被害事例に学ぶ、高齢者のためのデジタルリテラシー
設定を見直して対策!
フィッシング詐欺の被害に遭わないためにウェブブラウザーの設定を見直そう
2022年12月16日 11:50
フィッシング詐欺は猛威を振るっており、毎日のように新たな詐欺メールがばらまかれています。フィッシング詐欺に遭わないためには、怪しいメールを開かない、メール内のURLをクリックしない、といった防御策が有効です。しかし、個人的な要件や焦らせるような内容だと、うっかりクリックしてしまうこともあるでしょう。
また、過去記事「Googleの検索結果トップにフィッシングサイト? 過去には『えきねっと』を装った偽サイトなど広告を悪用した手口」で紹介したように、検索エンジンで検索する際にフィッシングサイトに誘導されてしまうケースもあります。万が一、フィッシングサイトなどの詐欺サイトへのリンクを開いてしまっても、ウェブブラウザーに標準搭載されたセキュリティ機能で遮断してもらえればある程度脅威を防ぐことができます。
Microsoft Edge(以下、Edge)やGoogle Chrome(以下、Chrome)でも、フィシングサイトを検出する機能を搭載しています。作成されたばかりの詐欺サイトだと検知できないこともありますが、ある程度時間が経つと遮断してくれることもあるので、この機会にウェブブラウザーの設定を見直してみましょう。
EdgeとChrome、それぞれの設定方法
Edgeを利用している場合は「Microsoft Defender SmartScreen」という機能が有効になっているか確認しましょう。「…」メニューから「設定」を開き、「プライバシー、検索、サービス」の「セキュリティ」にある「Microsoft Defender SmartScreen」のスイッチをオンにします。
Chromeを利用している場合は「…」メニューから「設定」を開き、「プライバシーとセキュリティ」の「セキュリティ」を開いて「セーフブラウジング」で設定します。通常は「標準保護機能」を有効にすればよいでしょう。
「保護強化機能」を有効にすると、Googleに閲覧データを送信する必要はあるものの、危険なウェブサイトやダウンロード、拡張機能から予防的な方法で迅速に保護してくれるようになります。守りを万全にしたいなら、「保護強化機能」を利用してもよいでしょう。
なお、これらの機能を有効にし、詐欺サイトを検出しても強制的にウェブサイト自体を表示することはできます。フィシングサイトのテストなどであえてアクセスするならいいのですが、基本的には表示しないようにしましょう。
また、ウェブブラウザーのセキュリティ機能だけで、ネット詐欺の脅威を完全に防ぎきれるわけではありません。OS標準搭載のセキュリティ機能のほか、アンチウィルスソフトなどをきちんと適用し、自衛しましょう。
あなたの両親も“ネット詐欺”の餌食になっているかもしれません――その最新の手口を広く知ってもらうことで高齢者のデジタルリテラシー向上を図り、ネット詐欺被害の撲滅を目指しましょう。この連載では、「DLIS(デジタルリテラシー向上機構)」に寄せられた情報をもとに、ネット詐欺の被害事例を紹介。対処方法なども解説していきます。
「被害事例に学ぶ、高齢者のためのデジタルリテラシー」の注目記事
- SNSで仕事を受けたら「闇バイト」だったケースも、意図せず犯罪に加担してしまう危険性
- 有名人の画像を悪用した広告が氾濫中、LINEで連絡すると投資詐欺に誘導されるケースも
- 「電話料金の未納があります」、フィリピンからNTTファイナンスをかたる怪しい国際電話がかかってきた
- FBIが警鐘、2023年のネット詐欺被害は125億ドルに。投資詐欺やビジネスメール詐欺など巧妙化する手口に要注意!
- Airbnbで素敵物件を予約しようとして危うく詐欺の被害に!? 正規サイトを悪用して金銭をだまし取ろうとする手口に要注意
- みちょぱ、団長安田、ゴリけん…タレントが相次いで詐欺被害を告白、その手口とは
- チェーンメールで有名だった「神の手雲」が15年ぶりにLINEで回ってきた
- SNSの「お金配り」に応募したら当選通知が届いた!? でも指示に従ったら犯罪に加担させられたケースも
- ウェブ閲覧中に突然「ウイルス感染」の警告画面、表示されても焦って電話しないで
- マイナポイント第2弾に便乗、「獲得したポイント2万円分が失効する」という詐欺メールが拡散中
- 「当選しました」という連絡は詐欺の可能性あり! 典型パターンを押さえておこう
- ネットを見ていたら突然「ウイルス感染」警告、誘導先のアプリをインストールしてみると……
- 元ZOZO前澤氏の「お金配り」に参加したつもりが……Facebookで起こっている詐欺に注意
- iPhoneのカレンダーから「セキュリティ警告」? 身に覚えのないイベントが勝手に追加されていた
- 友だちから「写真がネットに載ってるじゃん、気まずいな!」と連絡が来た
- 2回目の「特別定額給付金」が支給される? うっかり騙されて個人情報を入力してしまった
- そのほかの詐欺事例など、この連載の記事一覧はこちら
高齢者のデジタルリテラシー向上を支援するNPO法人です。媒体への寄稿をはじめ高齢者向けの施設や団体への情報提供、講演などを行っています。もし活動に興味を持っていただけたり、協力していただけそうな方は、「dlisjapan@gmail.com」までご連絡いただければ、最新情報をお送りするようにします。
※ネット詐欺に関する問い合わせが増えています。万が一ネット詐欺に遭ってしまった場合、まずは以下の記事を参考に対処してください
参考:ネット詐欺の被害に遭ってしまったときにやること、やってはいけないこと