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映画「Winny」が2023年3月公開、金子勇氏の逮捕・裁判の奮闘を描いた作品

 映画「Winny」が、2023年3月に公開と発表された。企画の古橋智史氏によれば、Winnyの開発者である金子勇氏の逮捕・裁判の奮闘を描いた作品になっているという。

 Winnyは金子氏が開発し、2002年に公開されたファイル共有ソフト。P2P技術を発展させ、匿名性が高かったことが特徴で、掲示板の「2ちゃんねる」上で公開されると、映画、音楽、ゲームソフトなどがWinny上で違法に共有され、著作権侵害の温床とされた。

 さらには、PC内のファイルをユーザーが知らない間にWinnyに流出させてしまうマルウェアも出現。個人のPCに保存された画像や動画だけでなく、組織の機密情報まで流出したこともあり、社会問題となった。そうした中で、金子氏は著作権法違反の幇助の疑いで逮捕。ソフトウェアを開発したこと自体に罪はあるのかと、大いに議論を呼んだ。

 逮捕から7年後の2011年には金子氏の無罪が確定するが、それから2年足らずの2013年、金子氏は42歳の生涯を閉じた。

 この映画は、古橋氏の企画が2018年に実施されたイベント「CAMPFIRE映画祭」でグランプリを獲得し、制作が始まったもの。古橋氏は自身のnoteで映画について述懐。(ブロックチェーンの先駆けとも言われる)P2P技術が使われていることや、100万人以上が使うサービスをほぼ1人で開発し、フィードバックを掲示板で聞いたりしていた往年の金子氏の活動から、「今のWeb3関連プロジェクトに近いものを、勝手に重ねてしまいます」と述べ、「金子さんとその周りをサポートした方々の生き様をちゃんと残したい」と、作品への思いが語られている。

 脚本・監督は松本優作氏。キャストは金子氏役に東出昌大氏、当時金子氏の弁護を担当した壇俊光氏役に三浦貴大氏の、ダブル主演となっている。