被害事例に学ぶ、高齢者のためのデジタルリテラシー

騙されないように注意!

「イカゲーム」に便乗した仮想通貨詐欺、開発者が持ち逃げして価値がほぼゼロに暴落した経緯

 動画配信サイト「Netflix」で9月に公開された、韓国のアクションサスペンスドラマ「イカゲーム(英:Squid Game)」が話題になりました。手に汗握る展開で、筆者も一気に全話見ました。

 作品への注目が集まる中、10月26日に仮想通貨の「Squid Game」トークンが発行されました。イカゲームのようなオンラインゲームで利用できるとされ、ドラマの人気に引き寄せられてユーザーが殺到しました。

 1トークン約1円で販売された「Squid Game」トークンは1秒で売り切れ、その後24時間で24倍にも値上がり。メディアは「イカゲーム」にちなんでいる上、暴騰している仮想通貨のことを記事にしました。そして、その記事を読んだ人たちが殺到。その後も値上がりを続け、11月1日の朝、爆上がりし、1トークン32万円超となりました。

「Squid Game」トークンは公開後1週間で爆上がりし、暴落して価値がほぼゼロになりました

 皆さんなら、どう感じますか? 羨ましいですか? 1週間で約30万倍の急騰です。1000円買っておけば3億円です。

 しかし、美味しい話などあるわけがありません。「Squid Game」トークンは暴落を回避するという理由で、購入したユーザーの売却ができないようにしていました。

 そして最高値を付けたときに、開発者は手持ちの「Squid Game」トークンを全て売却し、推定2~3億円を持ち逃げしました。その動きが明るみに出ると、「Squid Game」トークンの価値は瞬間的に0.09円にまで暴落。なんと、99.99997%もの下落です。

 前日まで値上がりを楽しみにしていた人たちは、朝起きてチャートを確認し、呆然としたことでしょう。これは、典型的なネット詐欺です。開発者が最初から短期間で値をつり上げ、投資家の資金を持ち逃げする「ラグプル」という手口です。「Squid Game」トークンのホームページや開発者のSNSなどは全て消えました。

 兆候はありました。まず、「イカゲーム」の公式トークンでないことは初期から分かっていました。ホームページには誤字脱字が多く、開発者のSNSアカウントは実在の人物ではなかったようです。

 そもそも「Squid Game」トークンは今後リリースされる「イカゲーム」を模したオンラインゲームをプレイするために使われると謳われていました。そして、そのゲームに勝利すると「Marble」トークンが得られるのですが、「Squid Game」トークンを換金するには「Marble」トークンが必要になるのです。つまり、ゲームが開催されるまでは誰も換金できないのです。

 このような仮想通貨詐欺に遭わないためにはどうしたらいいでしょうか。投資用語だと「デューディリジェンス」が重要です。投資対象の価値や将来性、リスクを調査することです。きちんと自分で調べて、仕組みを理解し、信頼性と安全性を評価し、コントロールできる範囲内で投資すべきなのです。

 しかし、ほとんどの人はノリで投資することがあります。イカゲームが有名だから、大手メディアで取り上げられていたから、Twitterで盛り上がっているから、実際に値上がっているから、など理由はさまざま。しかし、どれも投資する根拠にはなりません。

 仮想通貨の仕組みは難しすぎて把握しきれないでしょうか。その通りかもしれません。それでも基本通り、分かっていないなら、利用しない方がいいです。仮想通貨は24時間取引されており、ストップ高やストップ安はありません。もし詐欺に遭っても誰も補償してくれません。全て自己責任ですので注意しましょう。

「被害事例に学ぶ、高齢者のためのデジタルリテラシー」の注目記事

高齢者のデジタルリテラシー向上を支援するNPO法人です。媒体への寄稿をはじめ高齢者向けの施設や団体への情報提供、講演などを行っています。もし活動に興味を持っていただけたり、協力していただけそうな方は、「support@dlis.info」までご連絡いただければ、最新情報をお送りするようにします。

※ネット詐欺に関する問い合わせが増えています。万が一ネット詐欺に遭ってしまった場合、まずは以下の記事を参考に対処してください
参考:ネット詐欺の被害に遭ってしまったときにやること、やってはいけないこと