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「オンライン発表会」はPC1台にチョイ足しでできる! 挑戦したい人も困っている人も必見のオススメ機材とZoom設定を伝授

~性能、セキュリティともバッチリのIntel vPro対応PCが決め手

オンラインの発表会やセミナーは、オフライン開催に比べて小さな負荷でより大きな規模の情報発信を行うことができる。これまでニュースリリースを発信するだけだったようなケースでも、発表会を開催してより大きなインパクトを生み出すことがやりやすくなった
よくある会議室から、日本全国に向けて発表会を行える時代に。ツボさえ押さえておけばそのハードルは決して高くない

 コロナ禍の影響やそれに伴うリモートワークの普及により、新製品やサービスの発表会、説明会、各種セミナーもオンラインで開催されることが定着してきた。国内外や企業の規模、業界を問わず、さまざまな企業や事業者が発表会のオンライン化に取り組んでいる。

 オンライン発表会やセミナーと一口に言ってもその内容は多種多様。規模や開催形態によって使う機材やサービスには幅広い選択肢があるが、シンプルな発表会やセミナーであれば「PC1台」から始められるのは大きな強み。中小企業や個人事業主でも低コストで情報発信の場を持つことができる。実際、自分の会社でもオンライン発表会やセミナーを開催してみたいと考えている方は多いのではなかろうか。

 しかし、どんな機材を揃えればよいのか、どうやって運営すればよいのかが分からなくて二の足を踏んでいる、という人も少なくないように思える。

オンライン発表会に必要な機材や設定方法、運営ノウハウなどを大紹介

 そこで今回は、オンライン発表会を開催する広報担当者という視点から、オンライン発表会に必要な機材や設定方法、実際の運営ノウハウなどを紹介したい。

 要となるPC選びのアドバイスはもちろんのこと、膨大な選択肢があるカメラやマイク回りの機材選びに関しても筆者とインプレスのウェビナー配信チームの経験を交えて現実的なものを取りそろえた。

 ちなみに筆者は企業に所属していた際に広報を担当したことがあり、個人事業主として独立した現在でもスタートアップ企業の広報代行業務を行なっている。その経験から得たコスト配分やトラブル回避方法なども盛り込んで解説していきたい。

 記事の最後には、記事の内容をもとにした模擬発表会動画も入れたので、気になる方はぜひ参考にしてほしい。

オンライン発表会を「最小」でやるにはいくつかのパターンが考えられる


品質を担保しつつ「担当者に負荷をかけない」運用が大前提

 冒頭で述べたとおり、オンライン発表会の実施方法は非常に多彩な選択肢がある。

 一般的には発表会の品質(画質、音質、内容そのものなど)を上げるほど費用もかかり、それ以上に運営に必要な知識やノウハウが重要になってくる。

 この記事は、「これからオンライン発表会やセミナーに取り組みたい」という担当者に向けて、費用を抑えるのはもちろんのこと、運用の負荷をできるだけ下げることを一番の目的として、「松」、「竹」、「梅」という三つのプランを用意した。

 機材を充実させれば発表会の品質は上がるものの、それを実現するための難易度もどんどん上がる。そのため今回の記事では、経験値が少ない方の安全運用を重視し、ある程度の割り切りをしていることをあらかじめご了承いただきたい。


PCは発表会専用に用意、サービスは利用率の高い「Zoom」

 各プランの詳細を説明する前に、オンライン発表会やセミナーに必要な機材やサービスを紹介しよう。

 ビデオカメラやマイクに注目が集まりがちだが、まず忘れてはならないのがPCだ。


「自分のPCを使いまわす」のはトラブルの元

実は重要なポイントになるのがPC。普段使っているPCで発表会を開催してしまうと、発表会中の連絡や参加者へのチャット対応が難しくなる上、突発アクシデントが起きるとにっちもさっちもいかなくなる

 これについては、「普段、自分が業務で使っているPCを使い回せばいいのでは?」と考えるかもしれないが、そのPCで発表会を開催してしまうと、発表会中にスタッフ同士で連絡を取ったり、参加者にチャットを送ったりという対応ができなくなる。加えて、突発的なアクシデントへの対応が難しくなる。

 また、Webブラウザにお気に入りを設定していたり、アプリの通知をオンにしている場合、それらの機能を適切にオフにしていない場合、発表会のときにそれらが映り込んでしまう、というアクシデントも起き得る。

 いずれも設定や運用しだいで回避できるとはいえ、発表会前の準備に集中してつい設定を忘れていた……、というのはよくある話。場慣れしていてもアクシデントは起きるものなので、極力自分のPCとは違う発表会専用のPCを用意しておきたい。

セキュリティ保護や高度な管理機能を利用できる「vPro」と、最新PCならではの高性能と快適なユーザー体験を約束する「Evo」の両プラットフォームに対応していることを示すCPUエンブレム。

