセキュリティや保護者向けの機能を搭載したWi-Fiルーターに買い替えることも検討しましょう。

 サービスによって無料の場合と有料の場合があるので事前に検討が必要ですが、機種によっては、子供が閲覧するのに適していないサイトへのアクセスを遮断するフィルタリング機能や、接続できる曜日や時間を制限できる機能を搭載したWi-Fiルーターもあります。

 不適切なコンテンツや悪意のある攻撃に対しての抵抗力が低い子供が使うことを考慮して、保護者としてWi-Fi設定をしっかり見直すことが大切です。

フィルタリングやスケジュール設定などの高度なセキュリティ対策が可能な機種への買い替えも検討しよう


【家電が増えた】スマートテレビやAIスピーカーが増えた時

 生活の変化とともに、身の回りにある家電製品が変わるケースも多いでしょう。最近では、こうした家電製品もWi-Fiに接続する機能を備えていることが珍しくなくなってきました。

 たとえば、動画配信サービスに対応したテレビ、AI対応のスマートスピーカー、ペット監視用のカメラ、外から電源をオン/オフできるエアコンなど、Wi-Fiを経由してインターネットに接続することで、さまざまな機能を利用できます。

 これらのスマート家電が身の回りに増えてきたときも、Wi-Fi構成も見直すタイミングです。

 Wi-Fiに同時に接続する機器が増えることで、古いWi-Fiルーターでは処理能力が不足する場合があります。また、カメラやセンサーなど、今までWi-Fiを使っていなかった場所での通信もカバーする必要があるため、できれば最新のWi-Fiルーターに買い替えることを検討しましょう。

 最新のWi-Fiルーターの中には、セキュリティ対策ソフトをインストールできないスマート家電やカメラ、センサーなど、自宅のWi-Fiに接続されたIoT機器の通信を保護する高度なセキュリティ機能を搭載している場合があります(無料の場合と有料の場合があるので事前に確認が必要)。

 例えば、カメラが乗っ取られてプライベートな映像が外部から見られるようになってしまったり、家電製品が乗っ取られて内部から他の機器や他の家庭へと攻撃を拡大したりする被害も増えていますので、利用を検討してみましょう。

 このほか、家電製品自体のWi-Fi設定やファームウェアを見直すことも重要です。

 古い家電製品の中には、もしかすると「WEP」や「WPA」などの古いセキュリティ方式で接続されていた製品があるかもしれません。家電製品の接続設定も確認して、WPA2やWPA3での接続に変更できる場合は変更し、できない場合は家電製品そのものの買い替えを検討しましょう。

 また、Wi-Fiでつながっている家電製品のファームウェアも確認し、必ず最新版に更新しておきましょう。脆弱性によって家電製品が乗っ取られると、そこから別の家電製品、PC、スマホへとさらに被害が広がる可能性があります。

 便利なスマート家電も、適切なWi-Fi構成をしないと快適かつ安全に使えないことを意識しましょう。


【生活の変化】自宅のWi-Fiの「使い道」が増えたら

 自宅で、スマホ・タブレット・ノートPCでウェブサービスを利用するだけでなく、動画を見たり、テレビ電話で友人と会話したりする機会が増えてきたのではないでしょうか。

 最近では、子供のリモート授業や習い事、スキルアップのための学習、地域やコミュニティの会合、在宅勤務などで利用することも珍しくなくなってきました。

 こうした環境で注意したいのが自宅のWi-Fiの構成です。自宅のWi-Fiルーターのセキュリティ設定が不十分な状態で利用すると、プライベートな情報や大切な仕事の情報を危険にさらす可能性があります。

 もちろん、在宅勤務などで使うからといって、ビジネス用の高価なWi-Fiルーターを購入する必要はありません。大切なのは、Wi-Fiルーターとしての当たり前のセキュリティ対策がきちんとできているかを確認することです。

 Wi-Fiセキュリティ方式のためのパスワードが複雑な値になっているか? 管理画面にアクセスするためのパスワードは単純ではないか? ファームウェアのバージョンは古くないか? といった基本対策をしておくのが第一です。

 また、仕事でも使う必要がある場合は、接続先を家庭用と仕事用で分けることも検討しましょう。

 Wi-Fiルーターによっては、接続先として利用するSSIDを複数設定し、接続先ごとに通信を分離できる場合があります。

 この機能を活用すると、家庭用のSSIDには家族のPCやスマホ、家電などを接続し、仕事用のSSIDに会社から支給されたPCを接続するといったように接続先を分け、それぞれがお互いに接続できないように通信を遮断することができます。

 家族用は互換性を重視してWPA2、仕事用はより安全なWPA3とセキュリティ方式を使い分けることもできます。Wi-Fiルーターの構成を見直して、安全な在宅環境を用意しましょう。

ネットワークを分離することができる機種を活用しよう

 さらに、接続先のウェブサイトについても意識することが大切です。

 ウェブサイトを閲覧するときは、ブラウザーのアドレス欄に表示される錠前のマークを確認しましょう。もしも、錠前のマークが表示されないと、ウェブサイトとの間でやり取りされる情報が暗号化されていません。大切な情報が漏洩する可能性があるので、パスワードなどの重要な情報はもちろんですが、個人情報などを入力しないように気を付けましょう。

 また、銀行やクレジットカード会社など、実在のウェブページにそっくりな偽サイトに誘導され、個人情報などを盗むフィッシング詐欺の手口も増えています。アドレス欄のURLを確認すると、実在の企業とは異なる名前が使われている場合があります。よく確認してからアクセスするように心がけましょう。


【外出が増えた】フリーWi-Fiを安心して使うには

 リモートワークはもちろんのこと、動画や音楽をスマホで気兼ねなく楽しむために、外出先でもWi-Fiを使う機会が増えてきました。

 しかし、最近では、外出先でのWi-Fi利用が身近になりすぎたことで、その危険性も忘れられがちです。

 たとえば、外出先でPCのWi-Fiの接続画面を開いたところ、たまたま「FreeWiFi」という暗号化なしの接続先を見つけたとしたら、そこに迷いなくつなぐことはできるでしょうか?

 もちろん、近くの施設が善意で提供しているフリーのWi-Fiかもしれませんが、そもそも暗号化なしのアクセスポイントに接続すると、通信が盗聴される可能性があることを意識する必要があります。Wi-Fiの情報は、電波でやり取りされるため、近くにいる人に盗聴される危険があります。

 もしかすると、はじめからだます目的で、うっかり接続してきた人をフィッシングサイトなどに誘導しようとする偽アクセスポイントである可能性もあります。

 つなぐ前に、現在の施設がフリーWi-Fiを提供しているのかどうかを確認したり、同じ施設の接続先でも暗号化なしではなく、暗号化されている接続先を探して接続したり、ブラウザーなどでウェブサイトとの通信が暗号化されているかどうかを確認したりと、特に注意して利用しましょう。

 スマホの場合は、通信事業者が提供している専用のWi-Fi接続ツール(公式アプリ)を使うことをおすすめします。エリアに入るだけで自動的に接続できるだけでなく、接続先をチェックして安全に接続することができます。

暗号化なしのフリーWi-Fiにつなぐときには十分な注意が必要


Wi-Fiを安全に使うことを意識するきっかけを大切に

 このように、引越しや子供の成長、ライフタイルの変化など、身のまわりの環境が変わるタイミングはWi-Fiの安全性についても考え直す良いきっかけとなります。

 久しぶりにWi-Fiルーターの設定画面を見直したり、改めてWi-Fiルーターの機能やスペックを見直したりして、快適、安全にWi-Fiを使えるようにしてみてはいかがでしょうか。