清水理史の「イニシャルB」【特別編】

10ギガ回線に対応させたい!! 家じゅう電波を届けたい!! とにかく安く!! ニーズ別のTP-LinkオススメWi-Fi 7ルーターはどれだ?
- 提供:
- ティーピーリンクジャパン株式会社
2025年11月17日 06:00
Wi-Fi 7対応だけでも20モデル以上! 現行の全ラインアップを合計すると約60モデル――。もはや、豊富過ぎて、どれを買えばいいのか迷ってしまうTP-LinkのWi-Fiルーターだが、実は利用シーンや予算を具体的にイメージするだけで、買うべきモデルが浮かび上がってくる。あれこれ値上げが続く中、今が買い時のお得なモデルを3つのシチュエーションにあわせて紹介したい。
Wi-Fi 7やメッシュでもお買い得モデルはある
最新のWi-Fi 7や通信エリアが広いメッシュが欲しいが、あまり予算はかけられない……。そんな悩みを持っている人も少なくないだろう。
確かに、かつて(と言ってもわずか1~2年前だが……)は、Wi-Fi 7やメッシュと言うと、高性能なハイエンドモデルだけで、手を出しにくい印象があった。
しかし、2025年11月現在のWi-Fiルーター市場を見てみると、手ごろな価格のWi-Fi 7ルーターやメッシュシステム製品が増えてきており、特にエントリーやミドルレンジ帯に、性能のわりに価格の安いお買い得なモデルが登場してきている。
中でも、こうしたラインアップの拡充に熱心なのがTP-Linkだ。あらためてWi-Fi 7対応製品を数えてみて、20モデル以上もあることに驚いたが、それだけ性能と価格で顧客層を細かくセグメンテーションしているということで、おおざっぱな顧客イメージではなく、「コレ」というピンポイントの顧客ニーズにも対応できる体制を整えている。
特に現在注目してほしいのが、前述したように「安いWi-Fi 7」や「リーズナブルなメッシュ」が欲しいと考えているユーザーだ。詳しくは後述するが、1万円以下(セールなら7000円台!)で買えるWi-Fi 7ルーターや、10Gbps対応で1万円台半ば、メッシュで2万円台前半という魅力的な製品が、TP-Linkの豊富なラインアップの中に潜んでいる。
もちろん、Wi-Fiルーターは、自宅の環境やニーズに合ったものを選ぶことが大前提だが、その中でも、「これは!」と思える掘り出し物に出会えるのがTP-Linkのラインアップの豊富さの魅力と言える。
ケース別の「掘り出し物」はコレだ
それでは、実際に性能面でも、価格面でも、お買い得感の高いモデルをチェックしていこう。今回は、昨今のトレンド、回線状況、住宅環境を考慮して次の3つのケースを想定して、それぞれに適したモデルを探してみた。
| 安い10G回線対応モデル 「Archer BE7200」 | 広い環境なら2台でメッシュ 「Deco BE22」 | 安くても性能や機能が欲しい 「Archer BE220」 | |
| 実売価格 | 1万6700円 | 2万3220円(2-pack) | 7470円 |
| 対応規格 | IEEE802.11be/ax/ac/n/a/g/b | ← | ← |
| バンド数 | 2 | ← | ← |
| 最大速度(2.4GHz) | 1376Mbps | 688Mbps | 688Mbps |
| 最大速度(5GHz-1) | 5764Mbps | 2882Mbps | 2882Mbps |
| チャネル(2.4GHz) | 1-13ch | 自動選択 | 1-13ch |
| チャネル(5GHz) | W52/W53/W56 | 自動選択 | W52/W53/W56 |
| ストリーム数(2.4GHz) | 4 | 2 | 2 |
| ストリーム数(5GHz) | 4 | 2 | 2 |
| アンテナ | 内蔵×8 | 内蔵×4 | 内蔵×3 |