 そしてPCのスペックだが、「配信サービスがギリギリ動作する」といったレベルではなく、ある程度の余裕が欲しい。そして、セキュリティの確保も大切だ。

 詳細は後述するが、今回のようなオンライン発表会を含めたビジネスシーンで余裕のある性能と機能を約束してくれるのが、“Intel Evoプラットフォーム”に対応したPC。そして、高度なセキュリティを提供してくれるのが“Intel vProプラットフォーム”に対応したPCだ。この両方に対応したPCも数多く存在している。


PCは“強力なセキュリティ”と“余裕あるスペック”が重要。目印は「vPro」と「Evo」

 さて、隠れた重要機材であるPCだが、性能が低過ぎると配信が不安定になってしまう可能性があるし、Zoomのようなビデオ会議サービスは進化が早く、新機能が次々と投入される。

 中には、PCスペックが低かったり古かったりすると利用できない「バーチャル背景」のような機能もあるし、音声ノイズ軽減などのようにすぐに一般化するものもあるだろう。そうした新機能をいち早く利用するためにも、PCのスペックはある程度余裕を持たせておくといい。

 また、もう一つ忘れてはならないのがPCのセキュリティ。

 企業にとって「晴れの場」である発表会の直前に、配信予定のPCがマルウェアなどで不安定になり、延期を余儀なくされるようでは(仮に原因を隠し通すことができたとしても)あなたの会社の信頼度は下がってしまう。万が一にも、発表会の最中に配信PCが不安定な挙動を示したりしたら企業のブランド価値が失墜することは避けられない。

今回、配信用PCとして選んだ、レノボのThinkPad T14s Gen 2。「vPro」と「Evo」の両プラットフォームに対応しており、高いセキュリティ、管理機能を兼ね備えるほか、最新PCならではの快適さ・便利さが約束されている。CPUは最新のIntel Core i5-1145G7で、ZoomとPowerPointなどの同時利用にも余裕を持って対応できる。ThinkPadは伝統的に耐久性の高さが支持されているモデルでもあるため、今回のようなオンライン発表会用途にはうってつけだろう

 PCのセキュリティ対策で一つの基準となるのが、Intelが推進する“vProプラットフォーム”に準拠していること。ハードウェアレベルでのセキュリティ機能を備え、OSの機能だけでは対応が難しいBIOSを改変するようなマルウェアにも対抗できる。(vProの詳細についてはこちらから

 今回はレノボのvPro対応機「ThinkPad T14s Gen 2」を配信用のPCとして選んだ。

 このマシンはセキュリティの面で信頼できるだけでなく、最新PCならではの高性能と快適なユーザー体験を約束するIntel Evoプラットフォームにも対応している。EvoプラットフォームでWebカメラやマイクの音質も一定の品質が担保されているので、今回の梅プランのような構成でも従来のPCに比べて高い画質、音質を実現できる。

 また、配信用のPCは不特定多数のスタッフが利用したり、会場となる会議室に都度持ち運んだりすることになる。こうした運用では壊れにくいことも大事。耐久性に定評のあるThinkPadはその意味でも安心だ。

ThinkPad T14s Gen 2のインターフェース回り。有線LANアダプタ用のポートやHDMI出力、Type-CとType-A両方のUSBポートなど、充実の装備。
シンプルで品のある外観。オンライン配信の画面にPCが映り込む込むことになっても主張しすぎたり、チープな印象を与えたりすることがない
Lenovo USB Type-C トラベルハブ (2021年モデル)は有線LANポートを持っているため、これを使ってネットには有線で接続。Zoomなどのオンライン配信サービスは、その仕組み上、どうしても通信状況が安定性や画質、音質に影響を与えてしまう。とくに無線LANを使う場合は電波干渉などで突発的に速度が落ちて画面や音声が乱れるようなトラブルが起きる確率が上がるので、万全を期して有線LANを使いたい

Zoomは発表会向けの「ウェビナー」契約がオススメ

 また、発表会を開催するサービスはZoomを利用するのが無難。利用率が高く操作に慣れている人が多い、ユーザー登録不要で参加できる、アプリをインストールせずにWebブラウザからも参加することもできる、というのが選択の理由。

 すでに会社でほかのビデオ会議サービスを使っているという場合、操作に慣れていることも運用面では非常に重要なので、普段使っているサービスを使うのもよい。

 Zoomには主に打ち合わせに利用する「ミーティング」と、発表会やイベント向けの「ウェビナー」という2種類のサービスが用意されている。大きな違いは参加者の扱いで、ミーティングは参加者全員が画面に表示され、ウェビナーでは登壇者のみが画面に表示される。

 料金はZoomの月額2,000円(もっとも安価な有償プラン“プロ”の場合)に加えて、ウェビナー利用のためのアドオンが月額10,700円からになっている。

 ウェビナーを契約せず、ミーティングで開催することも可能だが、ウェビナーであれば、参加者からの質問を一覧で確認できたり、マイクのオンオフなどの設定をまとめて行なえるので、運営側の負担は軽くてすむ。

