新たな「クリックジャッキング」という攻撃手法が注目を集め、ウイルス「W32/Virut」に関するIPAからの注意呼びかけもありと、新種の脅威に関するニュースが目立った先週でした。一方では「ノートン 360」の発売など、セキュリティソフトのニュースも相次ぎました。今週11日に予定されている、マイクロソフトの月例パッチについても確認しておきましょう。
その他では、mixi5周年、「Myはてな」新機能、語学学習SNS「iKnow!」が「smart.fm」に名称変更といったニュースも。3~4月は人が動き、こうしたソーシャルサイト内でも動きが起こる季節です。どこかのサイトに参加して、新しく何かを始めてみるのにもいい機会ですね。
◆「ノートン 360 バージョン 3.0」発売、サイトの安全性も判定
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2009/03/06/22698.html
3月6日、シマンテックは「ノートン 360 バージョン 3.0」のダウンロード版を発売した。先に発売された「ノートン・インターネットセキュリティ(NIS)2009」の新機能すべてに加え、独自の新機能としてはWebサイトの安全度を判定する「ノートン セーフウェブ」を搭載。パフォーマンスの向上も行っている。同日行われた発表会では、「N360」ベースの広報車など広告キャンペーンも披露された。
◆主要ブラウザすべてに影響する「クリックジャッキング」攻撃とは
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2009/03/03/22653.html
3月3日、JPCERT/CCは、Webブラウザ上のユーザーのクリック操作を乗っ取り、ユーザーが予期しない操作をさせる「クリックジャッキング」という攻撃について概要と対策を示す技術メモを公開した。現時点ではすべての主要ブラウザがこの問題を抱えているという。
◆Windows Vista/Windows Server 2008の「SP2 RC版」一般公開
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2009/03/05/22673.html
3月4日、米Microsoftは、先に開発者向けに公開されていたWindows VistaとWindows Server 2008のSP2 RC版を、一般公開した。すでにSP2ベータ版をインストールしているユーザーは、RC版インストールの前にベータ版を削除しておく必要がある。
◆音楽配信の権利処理作業を一元化、JASRACなどが第三者機関を設立
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2009/03/06/22697.html
3月6日、JASRACやNMRCなど音楽著作権管理団体は、「著作権情報集中処理機構(CDC)」の設立を発表。音楽配信事業の急成長に伴い、権利処理作業を一元化するシステムを構築し、コンテンツ配信事業者や著作権管理団体の作業の負荷を軽減することが目的。2010年4月に管理システムの運用開始を目指している。
◆ウイルス「W32/Virut」亜種の感染拡大に注意、IPAが呼びかけ
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2009/03/03/22650.html
3月3日、IPAは、ウイルス「W32/Virut」の届け出が昨年末から増え、亜種による感染が拡大しているとした。このウイルスは実行ファイル等に感染し、Windowsのセキュリティ機能を無効化する。さらにPC内のHTMLファイル等を改ざんし、ユーザーが作成したWebページにウイルスダウンロードのためのスクリプトを仕掛けてしまう。対策として、IPAではウイルス対策ソフトの最新の定義ファイルでスキャンすること、OSやアプリケーションを最新状態に保つことなどを呼びかけている。
● 「ノートン 360」最新版登場。様々な手法でアピールするセキュリティソフト各社
3月6日に、シマンテックから「ノートン 360 バージョン 3.0」のダウンロード版が発売になりました。
シマンテックのセキュリティソフトといえば、「ノートン・インターネットセキュリティ(NIS)」や「ノートン・アンチウイルス(NAV)」が従来の主力商品です。「ノートン 360」は、それらのユーザー層よりもやや下の初心者~中級者向けに、ある程度機能を絞っている代わりに、簡単に使えるオールインワンの「セキュリティ+PCチューンナップソフト」として2007年3月に登場しました。
ですが、ユーザーの中にはノートン 360の方が上位版だと誤解する人もいて、「NISにある機能がノートン 360にはない」という不満の声もあったようです。「360」という名称のスケール感や、ノートン 360の方が高価であることを考えれば、誤解が多いのもやむを得ないところかもしれません。
そうした経緯もあり、最新のノートン 360では上級者向け機能も搭載。NIS 2009の新機能をすべて搭載し、さらに「ノートン セーフウェブ」を独自の新機能として搭載しています。また、パフォーマンスの大幅な改善も実施。インストールは1分、メモリ使用量(アイドル時)は10MB未満と発表されています。
オールインワンパッケージであるノートン 360は、ウイルスや不正アクセスなどからPCを守るセキュリティ機能のほかに、「バックアップ」「PCチューンナップ」の機能を持っているのも特徴です。バックアップは広い意味でPCを利用した作業の安全性を高め、チューンナップはPCの快適さを向上させ、安定動作にも寄与します。詳細はベータ版の試用レポートをご覧ください。
多数のセキュリティソフトがしのぎを削る中で、「何もしなくても保護される」という簡単さと、PCのチューンナップまでできる多機能さ、そして軽さを兼ね備えたノートン 360は、高価ながら魅力的な選択肢と言えます。この登場を意識してか、他社からも様々なキャンペーンなどが発表されています。
トレンドマイクロは「ウイルスバスター」の契約期間の2カ月延長キャンペーンを実施。5月31日までに同社の直販サイトで3年版を購入して登録をすると、2カ月の契約延長が付与されます。
マカフィーとデジタルアーツは、両社のソフトを半額以下でセット販売するキャンペーンを開始。大手量販店やオンラインストアで展開します。また、更新料無料の「ウイルスセキュリティZERO」はWindows 7対応版を発表。いささか気の早い話にも思えますが、これをインストールすればWindows 7のサポート終了期間まで更新料が無料になります。
その他、3月4日には無料セキュリティソフト「AVG Anti-Virus Free Edition 8.5」の日本語版が公開になっています。プレインストールされていたセキュリティソフトや昔からのセキュリティソフトを何となく利用している方も多いと思いますが、このあたりでじっくり比較検討してみるのも良いでしょう。
2009/03/09 11:47
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小林祐一郎 プログラマ、編集者、Webディレクター等を経て、ライター・編集者として活動。興味のあるテーマは「人はどうすればネットで“いい思い”ができるのか」。ごく普通の人の生活に、IT技術やネットのコミュニケーションツールがどんな影響を与え、どう活用できるのかを研究している。近著「できるポケット+ クラウドコンピューティング入門」(インプレス) |
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