先週は「CEATEC JAPAN 2008」が開催されました。さまざまなハードウェア、ソフトウェア、サービスなどが発表され、INTERNET WatchをはじめとしてBB WatchやPC Watchなど各誌がレポートを多数掲載しています。
その他では、麻生内閣メルマガに「太郎ちゃんねる」、「Eee Box」にウイルス混入で回収・交換へといったニュースもチェックしておきたいところ。また、ブラウザが無償提供となる「ニンテンドーDSi」も、大いに気になるアイテムです。
◆マイクロソフト、コンシューマ向けの新たなWindows戦略を発表
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/09/30/20995.html
9月30日、マイクロソフトはコンシューマ向けの新しいWindowsブランドコンセプト「Windows Life Without Walls」を発表。関連して同日より「Windows Media Center」でスカイパーフェクTVの一部チャンネルを有料視聴できる「スカパー!Netテレビ」を開始した。詳しくは後半で解説します。
◆ストリートビューは意見をもとに改善していく、米Google法務担当
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/09/29/20988.html
9月29日、グーグルは定例会見にてプライバシーに関する考え方を説明。多くの問題点が指摘されているGoogleマップの「ストリートビュー」関連に大部分を費やした。グーグルはストリートビューを世界展開していく上で、各国の法制度や文化を考え、ユーザーの意見を取り入れ改善していきたいと説明。インターネット非利用者からは電話でも削除依頼を受け付けているとした。
◆「ニコニコ動画(秋)」10月1日公開、ニコニコポイントなど開始
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/09/30/21007.html
10月1日、ニワンゴは「ニコニコ動画(秋)」を公開。動画視聴画面をリニューアルし、ユーザーが「ニコ割」を作成できる機能が追加となった。また10月15日からはニコニコ動画などで利用できるポイントシステム「ニコニコポイント」、ポイントで遊ぶ「ニコニコメダルゲーム(仮称)」が追加となる。
◆海賊版DSソフトのダウンロード違法化求める声も~著作権分科会
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/10/01/21018.html
10月1日、文化審議会著作権分科会の第26回会合が開催。法制問題小委員会が中間まとめを提出するなど、下部組織がそれぞれの報告を行った。ニンテンドーDSソフトの違法複製による被害の大きさから、違法アップロードされたソフトのダウンロード違法化を求めるコメントがされた。その他「日本版フェアユース」への懸念や、著作権の延長を求める権利者のコメントもあった。
◆楽天で個人情報が閲覧可能な状態、検索エンジン経由で
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/10/01/20991.html
「楽天市場」のメールマガジン登録情報ページが検索エンジン経由で閲覧可能になっていたことが判明。89人の個人情報が閲覧可能な状態になっていた。現在は対策を行い、89人のユーザーに対しては個別に連絡したという。
● 「壁のない世界へ」の第一歩はテレビ。マイクロソフトの新コンシューマ戦略
9月30日、CEATEC JAPAN 2008の基調講演にて、マイクロソフトはコンシューマ向けの新しいWindowsブランドコンセプト「Windows Life Without Walls」を発表しました。キーワード自体は9月18日に告知されていたもので、30日の講演はその具体的な内容を明らかにした形です。
基調講演では、マイクロソフトがコンシューマ重視のマーケティングを展開していくことをアピール。「Windows」ブランドを柱に、ソフトウェア+サービスによって「壁のない世界」を実現していく中で、「Windows Vista+テレビ」「Windows Mobile(携帯電話)」「Windows Live」の3本柱を挙げ、テレビの重要性を強調しました。
そしてWinows Media Centerの地デジ対応に続き、「スカパー!Netてれび」によってスカパーの番組が有料視聴可能になったと発表しました。開始当初は「ナショナル・ジオグラフィックチャンネル」「Baby TV こどもえいごチャンネル」など4チャンネルが視聴可能。12月には「ディズニー・チャンネル」の追加が予定されています。
このほか、TBS、フジテレビと提携したWindowsサイドバーガジェットの発表も行われており、「スカパー!Netてれび」などと合わせてCEATEC JAPAN 2008のマイクロソフトブースで展示が行われました。
なお、今後登場する新ソフト/サービスは、テレビ関連だけに限定されるわけではありません。携帯電話で撮影した画像をすぐにWindows Liveに送信し、PCやデジタルフォトフレームで共有するなどの技術のデモンストレーションも行われています。
マイクロソフトの発表をまとめると、「『Windows』をキーワードにコンシューマに力を入れていきます。ソフトウェア面でわが社の技術を結集するのはもちろん、テレビサービス事業者と積極的に手を組み、Windows上で提供していきます」といったもの。具体的な施策としては、スカパー!のチャンネル増を含め、今後に期待したいところです。
ちなみに、翌日にはヤフーが公演を行い、テレビやモバイルへの取り組みを発表しました。
マイクロソフトが「Windows」を軸にPCや携帯電話といったデバイスを基盤としているのに対し、Webサービスを基盤とするヤフーは、さまざまなデバイスにYahoo! JAPANのサービスを提供していく「Yahoo! Everywhere構想」について説明。シャープの液晶テレビ「AQUOS」を対象とした「Yahoo! JAPAN for AQUOS」や「iPhone 3G」向けサービスを紹介しています。
ハード/ソフト/サービス各社がそれぞれを組み合わせた総合ソリューションの提供に乗り出す中、アドバンテージを持つのは、やはり強いOSを持つマイクロソフトや、ポータルを持つヤフーなどになっていくでしょう。これらの企業が今後どこと手を組み、どんなソリューションを提供してくるのか、引き続き注目していく必要があります。
2008/10/06 12:17
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小林祐一郎 プログラマ、編集者、Webディレクター等を経て、ライター・編集者として活動。興味のあるテーマは「人はどうすればネットで“いい思い”ができるのか」 。ごく普通の人の生活に、IT技術やネットのコミュニケーションツールがどんな影響を与え、どう活用できるのかを研究している。近著「Web2.0超入門講座」(インプレス) |
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