 ミーティングの場合は参加者同士が表示されるため、視聴者として参加していただく方々(発表会の場合は記者など)には「ほかにこんな人達が来ているな」というのが分かり、心理的なハードルが下がるという面もある。

 どちらもメリットとデメリットがあるが、Zoomやオンライン発表会に慣れていない場合はウェビナーの契約をお勧めしたい。

ウェビナーの設定は、Zoomのウェブサービスにログイン後、Webの設定メニューで行なう


オンライン発表会の鍵は「音質」、記事利用に備えてカメラも重要

音質を大きく左右するのがマイク。ただし、品質にこだわり出すと価格が青天井になり、運用も飛躍的に繊細になっていく
オンライン発表会では、映像をキャプチャして記事の画像素材として使われることもあるのでカメラの画質も重要だ

 参加者がオンライン発表会のクオリティの違いをもっとも感じやすい点は「音質」。

 音質が悪いと発表会の内容が正確に伝わらなくなくなってしまい、せっかく発表会を開催した意味がなくなってしまう。また、なんとか音が聞き取れはするものの音質が悪い、というのも聞いている参加者にとって大きなストレスとなる。最悪の場合、参加者が途中で退席してしまうこともあり得る。

 音質を大きく左右するのがマイクだ。一方で、品質にこだわり出すと価格が青天井になり、運用も飛躍的に繊細になってくるのもマイクの特徴。また、マイクの数が増えるとハウリングが起きやすい状況になるなど扱いも難しくなる。そのため今回の企画ではトラブルを防ぐことを最優先として、マイクの数を極力減らす運用を意識している。

 オンライン発表会では、登壇者や製品の映像をキャプチャしてニュース記事の画像素材として使われることもあるのでカメラの画質も重要。最近ではPCにカメラが内蔵されることも多くなっているが、画質を高めるために別途外付けのカメラを使うことを推奨する。

コストに応じた「松」、「竹」、「梅」の3プラン

 機材の構成は、コストに応じて「松」、「竹」、「梅」の三つを用意した。

 いずれのプランにおいても、オンライン発表会の配信業務と発表会での司会をつとめる“広報担当者”と、サービスについてプレゼンテーションを行なう“登壇者”の二人が存在する設定としている。この両者を一人が兼ねることも可能。自分のシチュエーションに置き換えて考えてほしい。オンライン発表会自体の運営手順は記事の後半で紹介する。


普段使いの機器を使ってコストをできるだけ切り詰める「梅」プラン

 「オンライン発表会は開催したいが予算が少なく、とにかくコストを切り詰めたい」という場合のプラン。

 使う機材はPCのみ、シーンとしても「会議室のテーブルとイス」を使うミニマムな構成だ。

「梅」プラン
右側のPCが“配信PC”、左側が“広報担当者PC”だ。負荷が高くなりやすいPowerPointのプレゼン表示とZoom配信を同時に行うのは前者。このマシンは余裕のあるスペックにしたい
「梅」プランの構成

【配信サービス】
- Zoom ミーティング
【PC】
- 配信PC(登壇者用)→レノボ・ジャパン ThinkPad T14s Gen 2+Lenovo USB Type-C トラベルハブ (2021年モデル)※有線LANアダプタとして使用
- 広報担当者PC→広報担当者が普段使用しているPC
【映像】
- 配信PC(登壇者用):PC内蔵Webカメラ
- 広報担当者PC:PC内蔵Webカメラ
【音声】
- 配信PC:PC内蔵マイク、PC内蔵スピーカー
- 広報担当者PC:普段ビデオ会議で使っているイヤフォンマイク

 このプランでは、広報担当者と登壇者がそれぞれ別のPCを使う。Zoomのホストになるのは、登壇者が使う「配信PC」。この配信PCは先に書いた理由から個人が業務に使っているPCとは別に用意することをお勧めしたい。

 広報担当者PCはサポート的に使うもの。こちらも新規に用意するのが望ましいが、ヘビーな使い方はしないので、今回は広報担当者が普段使っているPCを使い回すことを想定している。

 映像はPC内蔵カメラを、マイクとスピーカーは担当者・登壇者それぞれのイヤフォンやヘッドセットを使う。

 なお、サンプルの動画を見ていただけば分かるのだが、Webカメラの画質やマイクの音質は最新世代のPCと古い世代のPCでは大きな違いがある。「余っている古いPCで代用する」といったことは推奨しない。さらに、最新世代のPC間でもその画質には違いがある。Intel Evoプラットフォーム対応機のように、カメラやマイクの品質にも配慮されたマシンを用意したい。

 このプランは「最小限の機材でとりあえずやってみる」ことを重視しているので、あとで紹介するプランほど使い勝手がよくない。

 とくに注意したいのが音声回り。2台のPCの内蔵スピーカーから音を出すとマイクがそれを拾ってしまい、非常に聞き取りづらい状況になる。これを避けるために広報担当者PCはイヤフォンマイクを使うのだが、それでもどちらかが話をはじめると、その声がもう一方のマイクにも入ってしまい、ハウリングが起きやすくなる。

