トピック
オンライン会議のハウリング解消! 会議室用ビデオ会議システムは楽だった!
~Microsoft Teamsでの「オンライン・オフライン混在会議」を快適に~
- 提供:
- POLY
2020年12月10日 07:15
「オンライン」と「オフライン」が混在する会議は面倒がいっぱい
昨今のコロナ禍で目覚ましく普及してきたオンライン会議だが、そのノウハウはまだ発展途上。コミュニケーションの仕方や、揃えるべき機材、環境など、様々な範囲で新しい課題と対策が出てきている。
そして、そうした課題の一つと言えるのが「出社している人」と「在宅勤務の人」がそれぞれ数人ずつの「オンライン・オフライン混在会議」のあり方だろう。
こうした会議は「基本的にはオンライン会議だが、オフィス側は会議室に集まっている」ということが多くなる。こうすることで、関係者が全員参加できるし、オフィス側の人間はテンポよくコミュニケーションできるからだ。
オンライン会議が直面する「ハウリング」
しかし、それが「とても快適か」というと課題がある。
よくあるのが「ピー」というハウリング音の発生→「誰か、マイクがONになっていませんか?(OFFにしてください)」という流れだろう。
これは、会議室にある複数のPCがオンライン会議に接続し、マイクとスピーカーを有効な状態にしてしまうと起こりがち。誰かのPCが発した音声を他のPCのマイクが拾い、その音を別なPCが出力し………というループになることが原因だ。
これを防ぐには、誰か1人のPCだけマイク/スピーカーをONにすればよく、具体的には「話す人だけマイクをONにする」とするの一般的だと思う。しかし、会議室同士で話すのにON/OFFするのはテンポが悪く、まどろっこしい。やりとりが白熱したりすると、誰かがマイクをOFFにし忘れてハウリングが発生してしまう、、なんてことが起こりがち。
別な解決策としては、会議室にいる誰かのPCだけ固定的にONにしたり、「“会議室用のPC”を用意する」という手もあるが、参加者によってはマイクやスピーカーが遠くなり、「マイクが声をしっかり拾わない」「リモート参加者の声が聞きにくい」という問題が起きる。また、ノートPCのカメラは個人向けの画角になっているので、表情や空気感がわからないのはともかく、「会議室に誰がいるか」さえわからなくなる。
実は、こうしたマイク感度やスピーカーの聞きにくさ、カメラの問題は、会議室向けに設計された製品を用意すれば解決するのだが、「どうせならオールインワンでまとめてしまえ」という製品も存在している。
つまり「会議室用のマイク、スピーカー、カメラに加え、“PC部分”もオールインワン化し、ワンタッチで会議に参加できるコンソール画面も用意。外部に大型ディスプレイを接続することで、大画面での資料共有も可能」というシステムだ。
大型ディスプレイを用意すれば、個人のPCで会議参加せずとも、オンライン会議に参加できるようになるし、製品によっては「カメラが全景を写すだけでなく、話者を自動でズームアップする」という機能がついており、表情もPCレスで伝えることが可能となる。会議室用に最適化されているため、起動も素早い。
こうしたオンライン会議システムは、少し前までは「外資系企業の会議室でよく見るシステム」で、本社と日本支社を結ぶ会議を中心に活用されていたが、社会環境が変わった今、実は幅広く導入されてもいいシステムなのではなかろうか。
そこで今回は、打ち合わせスペースや小会議室での利用に最適なオンライン会議システムである「Poly Studio X30」を紹介してみたい。
メーカーのPolyは、業務向けヘッドセットや会議室向けのデバイス、そしてオンライン会議システムなどを発売する有力メーカー。
ディスプレイの上に置くオンライン会議システム「Poly Studio X30」マイク・スピーカー・カメラが一体の「ビデオバー」
さて、それでは実際の「モノ」がどうなっているか、早速紹介していきたい。
Poly Studio X30はカメラとマイク、スピーカーが一体化したビデオバーと呼ばれるカテゴリの製品で、液晶ディスプレイや液晶テレビに接続するだけで手軽にオンライン会議のための環境を構築できる。
打ち合わせスペースや会議室にすでに液晶ディスプレイがあれば、それと組み合わせるだけですぐに使い始められる手軽さが大きな魅力だろう。価格は日本ではオープン価格だが、アメリカでは2200ドルで直販されており、相場感としては国内でもそのくらいの価格と思われる。
