ファイル名を一括変換! 細かい設定ができる「Namery」


こんなところが便利!

 ファイル名だけでなくフォルダ名も一括変換が可能。指定の文字列に連番をつけたファイル名への一括変換、ファイル名の頭/途中/最後に任意の文字列を追加する、ファイル名に日付を付加するなどきめ細かい設定ができる。

 そのほか、拡張子の大文字化/小文字化、全角/半角に変更、タイムスタンプを変更する……といった細かい設定が1つのウィンドウ内でできてしまうリネーマー。変更後のファイル名も選択した設定に合わせて事前にプレビューできるという親切設計も使いやすい。


■Namery
  作者:JUN氏
  動作OS:Windows Vista/XP/2000
  http://www.remus.dti.ne.jp/~kuwa/



非常に細かい操作が可能な多機能リネーマー

 数個程度のファイル名変更ならエクスプローラで1つずつ変更してもさほど苦にならないかもしれないが、数十~数百ものファイル名を変更するとなると1つずつではかなり時間がかかってしまう。ツールでまとめてやれることはなるべくツールに頼って、効率よく仕事をこなしたいもの。

 そこで、今回は多彩な変更ルールをサポートし、事前に変更後のファイル名も確認できるファイル名のリネームツールをご紹介しよう。

「Namery」を起動した画面

 「Namery」は下位層を含めたファイル名やフォルダ名、拡張子の一括変更が可能なツールだ。表示したファイル一覧から、選択したファイルだけをリネーム対象にでき、プレビュー表示で選択中のファイルの内容を確認しながら、変更後のファイル名もチェックできるのが特徴。

 3ペイン構造で、左ペインにエクスプローラー風のファイルリストとフィルタ機能やプレビュー表示欄、中央には変換対象となるファイルやフォルダのリスト、右ペインにリネーム設定エリアが設けられている。

 表示中のリストをクリップボードにコピーしたり、選択ファイルの削除も可能だ。フォルダやファイル名、パス名の一覧をクリップボードへコピーする機能も備えている。ツールバーのボタンは大きく押しやすく、よく使うフォルダをお気に入りとして登録しておけば1クリックで切り替えられるなど、細かい配慮が行き届いた操作性で快適に利用できる。

多種多様な変換機能が4つのタブに整理されている

 リネーム設定はその機能ごとに「Main」「Sub」「Extra」「etc」の4つに分けられている。

 「Mainタブ」では、ファイル名変換の中心となる機能が集められており、その内容は実に多彩だ。例えば、すでにあるファイル名を別に指定した文字列に変更しながら連番を振りたいとしよう。

 まず、変更対象となるファイルを左ペインのフォルダツリーから選択して、中央ペインに一覧表示する。次に、右ペインに用意された「文字列」ボックスに変更したい名称を入力し、連番の開始番号と桁数を指定する。あとは文字列と連番の組み合わせスタイルをプルダウンメニューで選び、中央のファイル名またはフォルダ名を選択していくだけだ。

 選択しながら中央ペイン右方の「変更後のファイル名」プレビュー表示を確認すると、選択した順に名称が変わっているのが確認できるはずだ。この場合、選択していればフォルダも一括変換できる。

 変更後のファイル名は選択順ではなく、常に上から下へと順番に番号が割り振られていく。このため、特定の順で番号を振っていきたい場合は、あらかじめ中央ペインに表示される一覧の順番を整えておく必要がある。表示順序を入れ換える場合は、ツールバー上の上または下矢印を使えばよい。

 希望の通りに変更されることがプレビューで確認できたら、ウィンドウ右下の「Go Namery!!」ボタンで一括変換する。もしも、結果に問題があっても、ウィンドウ上部に「戻す」ボタンがあるので、いつでももとに戻してやり直せるので安心だ。

 「Mainタブ」ではさらに、文字列ボックスや開始/桁欄に指定した数値を元に、元の名称の前方、または後方に指定した文字列を追加することもできる。そのほか、先頭文字だけを大文字化する、ファイル名の文字列全部を大文字化する/小文字化する(拡張子は別)、元の名称に対し、指定した桁数のあとに任意の文字列を挿入するなどのきめ細かい設定が可能だ。元のファイル名が長すぎるので短くしたい場合などは、頭から指定した桁数だけ文字を削除するなども可能だ。

「Mainタブ」でリネーム設定を行い、ファイルを1つ選択したところ、即ルールが反映された
ファイル全体を指定すれば、上から順に番号が付与される変更したいファイルだけ選択すれば、選択したファイルにのみ変更が適用できる

 「Subタブ」はおもに拡張子に関する変更機能が集められている。拡張子の変更、削除、追加のほか、拡張子の大文字化/小文字化ができる。そのほか、区切られた英単語ごとに先頭の1文字が大文字になる「英単語を区切って整形」、外部ファイルの文字列リストを使った整形も指定できる。

 通常は拡張子そのものは変更する必要性はあまりないのだが、最近増えているハイビジョン撮影対応のデジタルカメラなどで撮影した.mts形式の動画の拡張子をまとめて「mpg」に変更したいというときなどには、この拡張子一括変換機能が非常に便利だ。

 「Extraタブ」では、日付の付加や全角半角の変換が中心。フォルダ名、またはファイル名の前方、後方に作成した日付を指定した形式で追加、半角と全角の相互変換、全角カナとひらがなの相互変換、全角英字を半角に変換、数字を半角に変換などに対応する。

 このほか「etcタブ」のリネーム設定ではタイムスタンプの変更や属性の変更が可能だ。

「Subタブ」で拡張子を変更した「Extraタブ」でファイル名に日付を付加している様子

 ファイル名の変更ツールという単機能ツールながら、あまりに多彩な設定が可能であることに最初は戸惑うかもしれないが、プレビュー機能とアンドゥ機能があるために、実際にいろいろな設定を試してみることで、それぞれの設定でどうなるか理解できる。ファイル名をひんぱんに変更する、あるいは一括変換をしたいという方は、まずは利用してみることをおすすめしたい。

変更の取消も簡単メニューの「設定」を選択すると表示されるカスタマイズ用のウィンドウでは、初期フォルダや表示ドライブの設定、入力支援設定、プレビュー方式などが設定ができる

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2009/10/7 11:00


すずまり
大学卒業後、システム開発会社→ISPの営業企画→フリーのWebデザイナー→フリーのライター、とどんどん脱線。オンラインサービスからソフトウェア、ハードウェアまでIT関連のレビューを中心に活動中。趣味は写真。キックボクシングのリングサイド撮影が講じて、現在は目黒の某ジムの練習生に。現在の目標はミドルキックの上達とくびれの復活。