 こうした問題を回避するため、発言していない人は自分のPCのマイクをこまめにミュートにする必要がある。

映像はPCの内蔵Webカメラを使う。近年のPCはWeb会議を意識して内蔵カメラの画質を高めたモデルが増えている
古いPCを配信用に使い回すことは誰もが考えるが、性能、画質、音質面とも最新PCには劣ってしまう。画質、音質に関しては記事末尾にあるサンプル動画で確認して頂きたい

登壇者1名を前提としたシンプルな構成の「竹」プラン

 PCは1台だけ。それに加えてUSB接続のWebカメラを用意するプラン。

 「梅」プランよりはコストがかかるものの、梅プランより運用が楽なのがポイントだ。

 マイクはカメラの内蔵マイクを使い、スピーカーはPCの内蔵スピーカーから出力する。

 このプランでは使用するWebカメラが重要だ。Webカメラは製品によってかなり画質が異なり、3,000円台のエントリーモデルと8,000円台の高級モデルともなると差は歴然。発表会のような重要な局面では、迷うことなく後者を選びたい。

「竹」プラン
USB接続のWebカメラを接続したPC1台を担当者と登壇者が共有する。基本的にはしゃべる人が入れ替わるという運用なので慣れない方でも混乱しにくい。

 今回、竹プランで選んだロジクールのWebカメラ「C922n」は、Zoomで1~2人の登壇者を固定視点で撮るなら十分では、と思えるほどの高画質。カメラの自動補正機能で人物の顔を明るく映してくれるため、暗めの部屋でもある程度見栄えのする絵を撮れる。

 また、会場に一般的な会議室を利用する場合、部屋の照明で逆光になり、登壇者の顔が暗く映ってしまうことがよくある。登壇者の顔が明るくなるように、LEDライトも用意するといい。

 音質もPC内蔵マイクに対してハッキリ分かるほどよくなる。カメラと距離が離れると音が小さくなるが、普段PCで作業をするような距離感で話すのであれば十分だ。これを意識して機材を配置する。C922nは高級モデルとはいえ、直販で9,000円を切る程度なので、こうした製品を選ぶことでプランのコストパフォーマンスも上がっている。

 スピーカーについては運用の負荷を下げるため、PC内蔵のスピーカーを利用する。

 スピーカーはマイクほど高い性能は必要ないことに加え、別途スピーカーを用意することで機材の運用コストが増えるため、今回は運用重視の構成とした。スピーカーの音をマイクが拾って音声が乱れるハウリングはZoomが防いでくれる(なお、ハウリングの防止については、スピーカーとマイク、話者の位置関係や部屋の反響の状況などによって効果が異なる可能性がある)

「竹」プランの構成

【サービス】
- Zoom ウェビナー
【PC】
- 配信PC(登壇者用) →レノボ・ジャパン ThinkPad T14s Gen 2+Lenovo USB Type-C トラベルハブ (2021年モデル)※有線LANアダプタとして使用
【映像】
- Webカメラ →ロジクール C922n
- LEDリングライト →グリーンハウス GH-CSL80B-BK
【音声】
- ロジクール C922n内蔵マイク
- PC内蔵スピーカー

ロジクールのWebカメラ「C922n」。最新PCのWebカメラの画質は旧世代よりもよくなっているが、本機のような外付けカメラの上位モデルはさらによい。また、本機の場合、マイクの音質も侮れないレベル。ただし、話者との距離が離れるとマイクから遠い感じが強くなってくるので、通常のWeb会議のときのような距離感での運用を意識したい
今回用意したLEDリングライトはグリーンハウスの「GH-CSL80B-BK」。三脚付き、光量調整機能付きで実売2,500円前後で手に入る。こんなにおおげさなものでなくてもよいのでは?と思う方もいるかもしれないが、余裕ある光量を適切な明るさに絞って使うのが基本。また、部屋の天井照明で顔が逆光になるシチュエーションで顔のほうを明るくするためにはそれなりに強力な照明が必要だ

複数の登壇者が入れ替わる発表会スタイルの「松」プラン

 登壇者用の演台を用意して、担当者やプレゼンテーションを行なう登壇者が複数名入れ替わる、一般的な発表会のイメージに近いプラン。

 このプランでは、登壇者を映すビデオカメラと音声を取り込むマイクをそれぞれ用意。登壇者が複数の場合でもビデオカメラのズーム機能を活用することで、登壇者全員をカメラに映したり、1人だけをアップにしたりしながら質疑応答に答える、ということも可能となる。

「松」プラン
画質をさらに高めるために家庭用ビデオカメラを使う。このクラスのカメラになると、背景や照明の粗まで目立ち始めるので、全体の絵作りも少し意識する。演台を用意してスッキリとした壁を背にすれば、“それっぽい”雰囲気になる。加えて照明で顔を明るくして、プレゼンターの印象をアップする。