本体サイズ(幅×奥行×高さ)441.8mm×61.6mm×62.5mm、重量は0.73kgとコンパクト。一般的には、この本体を液晶ディスプレイの上に設置して利用する。HDMI入出力端子やEthernet端子、USBポートなどは本体底面にあり、液晶ディスプレイ上に設置した際にケーブルが邪魔にならないように配慮されているのはうれしい。
タッチ対応の制御コンソール「TC8」
また、Poly Studio X30のオプションとして用意されているのがタッチ操作できるインターフェイス画面「TC8」だ。
TC8は、8インチディスプレイを備えたインターフェイス画面で、参加する会議やカメラ設定などをタッチ操作でコントロールできる。
Poly Studio X30とは別にネットワーク経由で接続する形態で、両者をネットワークに接続後、ペアリング作業を行う仕組み。電源はPoE(Power over Ethernet)を利用するので、配線を最小限にできるという特徴もある。
なお、TC8を利用しない場合、Poly Studio X30の操作や設定は、Poly Studio X30に接続した画面とオプションのBluetoothリモコンでも行える。
こちらもグラフィカルに行えるので快適だが、会議中に頻繁に操作するなど、操作が多い場合はTC8があったほうがスマートだろう。
多機能な製品だが、基本接続はシンプル
この製品、実は非常に多機能で、今回紹介する以外にも2台目のディスプレイを接続したりすることもできるのだが、今回は基本的な紹介ということで、シンプルに設定してみたい。
さて、物理的なセットアップとしては、Poly Studio X30をディスプレイに設置し、HDMI、有線LAN、電源ケーブルをそれぞれ接続して終了。TC8はPoEインジェクターに電源ケーブルと有線LANを接続し、PoEインジェクターとTC8を有線LANで接続すれば完了だ。
Poly Studio X30とTC8の接続完了後、マニュアルに従って両者をペアリング、その後必要なソフトウェアの設定に移る。
ソフトウェアの設定は一度行ってしまえばよいので、「使わないときは片づけておく」とか「一台の機器を複数の場所で使いまわす」といった場合も簡単だ。
オンライン会議には「会議室」として参加
さて、Poly Studio X30は複数のオンライン会議サービスに対応している。今回はその1つ、利用者が急増している「Microsoft Teams」を例に使⽤感を紹介したい。
Microsoft Teamsは同社のクラウドサービスである「Microsoft 365」に含まれるサービスの1つで、チャットによるコミュニケーションに加え、社内外の⼈と電話やオンライン会議を⾏う機能も提供されている。
Poly Studio X30はこのMicrosoft Teamsの認定デバイスで、事前にMicrosoft 365で作成した会議室用アカウント(リソースアカウント)でサインインすれば、会議室の1つとしてMicrosoft Teamsで認識される。これにより、Microsoft Outlookを使って会議を予約する際、会議室としてPoly Studio X30を予約することが可能となる。
なお会議室として予約していなくても、Poly Studio X30の操作により会議を始めることが可能だ。Poly Studio X30の画面上にある「新しい会議」を選択すると、会議を行うユーザーを選択する画面に切り替わる。ここでユーザーを指定すれば、その人に対して呼び出しが行われるという流れだ。
会議室として予約されている場合、設定した会議の10分前になるとPoly Studio X30の画面上に会議の名称が表示される。この画面で「参加」を選択すれば、Poly Studio X30を予約した会議に参加できる。
Poly Studio X30に搭載されている「Poly NoiseBlockAI」と「Acoustic Fence」といった機能にも注目したい。
まず、Poly NoiseBlockAIは、機械学習アルゴリズムにより、キーボードの打鍵音などを除去するもの。地味な機能にも思えるが、聞きやすい会議環境を作るのには重要な機能といえる。
そして、Acoustic Fenceは、仮想的なフェンスを作り、その外の音をシャットアウトする機能だ。これが特に便利なのは、オープンスペースでPoly Studio X30を使って打ち合わせを行うなどといった場面である。この際、Acoustic Fenceを利用すれば、オープンスペースの別の場所で行われている打ち合わせや電話の会話などが遮断されるため、オープンスペースでも会議室のように参加者の声だけをクリアに相手に届けることができる。これについては、以下の動画が参考になるだろう。
