被害事例に学ぶ、高齢者のためのデジタルリテラシー

犯罪に巻き込まれないように気を付けよう!

便利なQRコードだけど悪用も簡単、ネット詐欺にも使われるさまざまな手口に注意!

 QRコードは日本で開発された二次元コードです。カメラで撮影するとウェブページが表示されたり、電子決済では支払いやお金を受け取ったりできます。QRコード生成ツールを使えば、誰でもテキストやURL、メールアドレスなどを埋め込んだQRコードを作れます。

 しかし、撮影するだけでいいQRコードは悪用するのも簡単です。警視庁はサイバー犯罪被害防止対策用短編アニメーション映像の「QRコードトラブル編」として、短い動画をYouTubeで公開しました。

 その中では、喫茶店でスマホにQRコードを表示したままにしている状況について注意しています。支払いのために表示していたのですが、他の人にその画面を撮られて悪用されるかもしれない、という内容です。果たしてその写真で決済できるかどうかは分かりませんが、QRコードが読み取れてしまったら問題です。

 人前でお金の入った財布を開かない方がいいのと同様、レジで決済するとき以外は電子決済のQRコードを開かないようにしましょう。

偽装されたQRコードで詐欺に遭う可能性も

 セキュリティ企業カスペルスキーのブログではQRコードを悪用したサイバー犯罪の手口が紹介されています。まず、人はQRコードを読めません。そのため、「○○のログインはこちら」と表示されているQRコードが本物かどうか分からないのです。SNSやオンラインバンキングサイトに見せかけたフィッシングサイトを表示するかもしれないのです。

 オーストラリアでは、新型コロナウイルス感染症関連の情報を共有するポスターに付いていたQRコードが改ざんされました。ある男がショッピングセンターの2カ所で偽のQRコードを貼り、ワクチン反対派のウェブサイトに誘導したのです。もちろん、その後、彼は逮捕されています。

 QRコードはこのほかにも、連絡先を追加したり、通話を開始したり、SMSを送信したり、カレンダーでイベントを作成するQRコードもあるそうです。例えば、ネット詐欺師が「○○銀行」という名前の連絡先のQRコードを読み込ませた場合、ネット詐欺師から電話がかかってきても、スマホには「○○銀行」と表示されるので、騙される可能性がぐっと高まってしまいます。

 中国では以前、自転車のシェアサービスが流行りましたが、その自転車に犯罪者が自分のQRコードを貼り付け、利用料金を盗む事件が発生しています。

出どころが怪しいQRコード、読み込むときは注意しよう

 QRコードのトラブルを回避するためには、まず出どころが怪しいQRコードは読み取らないことが重要です。さらに、読み取ったURLが短縮URLだった場合には要注意です。QRコードに埋め込むのですから、本来は短くする必要がありません。怪しいURLをごまかす意図があるケースも考えておきましょう。ポスターや展示物のQRコードをスキャンする場合は、元の画像の上に別のQRコードが貼られていないかどうか注意して下さい。

 可能な限り、自分で検索してアクセスするようにしましょう。例えば、アプリのダウンロードなら、アプリストアで検索する方が安全です。そして、QRコードを迂闊にSNSなどにアップしないようにしましょう。「席が取れた~」などとチケットの画像を載せると、会員番号などの個人情報が含まれている可能性があります。

QRコードがらみの犯罪に巻き込まれないように注意しましょう

 先日、Twitterで怖いエピソードが投稿されて、バズりました。中目黒駅で知らない人から「僕達の新事業のQRコード読み取ってもらえませんか?」と言われた、というものです。投稿者は読み取るのを断り、検索はできないのか聞いたところ「それはできないんです」と言われたそうです。もし本当なら驚きです。

 例えば、「毒ではないですがとりあえずこれ飲んで下さい」と知らない人に液体を渡されて飲む人はいないでしょう。アクセス先の分からないQRコードを読み込めば何らかの被害を受ける可能性はあると認識していれば、断れるはずです。

 QRコードは便利ですが、その分セキュリティが万全ではありません。デジタルリテラシーを身に付け、賢く使いこなしましょう。

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※ネット詐欺に関する問い合わせが増えています。万が一ネット詐欺に遭ってしまった場合、まずは以下の記事を参考に対処してください
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