 カメラにはパナソニックのビデオカメラ「HC-VX992M」を選んだ。

 この製品の特長である4K映像は、オンライン発表会ではオーバースペックだが、配信業務に必須のHDMI出力を備えたモデルとしては安価で、現行のビデオカメラとして性能と価格のバランスに優れる。カメラの担当者を専任で用意できるなら、登壇者にズームしたり会場を映したりとカメラワークの自由度が高いのも魅力。安定した場所で撮影するためにビデオ三脚も合わせて用意しておこう。

 ビデオカメラの映像はそのままではPCに取り込むことができないため、HDMIをUSB経由で取り込めるキャプチャユニットも必要になる。

 なお、最近ではデジタル一眼カメラでもきれいな動画を撮影できるが、先述のHDMI出力に対応したモデルは比較的高価なものが多く、動画回りの操作や画質設定ではビデオカメラのほうが容易なので、機材の取り回しになるべく手間をかけないという今回のようなシチュエーションではビデオカメラがお勧めだ。

 マイクは、オーディオテクニカの「ATR2100x-USB」を選択。

 これは、音質に定評のあるマイクで、USB直結でPCに音声を取り込むことができる。単一指向性というタイプで、環境音や部屋のエコーを拾いにくいのもメリット。マイク位置によって拾える音が変わり、真正面が一番よく音を取り込めるが、左右30度から60度程度であれば十分な音質なので、複数人で同時に話すこともできる。

 スピーカーはこのプランでもPC内蔵のものを使う。Zoomの背景雑音を抑制する機能をオンにすることで、スピーカーの音をマイクが拾ってハウリングが起きるのを防ぐ。

「松」プランの構成

【サービス】
- Zoom ウェビナー
【PC】
- 配信PC(登壇者用) →レノボ・ジャパン ThinkPad T14s Gen 2+Lenovo USB Type-C トラベルハブ (2021年モデル)※有線LANアダプタとして使用
【映像】
- ビデオカメラ →パナソニック HC-VX992M
- USB-HDMIキャプチャユニット →Chilison HDMI キャプチャーボード
- ビデオ三脚 →SLIK GX7500
- LEDリングライト →グリーンハウス GH-CSL80B-BK
【音声】
- USB接続マイク →オーディオテクニカ ATR2100x-USB
- PC内蔵スピーカー
【そのほか】
- 演台 →E-WIN スタンディングデスク 昇降デスク SD58-BK

カメラはパナソニックの家庭用ビデオカメラ「VX992M」。HDMI出力端子を搭載しているモデルの中ではもっとも安価な部類に入る。画質はZoomで配信するものとしては申し分ない。実売価格75,000円前後
HDMIキャプチャユニットは、フルHD解像度対応で、USB接続のものなら2,000円台でも見つけられる。Windows 10環境でドライバインストールの作業が必要ないものも多い。今回採用した「Chilison HDMI キャプチャーボード」もそうしたものの一つ。Amazonにて2,200円ちょっとで購入できた
発表会でビデオカメラを使う際には三脚による固定と高さ調整が必須。会議室で配信を行う場合、今回の例のように机の上に乗せる運用も視野に入れて、なるべく低い位置から使えるモデルを選んでおくと潰しが効く。今回採用したのは老舗SLIKのGX7500というモデル。縮小時480mm、最大伸長時1,720mmと調整幅が広い。それでいて直販価格は5,478円とお手頃。
音声入力用のマイクも用意。オーディオテクニカのATR2100x-USBはストリーミングやWeb会議用途で高い評価を得ている製品。USB接続が基本だが、キャノン端子(XLR端子)によるアナログ接続にも対応している。実売価格は10,000円前後。サンプル動画の音声を聞いて声が遠いと感じるなら、別途マイクスタンドを用意して話者の口との距離を近く取ろう。ちなみに今回ThinkPad T14s Gen 2と接続した際、接続直後は正常に音声を入力ができなかった。“サウンドコントロールパネル”の“録音”タブの中にある本機を選び、“プロパティ”の“詳細”からサンプルレートの設定を96000Hzに一旦変更して適用し、再度48000Hzを選ぶと正常に利用することができた。USB接続の映像、音声機器は今回ケースを含めてさまざまなトラブルがまれに発生する。故障だ、相性だ、と慌てずにまず設定変更を試してみよう

当日では遅い!事前の機材チェックやリハーサルが成功の可否を決める

 機材に続いて発表会までに必要な準備について説明しよう。

 まず必要なのが、サービスの契約や機材の手配。

 最近は、コロナ禍の影響で電化製品の供給や物流が遅れがちな上、オンライン配信の需要の高まりで、目当ての機材が手に入らないこともある。「必要な機材が揃わない」ということがないよう、余裕を持って機材の手配にあたりたい。

 機材は決め打ちで購入してしまってもよいが、「不慣れなオンライン発表会のためにいきなりコストをかけられない」という企業もあるだろう。その場合は、機材レンタルも検討したい。レンタル機材のスケジュール管理の煩雑さはあるものの、当面必要な機材を低コストで調達できるし、気になる機材をテスト運用することもできる。

