自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ!

【使いこなし編】第30回

モバイルWi-Fiではデータ通信量をモニターしておこう

 使いこなし編では、自宅Wi-Fiの電波状況を良くする方法を解説しているが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策で急きょ自宅でインターネット回線を用意しなくてはならない人に向け、特別編としてモバイル回線を使ってインターネット接続環境を構築する方法を解説している。回線工事を待つことなく、とにかく急いで導入したいときに、モバイル回線がとても重宝する。

据え置きタイプのWi-FiルーターでWiMAX 2+回線を使う場合、直近3日間で10GBを超えないようにするのがポイントだ

 モバイル回線を使う据え置きタイプのWi-Fiルーターの例として、UQ WiMAX「Speed Wi-Fi HOME L02」の設定方法を解説している。前回までで、端末をWi-Fiに接続し、回線も活用できているはずだ。

 これまでも書いているが、WiMAX 2+回線のハイスピードモードを使っていると、「ギガ放題」の契約では通信の容量制限はない。ただし、直近3日間で10GBを超えた日の翌日の18時から翌々日の2時ごろにかけて、通信速度の上限が1Mbpsになるという、ワリと緩めながらも微妙な制限がある。

 また、ハイスピードプラスエリアモードへ切り替えて通信した場合は、月間7GBを超えると通信速度の制限が掛かる。これらの制限を受けないようにするには、使った容量を監視しておくのが鉄則だ。うまく使えば、指定容量ギリギリまで使いつつ、こうした通信制限を回避できる。

 つまり、通信量は常時モニタリングした方がいいということだ。このための設定を見てみよう。これまで同様にAndroid/iOS向けの「Huawei HiLink」アプリを利用すると、ホーム画面に大きく表示されるので見やすい。

「HiLink」アプリを起動すると、円グラフでパーセントが表示されているはずだ。その中央をタップしよう
「データ通信量」の画面。初期設定ではハイスピードプラスモードでその月に使用した通信量が表示される。右上の設定ボタンをタップ
「通信量カウンタ」の画面が表示される。[ホーム画面に表示]をタップし、「3日」を選ぶ
「データ通信量」画面に戻ると、本日までと前日までの3日間の通信量が表示される。これが10GBを超えないように注意すべきだ
ホーム画面に戻ったときの表示。ハイスピードプラスエリアモードに繋ぐときは表示を「1ヶ月」の表示に戻せばいい
「通信量カウンタ」画面で[設定(3日)]をタップすると変更もできる。初期値のままでも、[ハイスピードプラスエリア]をオフにしてもいい
ちなみに、ウェブブラウザーで設定画面にアクセスすると、ログイン画面の[通信量カウンター]に本日までと前日までの3日間の通信量が表示される

 埼玉県にある筆者宅では、2階の窓際に置いたこともあるのか、WiMAX 2+回線の電波強度は常に振り切って安定している。電波の入りが不安定なようなら、ベストな設置場所を探してみるといい。

 モバイル回線の電波状態は、HiLinkアプリのホーム画面や、ウェブブラウザーのログイン画面に表示されている。HiLinkアプリでは、「ベストポジション」というツールでも表示できる。また、本体のLEDステータスでも確認可能だ。

[ツール]タブの[ベストポジション]をタップ
モバイル回線の電波強度が時間軸で表示される。最も強い場所に本体を設置しよう

 筆者宅の光回線は、最大200Mbpsのフレッツ光なのだが、WiMAX 2+回線での使用感は、ワリと似たような感じだ。

 厳密に言えば、アップロードとレイテンシー(Pingの値)は遅いので、特に反応がシビアなオンライン対戦ゲームなどでは、反応が鈍くなるだろう。ただ、一般家庭で使う目的なら全く問題ない。YouTubeも1080pのHD画質で途切れることなく再生できるし、複数人でのビデオ会議もこなせる。

WiMAX 2+回線を用いた日中のスピードテスト参考値。アップロードは遅いが、家庭での一般的な利用には問題ない速度が出ている
こちらはフレッツ光回線(最大200Mbpsの「フレッツ 光ネクスト ファミリー・ハイスピードタイプ」でプロバイダはOCN)での参考値。最近は混んでいて日中は遅いが、アップロードとレイテンシ(Ping値)は速い

 最後に、Speed Wi-Fi HOME L02のステータスLEDについて。けっこう派手めに光るのだが、消すこともできる。上4つのLEDはモバイル回線の電波強度なのだが、一度設置してしまえば、そうそう変わるものではないので、Statusランプのみ点灯可能にし、電源が入り回線トラブルがないことだけが分かればいいだろう。

HiLinkアプリのホーム画面で設定ボタン→[デバイス]を選ぶ
[LED設定]をタップ
[常時点灯]をタップすると変更できる。[Statusランプのみオン]がお勧め
電源オンやボタンを押した時にランプを点灯する時間を選ぶ。[保存]をタップすると反映される
初期の全点灯状態。上4つのLEDがモバイル回線の電波状態を示している
[Statusランプのみオン]を選択した状態

 WiMAX 2+回線の据え置きタイプWi-Fiルーターでは、3日で10GBの制限だけうまく回避しつつ使いこなせば、固定回線に近い使い心地が得られるはずだ。リモートワークはこれからもしばらく必要になる。うまく自宅回線として使いこなしてみて欲しい。

今回の教訓(ポイント)

WiMAX 2+回線の「ハイスピード」モードでもデータ通信量を把握しておくと安心
直近3日間で10GBを超えなければOK。超えても翌日18時頃~翌2時頃に1Mbpsに制限されるだけ

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村上 俊一

1965年生まれ。明治大学文学部卒。カメラマン、アメリカ放浪生活、コンピューター雑誌編集者を経て、1995年からIT系フリーライターとして活動。写真編集、音楽制作、DTP、インターネット&ネットワーク活用、無線LAN、スマホ、デジタルガジェット系など、デジタル関連の書籍や雑誌、ウェブ媒体などに多数執筆。楽曲制作、旅行、建築鑑賞、無線、バイク、オープンカー好き。