| WPA3 | 〇 | ← | ← |
| メッシュ | 〇 | ← | ← |
| IPv6 | 〇 | ← | ← |
| IPv6 over IPv4(DS-Lite) | 〇 | ← | ← |
| IPv6 over IPv4(MAP-E) | 〇 | ← | ← |
| 有線(LAN) | 1Gbps×3 | 1Gbps×2(自動選択) | 1Gbps×4 |
| 有線(WAN) | 10Gbps×1、2.5Gbps×1(一方をWANに選択) | ↑ | 1Gbps×1 |
| 高度なセキュリティ | HomeShield | ← | ← |
| USB | USB3.0 | - | - |
| USBディスク共有 | 〇 | - | - |
| VPNサーバー | OpenVPN/PPTP/L2TP/WireGuard | OpenVPN/PPTP/L2TP | OpenVPN/PPTP/L2TP/WireGuard |
| DDNS | 〇 | ← | ← |
| リモート管理機能 | 〇 | ← | ← |
| 再起動スケジュール | 〇 | ← | ← |
| 動作モード | RT/AP | RT/AP | RT/AP |
| ファーム自動更新 | 〇 | ← | ← |
| LEDコントロール | 〇 | ← | ← |
| ゲーミング機能 | - | ← | ← |
| サイズ(mm) | 176×59×200 | 150×150×62 | 155×52.5×170 |
2025年末のトレンド「安い10G回線対応モデル」に君臨するコスパ王「Archer BE7200」
まずは、2025年末時点のWi-Fiルーターのトレンドの最前線で戦うモデルを紹介する。
ここ数年、10Gbps対応のインターネット接続環境に注目が集まっているが、その一方で、10Gbpsに対応したWi-Fiルーターは価格が高いことが課題になっていた。そんな中、存在感を高めているのがTP-Linkの「Archer BE7200」だ。この製品は、以前本誌でレビューしている「Archer BE450」と同一スペックの別販売チャネル製品となっている。
実は、この製品、発売は2024年10月となっており、最新の機種ではない。しかし、前述したように10ギガ回線環境の提供が広く始まったことで、「安い10Gbps対応のWi-Fi 7ルーターが欲しい」というニーズの声が高まっており、2025年末の現在になって多くのメーカーから、「10Gbps対応」「デュアルバンド」「4ストリーム」という、まさに本製品と競合するスペックへの参入が増えている。
本製品は1年前から、この市場のニーズを見込んでいたわけだが、今年になって、市場が追い付いてきたということになる。
スペックはWi-Fiが5GHz+2.4GHzのみのデュアルバンドとなるものの、4ストリーム対応によって5764Mbps(5GHz帯)+1376Mbps(2.4GHz帯)の速度を実現しており、6GHz帯こそ省かれているが、高い無線スペックを持っている。
もちろん有線スペックも高い。WAN/LAN切替え可能なポートとして、10Gbps×1と2.5Gbps×1を持つ。一方をWAN、他方をLANとして選べるので、すでにインターネット回線が10Gbpsに対応しているのであれば、WAN側を10Gbpsに対応させつつLAN側で2.5Gbpsを活用できるし、インターネット回線が1Gbpsや2Gbpsならば、WAN側を2.5Gbpsにして、LAN側に10Gbpsを使うこともできる。10Gbps対応と言っても、LAN側が1Gbpsまでという製品も多い中、10Gbpsと2.5Gbpsを組合わせて利用できるのは大きな魅力だ。