機材チェック(~1週間前)

 まず、リハーサル前に機材チェックをしておきたい。

 できるだけ配信当日と同じ場所、それが難しい場合はできるだけ当日の環境に近いシチュエーションで実際に機材を設置する。

 自席や会議室などで設置したときは問題なくても、会場で設置してみるとケーブルの長さが足りなかったり、机が狭くて機材が置けない、というトラブルを防ぐためだ。

 用意した機材を実際に設置し、オンライン発表会ができる環境を構築してみる。この目的は機材の不備や足りない機材がないかを洗い出すためのものなので、この時点で資料や登壇者の必要はなく、担当者のみで行えばよい。HDMIケーブルやUSBケーブルといったケーブル類についても足りないものがないか、長さは足りているかこの時点でチェックしておく。機材の不備に対応することを考えると、遅くとも本番1週間前、できるだけ早い時点で行っておきたい。

仮リハーサル

 次に行うのが「当日の流れを想定したリハーサル」。

 これは当日の流れをチェックするためのもので、担当者のみで進められる。この段階で登壇者に協力してもらえると助かるものの、まだ、あれこれ手順を確認して作業が前後することも多く、登壇者を待たせたり、やり直しが多発したりしがち。特に登壇者が多忙な場合、この作業は担当者のみで進めて、次の段階で加わってもらうのがスマート。

 発表資料は当日使うもの、もしくはほぼ同様の資料を使う。

 PowerPointやPDFのページをめくっていくだけなら問題は起きにくいが、「途中でWebブラウザの画面を共有してデモを行ないたい」「動画を再生したい」というときは、画面共有や、動画、音声が視聴者に正しく届くか、本番と同じ素材を使ってチェックしておく。

 この部分はPC作業が複雑になる上に、素材の不備(動画に音声トラックを入れ忘れた、音量がマイクと合っていないなど)もよくあるので手を抜かずに。

 資料が早めに揃うのであれば、機材チェックと仮リハーサルを兼ねても構わない。ただし、資料を待ってから機材チェックをすると、機材が足りなかったときに間に合わない危険性があるため、資料の完成を待って機材チェックが予定より遅れることのないようにしよう。

本番前リハーサル

 本番と同じ流れを実際に行ない、漏れがないかを確認する段階だ。

 ここでは当日の登壇者にも必ず出席してもらい、実際にプレゼンテーションを操作しながら発表をしてもらおう。

 オフラインでの発表会とオンライン発表会では操作するPCの画面や操作が異なる。オフライン発表会に慣れている登壇者でも、オンライン発表会でのPC操作に手間取り、まごついた姿が記者に映し出されてしまう、という事態は、残念ながらこれまでに何度か目にしてきた。あなたがもし、“私は慣れているから大丈夫ですよ!”とタカをくくっている担当者にあたったら、“私が不慣れなので、恐縮ながらリハーサルにお付き合いください”などと低姿勢で協力を求めよう。

 また、トラブルを防ぐためにも、登壇者がPCのよけいな操作をせず、発表資料のページをめくるだけでよい、という環境を整えることも重要。これはこのあと詳しく説明する。

当日前!オンライン発表会ならではの「必要な準備」

 オンライン発表会では、オフラインの発表会とは違う準備も必要。当日になって慌てないですむよう、事前準備で下記の項目も検討しておきたい。

・発表資料のダウンロードデータ

 オフライン発表会ではプリントアウトしたものを配布できるが、オンラインではデータで渡す必要がある。回線トラブルなどで資料がうまく表示できなかった、というトラブルに対処するためにも、参加者には発表会の開始前に配布しておきましょう。発表会開始の直前にメールやZoomのチャットでダウンロード用のURLを伝えることができる。

・登壇者の写真

 オンライン発表会では、登壇者の写真を撮ることができないので、記者が記事内で利用できるよう、登壇者の写真を用意して参加者に配布する準備をしましょう。発表会の最中に撮影するのがベストですが、事前に撮影したものを用意しておくのも手。

・カンニングペーパー

 オンライン発表会では、会場での発表会に比べて担当者の目線や発言の内容に注意が集まりがち。そのため、発表会前や冒頭に担当者から説明する内容は、文面をプリントアウトして読める、いわゆる「カンニングペーパー」を作っておくと、スムーズな進行が実現できるし、登壇者の緊張も和らぐのでお勧め。カンニングペーパーはできるだけカメラの位置に近いところに設置すると、カメラに目線を向けたまま話すことができる。

忘れずに設定しておきたい機材やサービスの各種設定

 実際の発表会にあたり、「チェックしておきたいポイント」をまとめてみた。

 もちろん、これ以外のポイントも多いが、まずは以下をチェックしておきたい。

Zoom

 ZoomはWebブラウザとアプリ、ウェビナー開催時で設定できる内容が異なる。

 特にブラウザでの設定はアプリやウェビナーの設定にも影響するため、必ずチェックしておきたい。ここでは忘れずに確認しておきたい設定をピックアップして紹介する。

【ブラウザ】

▼「共同ホスト」をオン
 参加者のミュートなどのコントロール機能を、自分以外のユーザーでも利用できようにする設定。担当者が複数いる場合はもちろん、一人の場合でも登壇者など関係者のアカウントは共同ホストに設定しておくのがお勧め。