本体の中央に設置された、カメラのクリアな映像もPoly Studio X30の特長だ。4Kの解像度を備え、視野角は120度もあるため、会議室の広い範囲を明瞭に映すことができる。さらに話者を自動的に画面中央に配置する自動話者トラッキング機能があり、誰が話しているのかが明確に分かるのも便利な点だ。
実際に会議に使ってみた!ストレスを感じることなくオン・オフ混在会議が可能
実際にオンライン会議で使ってみて、まず驚いたのは圧倒的な音質の高さだ。ネットワークが安定していれば、オンライン会議に参加しているほかの参加者の声をクリアに聞くことができる。
Poly NoiseBlockAIやAcoustic Fenceの効果により、こちらの声がきちんと相手に届くこともメリットだ。
特に「会議室に複数の参加者がいて、別の何人かはオンラインで参加する」といった形態の場合、会議室側の声がしっかり聞き取れないことや、発言者がカメラに映っていないので誰が話しているのかがわからない事があり、「オンラインで参加している人たちが議論に積極的に参加できない」といったことが起こりやすい。しかしPoly Studio X30を使えば、会議室側のメンバーの誰が話しても、オンラインで参加している人たちにしっかり伝わるため、全員が会議室にいるときと同様に意思疎通が図れる。
トラッキング機能により、Poly Studio X30の前に座っている人のうちの1人が話し始めたとき、自動的にその参加者が画面の中央に配置されるのもメリットが大きいと感じた。誰が話しているのか分かりやすい上、広角で全体を映すよりも話者の表情が掴みやすいためだ。
このほか、興味深い機能が、「近接ベースの会議参加」機能だ。
これはPoly Studio X30など、Teamsにネイティブ対応した会議システムを利用している場合、PCやスマートフォンのTeamsアプリが「近くに会議システムがある」と知らせてくれる機能だ。その状態から会議を開催することが可能で、スマートにコミュニケーションを始められる。また、この機能を利用する事で、PC画面を無線で画面共有する事ができ、簡単に資料を見ながらの会議が行えるので、より理解を深める事ができる。
今後、新型コロナウイルスが収まったとしても、新たな働き方としてテレワークが定着する可能性は高い。それによって自宅で働く人々、また離れた場所にいる取引先などとのコミュニケーションツールとして、オンライン会議はこれまで以上に積極的に利用されるようになるのではないだろうか。
このような状況になれば、会議室に何人かの参加者がいて、それ以外の人たちはオンラインで参加するといった会議の形態は珍しくなくなるだろう。そうした会議をストレスなく行えるツールとして、Poly Studio X30がもたらす価値は極めて大きい。ぜひ積極的に導入を検討してほしい。
Polyでは、検証用として実機の無償貸し出しプログラムも行っている。
Microsoft Teamsについて
せっかくなので、ここでMicrosoft Teamsについて、少しだけ説明しておきたい。
Microsoft Teamsは複数⼈や1対1でのチャット、電話、ファイル共有、そしてオンライン会議の機能を備えたコミュニケーションツールで、「Microsoft 365」および「Office 365」で提供されるサービスの1つ。日経225の84%の企業で採⽤されている。
仕事におけるメールのやりとりは、「無駄な文章がどうしても増えてしまう」「過去のやり取りを参照しづらい」「添付ファイルに容量の上限がある」など使いにくい点があったが、チャット、会議、電話、ファイル共有の機能を統合したTeamsでは、「チャットによる素早いコミュニケーション」「コミュニケーションの履歴がスレッドにまとまり、過去の履歴を容易に参照できる」「ファイル共有時の容量制限も2GBと大きい」など、メールに対するアドバンテージが大きい。
また、充実した機能を持つ、オンライン会議もMicrosoft Teamsの魅力。画面共有はもちろん、カメラ映像のバーチャル背景や背景ぼかしにも対応するほか、オンライン会議でもあたかも1つの場所にいるかのように会議ができる「Togetherモード」の展開も始まった。会議録画の仕組みもあるので会議内容を後から簡単にチェックできる。