しかも、発売から期間を経たことでファームウェアのアップデートによる熟成も重ねられ、価格の面でも発売当初から比べると値頃感が増していて、2025年10月のAmazonスマイルセールでは、セール価格が1万6700円と2万円を大きく下回る価格で販売されている。
性能を考えても、まさに掘り出し物感のあるモデルで、本誌で以前にレビューした際のベンチマークテストでも、近距離で2Gbps以上、長距離でも600Mbpsオーバーとかなり速い。このクラスではトップレベルの性能で、非常にコスパが高い。
TP-Linkは、近年、コスパよりも品質や機能を重視する方向で製品開発を進めているが、久しぶりにコスパで競合を圧倒する製品という印象だ。
電波が届くか不安? それなら最初から2台のメッシュシステム「Deco BE22」が狙い目
続いては、無線の安定性を重視する人向けのおすすめモデルを紹介する。
Wi-Fiルーターの買い替えを考えている人の中には、規格や機能よりも、とにかく「今、電波が届かないココの状況を改善したい!」という切実なニーズを持っている人も少なくない。そんな人におすすめなのがTP-LinkのDeco BE22だ(以前のレビューはこちら)。
Wi-Fiの電波状況は、建物の広さや構造、間取りなど、複雑な影響によって決まるため、どの製品が良い、改善するにはどうすれば良い、と一概には決めにくい。例えば、前述したケースのように狭い木造3階建ての筆者宅なら、1台でも高性能な製品があれば十分だが、同じ木造でも広い家屋だったり、マンションなどの鉄筋コンクリートだったりとすると、話は変わってくる。
しかしながら、広い環境、鉄筋コンクリートの環境、遮蔽物が多い環境などであれば、メッシュを第一の選択肢と考えることをおすすめする。
メッシュは、複数台のアクセスポイントを組み合わせて通信エリアを拡大する技術だ。中継器と似ているが、最初から複数台で使うことが前提となっているのがTP-Linkのメッシュシステム「Deco」シリーズの特徴だ。
近年は、一般的なWi-Fiルーターでもメッシュに対応した製品が増えているが、最初から2台セットで購入できるうえ、スマートフォンアプリで初期セットアップや2台の組み合わせが簡単、導入後もアプリから2台をまとめて管理できるなどのメリットがある。
また、Deco BE22のメッシュシステムは、TP-Linkメッシュという独自のシステムを採用しており、メッシュの“微妙なクセ”を改善することができる。具体的には、3階建ての住宅で1階と3階にメッシュ対応機を設置した際に、2階のテレビからの接続先が、本来経路的に近い1階ではなく、3階経由になり、遠回りしてしまう状況がある。
TP-Linkメッシュでは、こうした接続状況をアプリで可視化するとともに、接続先を経路的に近い1階経由に固定するといった設定をすることもできる。
一般的なメッシュは、システム任せになる部分が多く、ユーザーの意図しない接続状況になるケースも少なくないが、こうした“微妙”なクセを改善できるのが本製品のメリットとなる。
価格も2台セットで実売2万3220円(10月のAmazonスマイルセール時)となっており、メッシュ対応で2台セットということを考えるとリーズナブルだ。スペック的には、無線が2882Mbps(5GHz)+688Mbps(2.4GHz)、有線も1Gbps×2と控えめだが、前述したように「メッシュが欲しい」と考えている人は、ピーク性能よりも「届くこと」「切れないこと」という安定性を重視する傾向が強い。
そういった意味では、本製品は安く買えるメッシュシステムとして「掘り出し物」と言える。場合によって、後からもう1台追加して、3台構成で使うことも簡単なので、とにかく広い環境、電波が通りにくい構造の建物を利用しているケースにおすすめだ。
予算を極限まで削りたい! でもWi-Fi 7がいいし、できればセキュリティ機能やVPNも欲しい!!
