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NFTか? リアルなレコードか? ―「ゲスの極み乙女」が始めた新プロジェクトとは

 バンド「ゲスの極み乙女」が、KLKTN Limitedが運営するNFTプラットフォーム「Kollektion」上で風変りなプロジェクトを開始した。自身のNFT作品「Maru」とリアルのレコードを交換することで、音楽とNFTの価値を問うとしている。レコード交換登録の締め切りは10月9日の23時59分。

 Maruは、1点ごとに異なるデジタルアート作品と、書き下ろしの未公開音源「Gut Feeling」(要するにユニークな画像データと未公開の音楽データ)が含まれる、1203点のNFT作品。バンド名を「ゲスの極み乙女。」から「ゲスの極み乙女」に改名することによって取れた「。」をモチーフに、さまざまなデザインの丸を組み合わせたという。

 今回発表された新プロジェクトは、ホルダー(購入者)が保有するMaruをバーンさせる(保有している暗号資産を永久に使えないようにする)ことで、デジタルアートが印刷されたリアルのレコードを入手できるというものだ。これからMaruを購入して交換することも可能で、レコードの配送は2023年頭を予定しているという。

「Gut Feeling」のレコード(Maru公式サイトより)

 KLKTNとゲスの極み乙女は、このプロジェクトを通して「リアルではない『NFT』と、リアルな『レコード』、どちらの価値がより高いのか、音楽とNFTの関係性を問いていきます」としている。

 このプロジェクトは、イギリスの現代作家であるダミアン・ハースト氏が2021年7月に行った、NFTを使ったプロジェクト「The Currency」から着想を得ているという。ダミアン・ハースト氏は、紙幣のように偽造防止が施された作品を1万点作成。コレクターはNFT化されたこれらの作品を購入したあと、1年以内にNFTを破棄してリアルなアート作品を入手するか、リアルなアート作品を取得する権利を放棄してNFTを持ち続けるかの選択を迫られた。