共同ホストの設定画面

▼『「ブラウザから参加する」リンクを表示します』をオン
 Zoomアプリをインストールしていない、もしくはうまく動作しないときにWebブラウザから参加できるようにする設定。事前にオンにしておかないとリンクが表示されないため、忘れずオンにしておこう。

「ブラウザから参加する」設定の画面

▼「ワンクリックで参加できるように、招待リンクにパスコードを埋め込みます」をオン

 設定しておくとURLをクリックするだけで発表会に参加できるので便利だ。「ミーティングパスコード」をオンにした上でこちらも設定しよう。

パスコードの埋め込みはセキュリティメニューから行う

【アプリ】

▼オーディオ

 「自動で音量を調整」をオンにし、「背景雑音を抑制」を有効にする。

 「背景雑音の抑制」はレベルがいくつかあるが、「高」にすると近くを通る救急車やパトカーのサイレンも消すことができる。「高」にすると、話しはじめの音が一瞬途切れることもあるが、PCの操作音だけでなく、万が一の雑音もオフにできるメリットのほうが大きい。オーディオ設定に自信のある方以外は設定オンをお勧めしたい。

Zoomアプリのオーディオ設定画面

カメラ

 松プランでは、USBビデオキャプチャ経由でビデオカメラを接続するが、ビデオカメラの設定によっては「マクロ」、「ズーム」といったカメラの設定表示がそのまま映ってしまう場合がある。

 必ず画面を確認した上で、よけいな表示が出ていないか設定を確認しておこう。設定はメーカーによって異なるが、パナソニックでは設定の「外部表示」というメニューにある。

 また、カメラによっては顔認識機能をオンにしていると、顔を認識するアイコンが表示されることもある。こちらも設定を確認の上オフにしておく。

 Webカメラの場合、基本的には細かな設定は不要だが、カメラの撮影範囲を設定で変更できるカメラもあるため、リハーサルで最適な表示位置を確認しておこう。

マイク

 マイクの音は実際に聞いて判断するのが大前提。リハーサルの際にはZoomの録画機能で、映像や音を実際に確認しよう。また、視聴者ポジションのスタッフを用意して、音質をチェックしてもらうことも大切。

 確認する際の音量設定も重要だ。PCの音量設定が大き過ぎたり小さ過ぎたりすると、参加者にとって聞き取りにくい音量になることがある。自分のPCで動画や音楽などを再生してみて、適正と感じた音量設定の状態で録音を確認するようにしよう。

オンライン発表会をいつ・どのように案内するか?

 さて、若干順序が入れ替わってしまうが、ここで「オンライン発表会の案内の送り方」に触れておきたい。

 といっても、送る時期はいつものオフライン発表会と同じでよい。社内の通例がないようであれば、1週間前程度を目安に送るとよいだろう。

 オンライン発表会のURLは案内状を送る際に記載するのがお勧めだ。

 発表会は得てして(出欠連絡を事前にお願いしていても)出席の連絡をしていない記者の方が参加されることがよくあるが、オンラインの場合は突然参加したい人が出てきてもURLが分からないと参加できないからだ。

 発表会に参加するためのURLはWebブラウザから設定する。以下、ウェビナー作成時の設定を簡単に説明しょう。

開催日時・所要時間

 発表会の日時を設定する。時間になっても自動で始まることはない。所要時間も同様で、時間を超えても強制終了することはない。画面に表示するための基本情報と考えて入力しておく。

ウェビナーのパスコード

 ログインの際のパスコード。前述の設定でパスコードを埋め込んでおくと、参加者のログインが楽になる。

ビデオ

 主催者のビデオを最初からオンにするかどうかの設定だ。後で切り替え可能なのでどちらでも構わない。

音声

 ZoomはPCやスマートフォンだけでなく電話でも参加できる。電話で参加する人はあまりいないが、設定することで問題が起きるわけではないので、念のため「両方」にしておくとよい。

ウェビナー

 いくつか設定がある中でもっとも重要なのは「実践セッションを有効にする」。これをオンにすることで発表会直前の事前練習が可能になる。忘れずにオンにしておこう。

 ウェビナーの作成が終わったら、招待URLを確認して案内状に記載する。ウェビナー設定の「招待状のコピー」で招待用のURLを取得。言語が英語の場合は「メール設定」の「メール言語を選択」で日本語を設定してから再度URLを取得する。

