● セキュリティ関連の事件・新製品のニュースが相次ぐ
マイクロソフトの月例パッチ、日本人を狙う偽セキュリティソフト、行政機関の個人情報漏洩問題、三重県警やNTTコミュニケーションズの情報流出、「Skype for Windows」を介したワーム、そして各社セキュリティ対策ソフトの新バージョン発表と、先週はセキュリティ関連のニュースが非常に目立つ一週間でした。
自分がウイルスの被害者・加害者にならないためには、まずは正しい知識と対策ソフトの導入が重要です。後半では、各社のセキュリティソフト新製品をまとめてチェックしましょう。
◆マイクロソフト、9月の月例パッチ4件を公開
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/09/12/16871.html
9月12日、マイクロソフトは9月の月例セキュリティ更新プログラム4本を公開。最重要の「緊急」1件、「重要」が3件という内容で、忘れずに適用しておきたい。内容について詳しくは「9月のマイクロソフトセキュリティ更新を確認する」を参照してほしい。
◆「ウイルスバスター2008」10月に発売、Web経由の脅威防ぐ新技術を搭載
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/09/11/16863.html
トレンドマイクロは、セキュリティ対策ソフト「ウイルスバスター2008」を10月26日より販売すると発表。Webサイトの安全度を判定する「Webレピュテーション技術」、疑わしいプログラムによりシステム領域が変更されるのを防ぐ「不正変更の監視機能」を新たに搭載する。このほか、先週は各社からセキュリティソフトの最新版が発表された。詳細は後述する解説を参照してほしい。
◆「フェアユース」の経済効果は4兆5,000億ドル、米業界団体調査
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/09/13/16890.html
米CCIAは、著作物を無断で使用しても公正な利用であれば著作権侵害にあたらないという「フェアユース」の概念が、米国に1年間で4兆5,000億ドル以上の経済効果をもたらしているとするレポートを発表。この概念は米国の著作権法には条文として規定されているが、日本の著作権法には存在しない。
◆ブラウザでデスクトップを再現する“WebOS”の「ajaxWindows」公開
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/09/11/16858.html
9月10日、米Ajax13社は、ブラウザ上でWindowsのような機能を提供する仮想デスクトップ「ajaxWindows」を公開。同社の「ajaxWrite」「ajaxXLS」等のWebアプリケーションと連携するほか、「Google Docs & Spreadsheets」など他社サービスのランチャーとしても機能する。
◆NTTドコモ、最大10,500円でPC向けの定額データプラン
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/09/13/16892.html
NTTドコモは、HSPDA方式で下り最大3.6Mbpsのデータ通信が月額4,200円~10,500円で利用できる「定額データプラン HIGH-SPEED」を10月22日より開始すると発表。ドコモ初の変動制料金プランを採用し、PCからのインターネット接続分も同料金の範囲内となる。
● 最新ウイルス対策ソフト選びのポイントは?
9月9日にダウンロード版が発売された「ノートン・アンチウイルス2008」「ノートン・インターネットセキュリティ2008」に続き、先週は主要なセキュリティソフトの最新バージョンが相次いで発表されました。10月26日発売の「ウイルスバスター」以外は、既に販売も開始されています。
◆シマンテック、スキャンやUI反応など“軽く”なった最新版「ノートン」
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/09/07/16833.html
◆「ウイルスバスター2008」10月に発売、Web経由の脅威防ぐ新技術を搭載
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/09/11/16863.html
◆日本向けのパッケージを一新したマカフィーシリーズ
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/09/13/16891.html
◆ジャストシステム、ヒューリスティック技術を搭載した「Kaspersky 7.0」
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/09/11/16861.html
各社のセキュリティソフトとも独自の機能をアピールしていますが、今後どのような脅威が現われ、それに対して有効に働いてくれるかを予測しきることはできません。そんな中で機能から選ぶのは難しい、とお感じの方も多いと思います。
そこで、1つの比較ポイントとしてわかりやすいのが「インストールできるPC数」と「年間ライセンス料」です。一家に複数台のPCがあるのも珍しくない時代に対応する形で、ソフト1本で複数台にインストール可能な製品が登場しています。また、通常は1年ごとに必要になるライセンス料が、複数年一括で割安な設定をしている製品もあります。併せてチェックしておきましょう。
「ウイルスバスター」は3台までにインストールが可能で、3年分のライセンスがついた「3年版」も用意されています。「ノートン」も同様に3台までインストール可能で、ダウンロード版限定で2年間のライセンス版もあります。「マカフィー」は1ユーザー版、3ユーザー版のほか、追加1台あたり1,000円で追加ライセンスが購入可能となっています。
「Kaspersky」は他社製品から乗り換えるユーザーのための「優待版」として、2/3/5/10ユーザー版と2年版をラインアップ(通常版は1ユーザーのみ)しています。
もう1つ注目したいのが「動作の軽さ」。セキュリティソフトをインストールしたらPCの動作が重くなった、という不満の声が多いことを受けて、各社とも新製品では動作の軽さをアピールしています。
各社とも、製品版と同じ機能が一定期間無料で利用できる試用版が提供されていますから、気になるソフトの試用版をインストールして、実際の動作を確かめてみるといいでしょう。
2007/09/18 12:05
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小林祐一郎 プログラマ、編集者、Webディレクター等を経て、ライター・編集者として活動。興味のあるテーマは「人はどうすればネットで“いい思い”ができるのか」 。ごく普通の人の生活に、IT技術やネットのコミュニケーションツールがどんな影響を与え、どう活用できるのかを研究している。近著「Web2.0超入門講座」(インプレス) |
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