「安い機種が欲しい」という相談で、よくよく聞いてみると、アレも、コレも、と要望が次々出てくるのは、よくある話だ。しかし、そんな都合のいいモデルも、豊富なTP-Linkのラインアップには存在する。
具体的には、「Archer BE220」というエントリー向けの製品だ。セールなどもあるので変動はあるが、この製品は、記事執筆時点でWi-Fi 7ルーターとしては最安クラス製品となっており、実売価格で7470円(10月のAmazonスマイルセール時)となっている。
市場には、一世代前となるWi-Fi 6対応で2401Mbps+573Mbpsの製品が実売8000円前後で販売されていたケースもあるので、2882Mbps+688MbpsのWi-Fi 7ルーターが実売7000円台で買えるのは非常にお得だ。
有線は1Gbpsとなるため、1Gbpsの回線を使っているケースに適しているが、TP-Link製品は基本的にソフトウェアの機能がモデル間で共通で、エントリーモデルであっても、上位モデルで提供されている機能を利用できる。
本製品も、アプリによるリモート管理、VPNサーバー機能、さらにHomeShieldによる悪意のあるサイトのブロックや侵入防御、保護者による制限など、高度なセキュリティ機能も利用できる。
また、EasyMeshに準拠していることで、TP-Link製品を複数台組み合わせて通信エリアを拡大することもできる。初めから広い環境で使うことが分かっている場合は、前述したDeco BE22がおすすめだが、導入後に電波が届かない場所が見つかるケースもある。まずは、本製品1台を導入し、場合によって2台目の追加を検討する、といったこともできる。
そう考えると、ここに挙げたような「安い、とは言っても、それなりに性能や機能が欲しい」という贅沢なニーズに応えることができる掘り出し物と言えそうだ。
それぞれのWi-Fiスピードを検証
なお、参考までに各製品のベンチマークテスト結果を掲載しておく。
性能的にはArcher BE7200が優秀だ。パフォーマンスを重視するなら、このモデルを選んでおけば問題ない。
Deco BE22は、最も遠い3階窓際の速度が高い点に注目だ。メッシュによって長距離での安定性が向上している。
Archer BE220は、この3製品の中では控えめだが、1階で1Gbps有線の上限のスピードを実現できているうえ、3階窓際でも下りで224Mbpsと高速だ。動画再生やビデオ会議などでも、この速度があれば全く問題ない印象だ。
| 1F | 2F | 3F入口 | 3F窓際 | |
| Archer BE220(1台)上り | 954 | 589 | 293 | 126 |
| Archer BE220(1台)下り | 943 | 737 | 601 | 224 |
| Deco BE22(2台)上り | 915 | 355 | 288 | 227 |
| Deco BE22(2台)下り | 945 | 465 | 360 | 362 |
| Archer BE7200(1台)上り | 2030 | 773 | 338 | 241 |
| Archer BE7200(1台)下り | 2400 | 1560 | 942 | 673 |
※単位:Mbps
※サーバー:Minisforum MS-01 Core i5 12600/RAM64GB/2TB NVMeSSD/10G SFP+/Proxmox 9.0(Ubuntu 22.04コンテナ)
※クライアント:Core Ultra 5 226V/RAM16GB/512GB NVMeSSD/Intel BE201D2W/Windows11 24H2
さまざまなニーズに対応できる
以上、TP-Linkの豊富すぎるラインアップから、現在ニーズの高い10Gbps対応、広い環境、安くて高性能な製品の3つをピックアップして紹介した。
Wi-Fiルーターを選ぶときも、まずは、どのような課題を解決したいか? どんな環境で使いたいか? という要件を定義することが重要で、ここが明確になれば、自然と選ぶべきモデルも見えてくる。
仮にユーザーの要件が細かく、一般的な枠からはみ出してしまうようなケースでも、TP-Linkなら、その受け皿となる豊富なラインアップが揃っている。さすが多様なニーズが存在するグローバル市場で商品を展開しているメーカーと言えるだろう。
今回紹介した以外のケースでも、ユーザーのニーズを満たす製品が見つかるはずなので、同社の製品情報ページでラインアップをチェックしてみることをおすすめする。
Wi-Fi 7対応モデルだけでもすごいラインアップがあるTP-LinkのWi-Fiルーター。たくさんありすぎてどれを選べば分らない~! と言う声に清水理史が応えます。数ある中からテーマごとにオススメのモデルをセレクト。動画で解説します。