 取得した文面は以下のようになる。

こんにちは。

あなたはZoomウェビナーに招待されました。
開催時刻:2021年9月9日 05:00 PM 大阪、札幌、東京
トピック:マイウェビナー

下記のリンクをクリックしてウェビナーに参加してください:
https://us06web.zoom.us/j/81xxxx33010
パスコード:0xx682
またはワンタップ モバイル:
米国: +13126266799,,81xxxx33010#,,,,*0xx682# または +13462487799,,81xxxx33010#,,,,*0xx682#
または電話:
ダイヤル:
米国: +1 312 626 6799 または +1 346 248 7799 または +1 646 558 8656 または +1 720 707 2699 または +1 253 215 8782 または +1 301 715 8592
ウェビナーID:81x xxx3 3010
パスコード:0xx682
利用可能な国際番号:https://us06web.zoom.us/u/kRxF9VOTS

 重要なのはURLとパスコードだけなので、ほかの部分は不要だ。URLをパスコードに埋め込んでいる場合も、ゲスト端末から参加する場合などURLからログインできない場合もあるため、パスコードは併記して送るようにする。

招待URLにパスコードを埋め込む設定はWebの設定メニューから行う。この設定のように、Zoomはアプリからは設定できない項目がいくつもあるので注意

当日は「実践セッション」で直前リハーサル

 発表会当日は開始時間よりも早くZoomにログインし、発表会を開催するウェビナーを開始する。

 「実践セッションを有効にする」がオンになっている場合、参加者が入室しない状態で動作を試せるので、この状態で登壇者や関係者が全員ログインし、共有ホストなどの設定をすませておく。

 開始する際には画面共有を使って発表会の資料を画面に表示し、担当者と登壇者のビデオとマイクをオフになったのを確認した状態で「ウェビナーを開始」をクリックして開場する。参加者が早めに入室できるよう、10分前をめどにセッションを開始しよう。

 発表会開始までの間は、開始時間や当日の流れをアナウンスし、音声が正しく聞こえているか、画像が正しく映っているかを参加者に確認してもらう。音声アナウンスの場合は聞こえていない人にトラブルが伝わらないため、チャットにも「これよりアナウンスを行ないます。聞こえていない方はこのチャットにてご連絡願います」などと伝えるとよい。

 発表会が始まったら、当日の流れを冒頭で説明する。通常の発表会と違い、プレゼンテーションの間にチャットで質問を受け付けることもできるため、チャットで質問を受ける場合はその旨をアナウンスしておく。また、資料配付についても手元にない人は別途URLを送る、チャットで希望をもらったら送るなどの対応をここで説明しておこう。

登壇資料は操作が容易な「画面共有」で。終了後は資料を送付

 登壇資料は、配信PCからZoomの画面共有機能を使って表示する。

 Zoomの画面共有の画質はそれほど高くなく、別途PCを用意してその映像を取り込むほうが画質はよいのだが、構成が複雑になってしまう。また、画面共有で資料を表示しておくと、登壇者は目の前のPCに表示されている資料のページをめくるだけですむため、操作も非常に楽になる。

 ただし、画面共有はファイル容量が重いデータは不向きで、動画を再生すると画面が止まってしまうこともある。動画を使う場合はできるだけ容量を軽くしつつ、実際にリハーサルで正しく表示されるかを確認し、万が一表示できない人のために動画ファイルやストリーミングURLを送るなどの対策を用意しておきたい。

 ちなみに、もう1台PCを利用する「第2カメラ」であれば、資料も高精細に表示でき、動画もスムーズに再生できる。構成が複雑になるため今回は詳細を割愛するが、チャレンジしたい人は「第2カメラ」で検索してほしい。

 プレゼンテーションが終わり、質疑応答を受ける場合はZoomの挙手機能を利用すると、だれが質問したいかを一覧で確認できる。そのままだと相手がミュートで話せないため、質問者のミュートを解除してから名前を呼んで質問をしてもらう。また、雑音が入らないよう、終わったら忘れずにミュートに戻そう。

 発表会終了後は、質問したい人が残っている場合も含めてZoomをしばらく開いておく。理想は全員が退出したのを見計らってオフにすることだが、長い時間たっても退出しない人が多かったり、反応がない場合には、「○分後に終了します」と予告し、時間になってから終了するとよい。

 発表会終了後には、資料や登壇者の写真などを参加者に送る。発表の都合上、事前に見せることができなかった資料などもこのタイミングで送るとよい。

今後ますます広がるオンライン発表会。成功の秘訣は「事前の準備」

 オンライン発表会は準備が大変だが、どこからでも参加でき、移動コストもかからないという点で、実際の会場で行なう発表会とはまた違ったメリットも多く持っている。今後も広がるであろうオンライン発表会の運営に、本記事がお役に立てば幸いだ。

 一方で、この記事ではできるだけ基本的かつ必要不可欠な機材や設定に絞っていたため、書き切れなかった細かなポイントも数多くある。初めてのオンライン発表会を成功させるためにも、リハーサルや事前準備はできるだけていねいかつ何度も行ない、当日に向けて準備を進めていただきたい。

実際のオンライン発表会はどうなる?松竹梅の3パターンで実施した模擬オンライン記者発表会はこちら

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